平凡な話でもこのふりかけをかけると、
なんだかドラマチックになるぞ。
とにかく「最後の○○」を設定する技だ。
高校部活、最後の試合。
一年はケガで泣き、二年はレギュラーを取られた。
彼にとって部活とは、この年だけだったのだ。
「使える車はこれしかないのか?」
「この事態だよ!動けるものは全部出払ってる!」
「こんな博物館入りの一台か…!(エンジンをかける)」
連休前の金曜日の夜。
ただですむはずがなかった。
「この店はもう閉めようと思ってましてね。
今日が最後の夜で、あなたが最後のお客さんです」
「ラストに頼むことは、なんだ?」
「敵はあとたった一人!」
わずか二週間の滞在だったが、
みんなよくしてくれた。
そして最後の夜、驚くべきことが起きた。
会社は挑戦し続け、失敗し続けた。
次失敗したら倒産だ。
彼は賭けた。王者ドラゴンクエストに真っ向から対抗する、
ファンタジーRPGに。
(「ファイナルファンタジー」の実話)
「オーディションの結果は?」
「最終選考まで進んだの!」
○○づくりは佳境を迎え、いよいよ最終段階まで来た。
しかし些細なミスがこれまでの努力を台無しにすることを、
以前の経験で知っている。
皆、緊張に包まれた。
この謎さえ解ければ、全ての謎が解ける…。
「全部の組み合わせは試したの?」
「まだひとつだけ試してないのがあるんだけど」
「何故やらないの?」
「とても危険なの。失敗したら…」
など、など、など。
チャンスじゃない場合もあるから、
ファイナルふりかけとでも呼ぶかね。
(ファイナルファンタジーなんて、
何がファイナルなのかよく分からないよね。
もう十何回もファイナルだ)
平凡なストーリーだとしても、
このふりかけをかけるととたんにドラマチックな魔法がかかる。
冒頭でもいい。
クライマックス直前でもいい。
捏造してみたまえ。
捏造したら、それが自然に見えるように、
最初から設定し直したまえ。
2018年07月21日
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