いいキーボードを手に入れた。
次にやることはなにか?
ブラインドタッチか?
それはあとでもいい。
ブラインドタッチのマスターにはかなりかかるし、
それをすごいと言われるまでに修練するには、
年単位の修行が必要だ。
それよりもやるべきことは、「姿勢を整える」ことだ。
最初に、小学校で書く姿勢について教えてもらっただろう。
これは何のために役に立つかというと、
きれいな字を書くことよりも、
「大量に書いて疲れない」方法を、教えてくれているのである。
〇背筋はまっすぐ……背筋を曲げていると数時間も執筆できないし、
数か月単位だとろくなことにならない
〇目線は下過ぎず、上過ぎず……首や肩こりに直結している
〇正面に字を……体をひねっていたら、長時間作業に影響がある
こういうことを、最初に教えてくれたはずだ。
しかるに、タイピングのことは、誰も教えてくれない。
なので、書いておく。
〇背筋はまっすぐ……同様。
〇モニタは下過ぎず、上過ぎず……同様。下過ぎる人が多い。
目線の高さよりやや下がいいらしい。
ノートパソコンはこの弊害が大きいと思う。
(「MacBook スタンド」で画像検索すると、
ノートを上に乗せて猫背を解消するグッズが見つかるよ。
自由が丘のスタバでは月に2回くらい見るね)
僕はタブレットであるSurfaceを使っているが、
スタンドを別に買って「縦置き」で使っている。
〇正面に字を……自分、キーボードのGH、書いている文字が、
中心にそろうようにすること。
テンキー付きのキーボードは便利だけど、
これを守ろうとすると右が大量にあまり、
マウスが遠くなる現象が起こる。
「左手マウス」「テンキーレスキーボード」が、
これを回避する手段として知られている。
数値入力用に、「テンキーを別に買う」という手もある。
これらはアナログと大体同じだから想像もつきやすい。
次はキーボード特有のルール。
〇キックスタンドをしまえ。
手前に傾けるのは、手首を起こし続けることになり、長時間持たない。
何故キックスタンドがついているかって?
印字を見えやすくするためだけらしい。
つまり、ブラインドタッチが出来ている人には必要ないということ。
出来なくてもそろそろそ大体覚えているだろうから、
まずは水平に置くことをやってみるといい。
手首の返りがなくなり、楽になることがわかるはずだ。
さらに、手の置く高さを変えると、ちょうどよい高さがあることがある。
そのためには、パームレストを手に入れる必要があるということだ。
パームレスト(またはリストレスト)は、
手の高さを変えて、キー面かちょい上に、手をリフトアップさせる道具だ。
長い棒状態でもいいし、板状態でもいい。
材質は、木製一択。
低反発材質で、布でコーティングされているようなやつは最初はいいけど、
30分もしないうちに「蒸れる」ということが分かってくるはず。
そして汗ですぐにメタメタになっていく。
夏場も辛い。
僕のおすすめは木材で、
自分で作ってしまうのが一番いいと考えている。
キーボードにもよるし、自分の手にもよるから、
ベストのサイズなんて同じものはないだろうからだ。
木なら、のこぎりとやすりがあるだけでなんとでもなる。
ホームセンターや東急ハンズにいくと、木材は数百円から数千円で入手できる。
カットサービスもあることが多いから、
あとは紙やすりで磨いて、角を取って、
手触りをよくするだけでおしまい。
木は吸湿性が高いし、汗(水と油)にも強い。
加工が容易でサイズ合わせが楽で、
ローコストの為、次をすぐ作れる。
いいことしかないよ。
パームレストは柔らかいほうがいいんじゃないか、
と思い込んでいる人は、木の手触りを忘れている。
小学校の机と椅子で、痛くなった経験があるかい?
あの感触がベストだよ。
日本の学校は、基礎教育だけは優秀だよ。
まあ試しにまな板でも置いて、キーを打ってみるといい。
15分も打てば、「あとはサイズだな」ということが理解できるはずだ。
木の材料にはさまざまあり、
日本で手に入る木のほうが安価だ。
ヒノキ、杉、サクラ、タモ、ブナ、桐、
あたりがいいんじゃないか。
一枚の木でもいいし、集成材でもいい。
外国の木のほうが高いが、変わったビジュアルをしていることが多い。
僕のおすすめは手触りこみで、
リグナムバイタ、ホンジュラスローズウッド
(ともに南米産)だ。高いし、加工も難しい。
まずは安い木でアタリを取って、
あとはいい木で作ったほうが愛着がわくかも。
ベストの厚みを出すのが難しい。
僕が試したのは、
2.5, 2, 1.5, 1, 0.8, 0.7, 0.5センチだ。
打鍵スタイルやキーボードの変遷によってこれだけ放浪して、
いまは1センチに落ち着いている。
紙を重ねてシミュレーションるすのがいいかも。
厚みをあとで変えるのはとても難しいので、
最初にこれを決めるのが吉だ。
巾は、キーボードの巾にするのがビジュアル的にも美しいだろう。
それより広くすることも狭くすることも、
理由がない気がする。
おおむね30センチ前後だろう。
奥がなかなか難しく、
2センチくらいの棒のようにするのもよいし、
広くとって板のようにするのもよい。
僕は現在13センチのわりと大きめの板にしている。
腕を乗せることが出来る(アームレスト)ので、
腕が疲れなくて済む。
ただしモバイルには、大きい板は取り回しが悪い。
据え置きなら、大きめの板でもよいかもしれない。
キーボードによって、キートップまでの高さは違う。
また視線の高さや、机の高さ、椅子の高さ、
その相対関係によっても姿勢は影響を受けて、
ちょっとしたミリが違うことで、
数時間の執筆に強い影響を与えることがある。
(僕は複数のカフェで書いたりするので、
カフェによって机や椅子のバリエーションはバラバラなことをよく知っている)
それを、パームレストの厚みを3ミリ変えることで、
実は吸収できる可能性があると、
経験者として言っておく。
(まだ法則は見つけていない)
いいキーボード、つまり押下圧の低いものを使おう。
そして適切なパームレストにたどり着こう。
それだけで、あなたのデジタル入力生活は、
2倍以上楽になる。
ブラインドタッチやキー配列の変更は、
そのあとでもよい。
経験者として、それは書いておく。
2018年08月05日
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