2018年08月15日

導火線

すぐに大事件は起きない。
何か違和感があることがあり、
徐々に徐々におかしなことになってゆき、
ある日大爆発する。

その導火線の部分もストーリーだ。


ホラーがわかりやすい。
怪物が、「来るのか?来るのか?」
と思わせて来ない、
なんてところはポピュラーだろう。

稲川淳二の怪談だって、
変だなーと思うところがあっても、
なかなか本番はこない。

何か異変だ。
しかし少しずつ異変があるだけで、
それらは点の異変だ、
ある日それらが全部繋がり、
大事件の幕開けとなる。

こうなるのが理想の導火線だ。

大事件は説明が難しいから、
導火線は説明も兼ねている。

前振りがあれば、
本チャンの説明は短くて済む。

説明が短いほど、ショックは大きいから、
大事件感は強くなる。


遅刻遅刻ー!
ドーン!
なんだよお前!
そっちこそ前見ろよ!
なによ嫌な奴!

の部分と、

転校生が来るんですって!
どんな人だろう、ステキな人だといいな…
ガラリ、転校生を紹介します

の部分は、

あー!朝の嫌な奴!

の大事件の部分への導火線になってるわけだね。


怪物はなかなか全貌を現さない。
現したときは、
一発で絶望になるように作ってある。
そのために、部分のチラ見せで少しずつ説明にしていく。

点と点が線に繋がる時、
「なるほど見えてきたぞ」となり、
観客がのめり込む瞬間になる。

それは、焦点が劇的に定まる瞬間である。



おそらく、
ストーリーの序盤は、
この誘導ができれば良いと思う。

テーマの暗示、
主人公の背景となんらかの異変、
導火線的なことがあり、
全貌が線として繋がり、
事件としての始まりとなれば、
序盤としての役割は果たせる。

それを15分以内に済ませるのが、
スムーズな序盤だろう。
posted by おおおかとしひこ at 11:27| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事とはあまり関係ありませんが。

「マザーハウス 恐怖の使者」というホラー映画、御覧になったことはありますか?
ベネズエラの映画ということで興味本位で観たのですが、
伏線が素晴らしくドラマ性もあり、観終わったあとはホラー映画では感じたことのない
心がギュッと締めつけられる感じがありました。

「時間回廊の殺人」というタイトルで、韓国にてリメイクもされています。
興味があればぜひ。
Posted by しん at 2018年08月15日 15:16
しんさんコメントありがとうございます。

予告編のヒキが悪いなあ。どこかで見かけたら見るかも、くらいかと思われます。
まさかババアの二重人格オチじゃないだろうな…
Posted by おおおかとしひこ at 2018年08月15日 20:42
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