日本人のブラインドタッチのマスター率は、
さる調査によると3割程度らしい。
僕の実感より多いと思った。
そんなに日本人は出来ていないだろうと思う。
入力の効率を改善するうえで、
その3割に入ることは大切だ。
しかしマスタークラスになる必要はない。
まず数字段は捨てよう。
そこまでマスターできている人は少ない。
だとすると、3段の10キー、
計30キーをマスターすればいいということになる。
3なら覚えられる。4になると急に覚えられなくなる。
ブラインドタッチには規則があって、
・ホームポジションを守ること
・担当指が決まっていること
の二つだけ守れればそれでよい。
ホームポジションを守る目的は、
「決まった指で決まったキーを打てるように、指の位置を変えないこと」
なので、
ブラインドタッチの本質は、
「決まった指で決まったキーを担当すること」
だけだといえる。
3段だけをマスターするなら、
人差し指は6キー、他の指は3キーの担当を覚えるだけでよい。
3までならなんとか覚えられる。
人差し指は器用だからまあなんとかなる。
人間にできることだから、できないことではない。
こつこつ一か月もやれば、
ゆっくりながらできるようになるものだ。
ただし、真剣にマスターしなくてよいと思う。
僕は現行のローマ字入力(Qwertyローマ字)
には欠陥があると考えていて、
こんな欠陥入力を完全にマスターするのは奇特な人だけでよい。
もっと効率のよい配列が多数あるので、
適当な時点で、乗り換えた方がいいと思う。
それらの配列はブラインドタッチが前提なので、
そこそこは打てるようになっておいたほうがいい、
という根拠はそこにある。
つまりQwertyローマ字のブラインドタッチは、
次なる配列変更への準備運動に過ぎない。
Qwertyローマ字では、
もっともよく使うA(出現率12%)を、
もっとも弱い左小指に充てていることが最大の欠陥だ。
日本語はあ段が一番多いんだね。
一方英語では再頻出はE(11%)で、
Aの出番はそれより少ない(8%)。
だから外人は文句を言わずに打っている。
ちなみにローマ字でのEは五母音でもっとも少なく7%。
(いずれも統計根拠はhttp://www7.plala.or.jp/dvorakjp/hinshutu.htm)
日本人はもっと文句を言っていいと思う。
Qwertyローマ字のブラインドタッチが出来ても、
小指がボトルネックになって、
効率の良い、高速な入力など実現するはずがない。
逆に「ブラインドタッチができる」という3割の人は、
左小指が強い人かもしれない。
僕はこの不合理が許せなくて、
なるべく多くの人がこの悲劇を回避するべきだと考えている。
だから、Qwertyローマ字と決別しよう。
もっといい配列を、この連載の終わりのほうに紹介する。
しかし配列を変えることによる効果は、
キーボードをよいものに変える効果にくらべれば大したことないと思う。
糞みたいな安物キーボードで新下駄配列や飛鳥配列を打ったって、
手を痛めるだけだ。
それならば、
最高のキーボードで糞Qwertyローマ字を打ったほうが、
なんぼかましだと思う。
だからまずはブラインドタッチをマスターすることだ。
FJとA;の位置をキープしながら、
定められた担当指で打てるようになることだ。
親指シフトとか月配列とか薙刀式とかいう前に、
最高のキーボードでブラインドタッチできれば、
もう効率は2倍以上になったようなものだ。
それでも満足しない人だけが、
次の段階に進んだ方がいいと思う。
まずはキーボード面を一切見なくても、
文章が書けるようになること。
手元と画面を行ったり来たりする、
意識の分散や、首の疲れや、
それから来る肩こりや文章の集中力のなさを、
克服できる。
ブラインドタッチは、
得意な指からやるといい。
左小指からやると最後までできない。
僕は人差し指3キー、中指3キーをまずマスターして、
次にローマ字で使う左小指をマスターして、
あとを潰し、
最後に人差し指伸ばし位置の3キーずつを体に入れた。
とにかく速くなくていい。
速さは年単位でしかつかない。
それはQwerty配列の効率の悪さに起因している。
だから確実に打てるゆっくりした速さで、
指の充実をしていったほうがいい。
ブラインドタッチのコツを一つだけ書いておくと、
単語単位で覚えたほうがいいということ。
言葉単位で打って行くものだからだ。
一音一音打って行くのは、効率がよくない。
言葉と打鍵がセットプレイになっているのが、
ブラインドタッチの状態だということを体感しよう。
2018年08月06日
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