2018年08月09日

【入力環境を改善しよう5】配列を変えよう

日本語入力の仕方には大きく分けて、
カナ漢字変換(ローマ字入力、カナ入力)と、
漢字直接入力(漢直)の二流派が存在する。

(漢直の場合、かなをどうやって打つかという別の難問もある)

漢直は初心者は手を出さないほうがいいから、
カナ漢字変換の(ふつうのやり方の)配列、
つまりローマ字かカナ配列を求めることになるだろう。


デフォルトにあるローマ字とカナ入力は、
それぞれ、Qwertyローマ字、JISカナ入力という。

配列がQwerty、JISカナ配列を使っているだけで、
それぞれの配列が変われば、
ローマ字、カナ入力の機構は同じでも、
まったく違う合理的な指使いができる可能性がある。


ただ「何が合理的か」について百家争鳴なため、
いまだ結論の出てない世界だ。

だからあなたの思う合理がなにかに出会うために、
各配列にある合理を知ることはよいことだ。

人によって指の運動性能や物理が違うため、
たとえばオーダーメイドの靴のように、
全然違うフィット感があるかもしれない。

(たとえば僕は指が短いから、
キーピッチは小さい方がいいし、
手を広げるやり方は好まないから、打鍵範囲が狭い方がいい。
数字段も嫌い。
右手の方が左手の倍くらい器用だ。
左薬指、両小指はとにかく嫌い)



ローマ字は打鍵数が多いが、
使うキーが少ないためマスターが早く、運用も楽という特徴がある。

カナは使用キーが多いためシフト操作など手間が多い。
しかし慣れると打鍵数が少ないため、
手軽に打てて長時間であればあるほど楽という特徴がある。


初心者におすすめなのはローマ字入力で、
「Qwerty配列でない配列の」ローマ字配列だ。

たいていのローマ字系新配列は、
左右に子音と母音を分けた構造になっている。
日本語のローマ字は子音→母音の構造を取るから、
左、右……とリズミカルに打っていけるからだ。

Qwerty配列のように複雑な運指をしなくていいところが特徴になっている。

SKY配列、けいならべ、カタナ式を僕はおすすめしている。

SKY.jpg

けいならべ.jpg

カタナ式.jpg


とくに僕のつくったカタナ式は、
左右に子音母音をわけただけでなく、
十字カーソル、エンター、BSの機能キーを文字領域に持ってきて、
変換もホームポジションから手を離さずに行える特長がある。
(僕の嫌いな、左薬指、両小指を不使用というのも気に入っている)


そこまで複雑なことをしなくてもいいという人は、
一番シンプルなSKY配列をやってみるといいかもしれない。
けいならべは、二重母音の運指が楽なことに特徴がある。

ほかにローマ字配列は沢山ある。
作ることや改造が容易だからだ。
【入力の話6】様々な配列
http://oookaworks.seesaa.net/article/456685251.html?1533707054
に色々上げたので、気になるものがあれば各自調べていただきたい。



カナ配列で初心者におすすめなのは、
ひとつあげるとしたら月配列だろうか。
月.jpg

50音のカナを30キーとちょい、
つまり数字段を使わずにカナを収録したところがポイントだ。
「よく使う音は一打で、マイナーな音は二打で打つ」
ということで対応している。

これはカナ配列の基本となる考え方で、
前者を単打、後者をシフトという。

月配列の場合、
「中指中段のキー押したあとの一打」にシフトがかかるという、
逐次シフトを採用している。
高速で打てるので快適という噂。
(僕自身は出来ないので伝聞。
また、いくつかの欠点もあり、
完璧な配列でないのは断っておく)


月配列のシフトが二打必要なのに対して、
同時打鍵でシフトをかけるのが同時打鍵カナ配列だ。

親指の2キーでシフトする親指シフト(ニコラ配列)、
スペースキーでシフト、人差し指同時打鍵で濁音化し、
色々な同時打鍵で半濁音、小書き、拗音化する薙刀式、
などがある。
Nicola.jpg

薙刀式.jpg
(最新のバージョンの図ではないので注意)


またずぶの初心者にはお勧めではないが、
トップクラスに優秀な配列に、
親指2キーシフトの飛鳥配列、
中指中段、薬指中段、右手中指薬指上段の、
計6キーを同時シフトに使う新下駄配列がある。

飛鳥.jpg

新下駄.jpg




ちなみに、
複数の配列のマスターも可能であることも書いておく。
僕は、
Qwertyローマ字、カタナ式、
薙刀式、親指シフトが現在できる。
(かつて飛鳥配列、下駄配列もできたが忘れた)

このうちとくに使っているのは、
メインが薙刀式で、
会社のPCでメールを打つときはQwertyローマ字だ。


配列を変え始めると、
配列は一つではない、
ということが分かってくるので、
複数の配列をマスターすることも苦ではなくなることが多い。
(バイリンガルや複数言語を話す人と同じで、
使わないと忘れていくし、
メインとサブみたいになることが多いと思う)

それぞれに合理性が違うので、
自分に合う配列を探すのは苦しいけど楽しいよ。


僕に合う配列は、
結局自作の薙刀式だ。
(もちろん自作してもいい。
そのために広く配列を研究するのはとてもよい)




なるべく初心者にむけて、
入力環境をどう改造していくべきかを整理して書いてみた。

いいキーボードを買い、パームレストを整えるのが一番ですよ。
リアルフォースやNiZで、エンドゲームになってもいいと思う。
それだけで倍は効率が変わってくる。
速度そのものはたいして変化がなくても、
長期戦で効果が段違いだ。
一か月単位で考えると、疲れがまったく違うと思う。


そのあとに指使いが気になり始めたら、
その先のDIYの世界に足を踏み入れると、
底なし沼だけど楽しいかもしれない。
バイクいじりに似ているかも。


僕個人でいうと、
次回発表の薙刀式v9で、そろそろ完成の状態になるような気がする。
(これ以上は自作キーボードかもしれないなあと考えている。
また、いずれ漢直をやりたいのだが、
カナ入力でそこそ速く打てるようになってしまったので、
今更漢直が有効かどうかが分からなくなってしまっている)


「出口かな」と思うまで、
数年かかることもある世界。

それでも最高の文房具を探す覚悟があるか。

それくらい書きたい衝動がないと、
続けられないことだとは思う。



僕は、書きたい人の味方だ。
参考になれば。
posted by おおおかとしひこ at 02:06| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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