2018年08月17日

誰と絡む?

物語は一人では作れない。
主人公だけ必死で考えて設定を練っても、
それは出落ちで終了だ。

その人と誰が絡む?
その人はどういう設定だ?


コンフリクトなどという専門用語がなくても、
主人公と「違う人」を出して、
会わせれば、
そこになにかの発火が起こるだろう。

どうやって出るのかその登場シーンを凝ったり、
設定を凝っても構わない。

しかし最も必要なものは、
主人公と異なる動機を持つこと。

もうそれだけで出会った時に噛み合わなくなるだろう。
なぜ違うのか、どう違うのかを明らかにしたくなり、
話は進んでゆく。


勿論、二人だけで話は進まない。
三人目、四人目、五人目が出てくるだろう。

登場するだけでなく、退場したり休場したりするかもしれない。


その複雑な絡みどころを考えれば、
話は進むはずである。

なんといっても全員動機や目的が違うのだから、
「今誰にとって進捗があったのか」
が焦点になれば、
どんどん話は進む。
自分の目的遂行だけでなく、
相手の目的遂行阻止をしたりもするだろうからだ。


これらはすべて、
「違う目的を持つ」から出来ることだ。

どんなに違う設定や性格を作ってもしょうがない。
せいぜいガワがよく見えるだけだ。

ストーリー本体とは、
ガワのことではなくて、
何をしてどうなったかの連鎖で表すことが出来る。
時間の進行とはつまり目的達成の進捗のことであり、
誰の進捗か、ということだ。


それらを総称して、「絡む」というような言い方をする。
チンピラが絡んでくるのと同じ。
その人とその人は、人生で絡むわけだ。

そしてその絡みは、深刻なほど面白い。



誰と絡むのか?
誰と絡むのがこの話のメインで、
誰と絡むのがこの話のサブか?
それを決めていないと、
執筆はブレていく。
プロット段階でそこまで考えておくべきである。
posted by おおおかとしひこ at 14:44| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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