2018年07月23日

最初のシチュエーションを思いつかないと、ストーリーは始まらない

どれだけキャラクター設定を練ったって、
どれだけ魅力的な世界を創造したって、
ストーリーにはならない。

ストーリーには始まりが必要だ。
それは大局的な何かではない。

「主人公に起こったことで、
主人公が陥るシチュエーション」から始まるのだ。


戦争のような大きなものだとしても、
主人公が何に巻き込まれるかで変わってくる。

アムロはたまたまテスト中のガンダムに乗り込んだ。
このシチュエーションがなければ、
ガンダムというストーリーは始まらなかった。

このような、主人公が大局的な何かに関わり、
以後それの責任を取っているうちに、
より大きなストーリーのうねりの中に入っていくようにすると、
大きな話を作れる。


どんな大きな話でも、
最初の一点は、個人の小さな出来事であることに注意せよ。
人が一人やる程度のことが、
どんどん大きなことになっていくようにせよ。

それが平凡なことでは、ストーリーの入り口は失敗する。

「普通じゃない、何か変な、ステキな、変わった、
シチュエーション」に出会うことだ。



ストーリーはどうやってできるのか、
いまだに僕もよく分からない。
色々考えているうちに出来上がる、
としか言いようがない。

でも核になるものは一つだけあって、
「主人公が最初に陥る、面白げなシチュエーション」
というのがそれだ。

ここで「おっ」と思わないと、
次がないんだよね。

どんなに魅力的なキャラクターを作ったって、
どんなに魅力的な世界観を作ったって、
この最初のシチュエーションが面白くないと、
ストーリーなんて作れないと思う。

逆に、
この最初の面白いシチュエーションさえあれば、
あとから魅力的なキャラクターや世界観を足していく、
ことすら可能だと思う。

すべては「最初のシチュエーション」に乗っけることが可能、
といっても過言ではないような気がする。


もっとも、
印象的な出だしが書けても、
最後まで成立させることはなかなかに難しく、
多くの人は挫折する。

しかし最後まで書くのは技術でなんとかなるような気がする。
最初の面白いシチュエーションだけは、
閃きという名の非技術のような気がする。


この夏に、
「面白い導入100」を考えてみてはどうだろう。
ストックしておくと、
あとあとここから使えるものを拾えるかもしれない。
どういう面白げな導入を考えることが出来るのか、
試しにやってみるのも一興だ。
posted by おおおかとしひこ at 09:47| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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