気になっていたので、自分の整理もふくめてつくってみた。
状態遷移図のようにつくっている。
以下、縦書き想定の図。MS-IMEを想定している。
(クリックで拡大)
日本語を入力するには、ただキーをばかばか打っているだけでは無理だ。
入力、変換(+候補選択)、確定という
3(+1)サイクルをループしなければならない。
その要になるのはスペースキーとエンターキーで、
エンターが最弱小指でしかも遠いことは、
このサイクルを遅くしている原因である。
(実際、エンターを使わなくとも、
「次の入力」をすると自動的に確定するため、
エンターを使うべきは「無変換確定」のときだけでよい。
また変換キー、無変換キーは薙刀式では不使用なため図には含めていない)
日本語配列の開発において、
なぜ文字並べだけをやっているのか?
僕はこのサイクルを手早く、無駄なく回すことをやるべきだと考えている。
デフォルトのカーソルは遠いし、エンターもBSも遠いのに、
みんな気にならないのが不思議でならない。
いや、みんな指が長くておれより強いんだな。
もっとも、IMEやキーボード開発からやれないので、
これらの機能キーをなるべくホームポジションからシームレスに行けるところに、
配置するべきだと考えているだけのことだ。
つまり配列づくり単体には僕は興味はなくて、
「日本語入力をなめらかにすることを阻止する、すべての無駄や不合理」
が僕の敵である。
(ライブ変換や音声入力に、だから期待しているのだが、
今の所クラウドに近い変換結果しか出せないので、
自分の書きたい文章とひらきがあるときにとてもイライラする)
この図をつくるにあたって、
「候補選択」において、
「次の/前の候補群移動」にPgUp、PgDnが使えるとは知らなかった。
(この知見は次回の薙刀式の編集モードv9に織り込む予定)
ずっと「←」かスペースを連打してたよ…
(ちなみになぜ数字が昇順しかないのだろう?
降順なら数字段とずばり合うのに。
MSの歴史はもう20年近くあるだろうに、誰もいわなかったのだろうか?
そのうちMSに電話してみるか)
ここまでは、
PCの初心者も大体において知っていることで、
Macでも大体操作体系は一緒だから、
「日本語入力の基礎知識」みたいなところだ。
これは「入力の進行」に関わる状態遷移図であるが、
「もどる」こともMS-IMEでは可能で、それを重ね合わせてみた。
薙刀式の編集モードの売りのひとつは、
シフト上下からの再変換が、編集キー+「K」「,」「I」の中指縦三連に並んでいることで、
「もどる」ことがしやすいようになっている。
また、各段階を戻るキーには、
「確定アンドゥ」「ESC」「アンドゥ」の三種があり、
「それぞれを使い分けないと思ったところに戻れない」ということが、
この整理によって明らかとなった。
同じキーを二回押すのはナンセンスだ。
一意に操作できるのがベストだと思う。
なお「ESC3」表記はESC3回のマクロで、どの段階でも入力前に戻るボタンだ。
(編集キー+;で実装)
さらに確定アンドゥで、
「注目文節のみ変換前の状態」にもどれることもわかった。
薙刀式ではDelを置いていないので、
これが必要なら次回の課題になるだろう。
ううむ、きめ細かく定義してあるが、
これを全部使いこなして入力している人はどれくらいいるのだろうか。
勢いで打鍵して、
間違ったりやり直したりしたければ、
BSやアンドゥでやり直す人のほうが多いのかもしれない。
そのほうがわかりやすくて気持ちはすっきりするし。
初心者の打鍵が遅いうちは、こういうショートカットで戻ることを覚えにくく、
上級者になって打鍵速度が上がると、
直すくらいなら打ち直した方が速い、となってしまうかもしれないね。
「それでも打鍵数が少なく、指の動きが少ない方が合理的なはずだ」
と考える、超上級者向けの図かもしれない。
(僕の知らないショートカットについては記載していないので、
全貌の図ではないことを断っておく。
すべてのショートカットをふくめるとさらに奇怪な図になるだろうなあ)
で、
もどるキーがバラバラな場所にあるので、
薙刀式の編集モードでは、
ホームポジションから打ちやすい場所にあるように考えている。
現在僕がすでに使いながら調整中の編集モードv9(未発表)は、
こんな感じである。
上の図であげた戻るキーや移動選択系が右手に集中している。
もっと直感通りになれないか。
配列づくりの工夫は、
僕は文字並べだけで終わらないと考えている。
もっとも、理想のキーボード、理想のIMEを開発すればエンドゲームかもしれないが。
印刷用にpdfもおいとくので、
書き込み用、研究用などにご活用ください。
日本語入力の仕組み進行.pdf
日本語入力の仕組み進行と戻り.pdf
2018年07月27日
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