物語は一人では作れない。
主人公だけ必死で考えて設定を練っても、
それは出落ちで終了だ。
その人と誰が絡む?
その人はどういう設定だ?
コンフリクトなどという専門用語がなくても、
主人公と「違う人」を出して、
会わせれば、
そこになにかの発火が起こるだろう。
どうやって出るのかその登場シーンを凝ったり、
設定を凝っても構わない。
しかし最も必要なものは、
主人公と異なる動機を持つこと。
もうそれだけで出会った時に噛み合わなくなるだろう。
なぜ違うのか、どう違うのかを明らかにしたくなり、
話は進んでゆく。
勿論、二人だけで話は進まない。
三人目、四人目、五人目が出てくるだろう。
登場するだけでなく、退場したり休場したりするかもしれない。
その複雑な絡みどころを考えれば、
話は進むはずである。
なんといっても全員動機や目的が違うのだから、
「今誰にとって進捗があったのか」
が焦点になれば、
どんどん話は進む。
自分の目的遂行だけでなく、
相手の目的遂行阻止をしたりもするだろうからだ。
これらはすべて、
「違う目的を持つ」から出来ることだ。
どんなに違う設定や性格を作ってもしょうがない。
せいぜいガワがよく見えるだけだ。
ストーリー本体とは、
ガワのことではなくて、
何をしてどうなったかの連鎖で表すことが出来る。
時間の進行とはつまり目的達成の進捗のことであり、
誰の進捗か、ということだ。
それらを総称して、「絡む」というような言い方をする。
チンピラが絡んでくるのと同じ。
その人とその人は、人生で絡むわけだ。
そしてその絡みは、深刻なほど面白い。
誰と絡むのか?
誰と絡むのがこの話のメインで、
誰と絡むのがこの話のサブか?
それを決めていないと、
執筆はブレていく。
プロット段階でそこまで考えておくべきである。
2018年08月17日
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