とりあえず面白いなあ、と思ったところを列挙してみる。
・単打でかなりなんとかなるところ
・単打の濁音の威力
・内側へ帰着する運指
・句読点の面白さ
それぞれ書いてみる。
・単打でかなりなんとかなるところ
統計に基づいているから当然なんだけど、
メジャーな音はほぼ単打でいいのがすごい。
薙刀式の場合、
「メジャーな音は、
シフト側にしてでも人差し指中指にして、指運びを重視」
ということを優先している部分があるが、
(の、ま、り、に、も、など。連続シフトで対応)
新下駄の場合は、
(僕が苦手な指にも)単打でメジャー音が置いてあり、
極力同時押しをしなくてよいように設計されている。
だからなんか適当に打つだけでも、
ぽこぽこと打ててしまう。同時押しをほとんど使わずに。
それが面白い。
逆にいうと、
僕にとっては左小指の「の」が辛い。左薬指の「と」もか。
あと、小指→中指のアルペジオがもっとも苦手なので、
よく使う連接の代表である「ない」がとても苦手だ。
しかしそれはユーザーの個体差かもしれない。
(そういうユーザーの指のプロフィールを、
上手に測定する方法はないものか……)
「まだ単打でいいのか」と驚くことがちょいちょいあって、
100万字統計は伊達じゃねえなあと。
「が」「で」が単打なのもとてもよくて、
それは次に書く。
・単打の濁音の威力
統計的に多く出現するのは、
「が」「ど」「じ」「で」の4つで、
そのうち新下駄では「が」「で」が単打になっている。
この絶妙なバランスがとてもよい。
「が」「は」「に」などの助詞にあたる音が、
上段にあるのがなんか気持ちよい。
「で」が一拍置いて考える下段にあるのもなんかいい。
「ど」は「どう」の連接が多いから、
I裏からの運指がとても気持ち良い。
(まだ中指シフトか薬指シフトか迷うが)
「じ」は中段にいて、「かんじ」の運指で覚えられた。
じは拗音に出てくることが多いと思うので、
拗音シフトが別にある新下駄では、
拗音以外の「じ」なんてたいしたことではないのかもだ。
単打に濁音があると運指がどんどん進む。
濁音シフトがあると「が」「で」で一回指が減速して止まるが、
単打濁音は次の言葉にもう指が行っている。
この速度感が新下駄なのだろう。
飛鳥のときは単打の濁音にそういう感覚はなかった。
あらためて配列図を確認すると、
飛鳥の単打濁音は「じ」「び」「ぎ」「ぶ」だった。
これは拗音の倍速打鍵用であったなあ。
なるほど、
文の切れ目の助詞と、
拗音用と、
それぞれの考え方が現れていて面白い。
(もちろん、それと何をトレードオフにしているかがあり、
それはのちのちわかってくることだとは思う)
・内側へ帰着する運指
今のところこれが一番気持ちがよい。
「い」「う」「ん」という三大メジャー文字かつ三大連接文字を、
中段人差し指中指に置いている威力が大きいと思う。
ほかにも、「て」「た」「る」「、」への運指も。
あとシフト側だけど、「ら」「り」「れ」への帰着も気持ちいい。
「いろいろ打って、最終的に内側へ帰着する」
という流れがとても多いように感じた。
これは親指シフトと真逆だとなあと。
親指シフトでは、
左右小指の中段に「う」「ん」があり、「い」は右薬指中段。
つまり外側に位置している。
親指シフトを使うと、
「人差し指や中指や薬指をいろいろ振り回して、
最後に小指で締める」
という流れが多いように思う。
句読点が小指上段なのもある。
僕は以前から書いている通り小指がとても苦手なので、
毎回小指に帰着する親指シフトは、
あまり手に合わなかった。
(それでもなかなか面白い経験だったが)
新下駄はそれと対照的だなあと思う。
「人差し指中指薬指小指をだいたい頻度順に使って、
最後に内側の指で締める感じ」
がとても気持ちいい。
(この内側で締める、
という考え方は、薙刀式では、
人差し指下段に句読点を置いていることで表現している。シフト側ですが)
強い指で終わると、次へ行きたくなる感じがある。
弱い指で終わると、一服したくなる。
新下駄は、次をせかす高速配列なのかも。
僕は大阪人のイラチ(せっかち)なのでこういう考え方は好きだ。
句読点で休憩してる場合ちゃうやろ、と思ってしまうたちだからね。
・句読点の面白さ
単打の句読点は面白い。
薙刀式ではシフト側にした。
それは
「句読点は考えの切れ目に打つから、落ち着いていい」
という考え方によるもので、
それはどの配列作者にも共通だと思う。
それがどういう落ち付き方でいいかだ。
薙刀式の場合、
シフト側とはいえ、人差し指下段という位置にして、
次を打ちやすい「いったん締めます」というニュアンスの場所にしている。
新下駄の場合、R.という変則だ。
もともとQwertyの,.の位置は僕は気に入っていない。
落ち着く場所じゃないし、
しかも句読点を間違えたりする。
飛鳥はさらにシフト,.だったので余計面倒だったなあ。
親指シフトではq@という不思議な位置で、
これにはやっぱり慣れない。
でもこれは、
小指を中段1キーに集中させるためのギミックであるだろうことは前にも書いた。
新下駄のR「、」は相当いいと思う。
Rは「すぐには打てないが、まあすぐ打てる」
という絶妙なキーだと思う。
そのちょっと落ち着く感じが、
ちょっと落ち着く「、」の感覚に近い。
この「、」の考え方は、
今まで打った配列で一番よかったかもしれない。
でも「。」はどうなんだろ。
対称にUでも良かったんじゃないかなあ。
RUで比較するとUの方が打ちにくく、
それは「、」「。」の関係に近いように思うけど。
横書きだと.の位置で納得するのかもなあ。
僕は縦書き中心だから、そのへんの感覚はちょっと違う可能性もある。
もうちょっと触ってみて考えたい。
一方、
ずっと混乱して理解しきれていない陰の部分もある。
次回。
2018年08月15日
この記事へのコメント
コメントを書く