こんなにアルペジオばかりだとは想像していなかった。
新下駄配列を、
「シフトだらけ」とか「同時打鍵」とか、
「拗音一打」とか「記憶負担が高い清濁別置」
とか表現する人は、あんまり深く触っていなかった人なんじゃないか。
新下駄配列は、アルペジオだらけの配列だと僕は感じている。
それは中指シフト、薬指シフトで文字を打ち、
別の文字へ連接するときに多発する。
連接の頻度が統計的に高い所、
代表的な言葉のときは、
シフトする指からのアルペジオになる。
その音同士のアルペジオになるときもある。
その時は内側の指にいく原則が強い。
残りの多くは悪運指を避けて左右交互打鍵になる。
つまり新下駄の運指は、
左右交互打鍵メイン、
裏で黒鍵のようにシフトがアルペジオになっていて、
頻出語だと内側に帰着するような運指
(いうん、てたで、が、る、などに)、
を延々していく配列、
のように表現することが出来ると思う。
これは慣れればたしかに最強の速さと気持よさを誇るような気がする。
やっぱりピアノを弾いているみたいだ。
(ピアノ弾けないからイメージです)
一方薙刀式では、
シフトの指ではなくて、
「その音のアルペジオ」ばかりを主に追及した。
その音の流れそのものを、
(単打もシフトも)なるべくつながりのいい指使いになるように工夫していて、
変化(濁音化、半濁音化、小書き化、拗音化、外来音化)は付け足しという感覚。
シフトするのは親指のスペースキーだから、
アルペジオとか関係なくて(左右12%の計24%)、
濁音半濁音小書きは人差し指だからアルペジオに自動的になることが多くて、
拗音外来音は同時押しに気を付けるだけでいい、
みたいな感覚なので、
「シフトはすべて補助、本筋はなるべくアルペジオ」
というのが薙刀式。
「本筋は『内側に帰着するアルペジオ』か左右交互打鍵、裏の和音でアルペジオ、
親指は無視して8指の連動に気を遣う」
というのが新下駄、みたいに運指感覚を表現できる。
薙刀式は筆。新下駄はピアノ。
そうたとえることができそう。
親指シフトはまた独特で、
「小指は固定されたまま、
人差し指中指薬指を動かして親指と連動させて、
小指や薬指に帰着させる」
という運指感覚。
たとえるならなんだろう。
握力計を握ったまま豆を拾う感じか。
もっとも、
親指シフト、新下駄の練度はまだ低いから、
合っているかどうかは分からない。
薙刀式、新下駄、親指シフトと色々やってみたので、
それぞれの指使いの感じが、
全然違うということがわかってきた。
配列は楽器に似ている。
その指使いは、同じようで全然違う。
物理的にはシフト形式や配置の差によるものだけど、
結果として出てくる運指感覚は、
こんなにも違いがあるんだなあ。
こういうことは複数の配列を経験しないと分からないだろう。
配列図や見たままのことを表現している人は多いけど、
使った感じ、常用する感じ、運動の感じを表現している人はいなかった。
だから書いてみた。
作家のはしくれの意地。
ここから愚痴。
で、そのシフトのアルペジオに指を使っているのか、
音の方を打っているのか、
指が混乱しまくる。
「同時打鍵」の混乱とでも言おうか。
わたしの右の指と左の指はどっちが何を打っているのか、
分らなくなってくる。
しかもアルペジオだから、何がどうなっているのか、
僕の脳みそが処理しきれていない。
おもう (SL)(FK)J ()は同時打鍵
右 LKJ
左 SF
だから (S,)D(SJ)
右 , J
左 SDS
られる (SJ)(DK)V
右 JK
左 SDV
なんかは個々はアルペジオが凝縮されていてとても好きなのだが、
これらが並ぶと指が大混乱する。
「だからそう思われる」とか。
いまその音を打っているのか、シフトキーを打っているのか、
シフトからの指がアルペジオになっているのか、
音のほうがアルペジオになっているのか、
分らなくなる。
(分らないけど指は打てていることがあり、
つまりは脳より指が先に出ていて、
でもそれは脳が把握しきれていない)
そして言葉の意味と指の対応も乖離している感じ。
まあ、一連でこれがすっと打てるようになると、
もはや決まりフレーズになるだろうから、
それまではこの混乱を延々繰り返すことになるのだろう。
習熟したら、
長い文章の中で和音が混じっているように、
自然に加速するんだろうなあ、
ということは想像できる。
あとは、その華麗な指捌きが、できるかどうか、好きかどうかか。
新下駄に挑戦して挫折した人や、
そこそこ打てる人の話があんまり出てこなくて、
使っている人の話もあんまり出てこないので、
そのへんのところがどうなっているのか、
あんまり分らない。
このピアノ演奏のような感じはとても楽しいのにねえ。
僕の世代だと、
彗星帝国の操作盤がパイプオルガンだったことを思い出す。
ズォーダー大帝、という固有名詞を40年近く言っていないかもしれない。
ただ、いま指は大混乱している。
僕の指は(時々書いているように)とても貧弱なので、
想定速度まで上がるのか分からない不安はつづく。
そこそこ速く打つとアルペジオは気持ちいいのだが、
そこに達していない打ち方だととても気持ち悪いんだよね。
秒3打あたりがその境目か。
ズォーダー大帝のような弾き方では遅いんだよなあ……
2018年08月17日
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