2018年08月23日

【薙刀式】打鍵の非対称性

右利きと左利きのファクターはどうしてもあるけど、
それを除いても問題なのがあって、
僕はずっと悩んでいるのだが、
キーが左に傾いていることだ。

前記事で右人差し指下段は、NMどっちかなあ、
なんて考えてみたが、
左人差し指下段なんて、V>>Bに決まってるじゃんね。


Bキーを嫌う人はとても多い。
僕は左手は不器用だから、
V>>>>Bという感覚ではなく、
V>Bくらいの感覚だ。

だから「ほぼ使わない」という配列もある中、
薙刀式では「そ」「ぬ」を当てていて、
使わないことはないレベルの頻度、
計1%となっている。


で、今日はひたすら、
「山形キーの入れ替え」を物理的にやっていた。

前から見たときキーが山形になるように、
ステップスカルプチャ状の、
高さの違うキーを並び替えるという魔改造だ。

僕はついに無刻印チェリー軸対応キーキャップをゲットしたので、
印字を気にせずにどんどん並び替えられる。

今回の並び替えは、
「左右の手の傾斜を変える」
という試みである。


結論から言うと、
左半分のスロープは緩やかに、
右半分のスロープは急斜面になった。


左手は手首の回転を全体に使い、
右手は回転をあまり使わない。

それはキーが左に傾いているからだ。

だから回転方向の動きがある分、
左手部分の傾斜は緩やかになり、
あまり回転しない右手側は、
手を自然に水平面に置いたときに、人差し指側が上がる分の、
斜面角を持っている、
ということになった。

割と数字段ファンクション段の、一番高いキーを真ん中に沢山使うので、
それを計算して2セット買い、
潤沢に並び替えてみた。

で、人差し指側が上がると親指も上がるので、
スペースキーの高さもあげたほうがいいのだが、
スペースキーも前から見て山形になっているほうが、
楽になることがわかり、
嵩上げしてる木材を削り出してみたらなかなか良かった。
一応斜面角度は左右で変えてみたが、
これは左右対称でもいいかもしれない。


もちろんこの山形トリック
(キーの高さを変えて山形をつくる)は、
左右対称のキーボードだと、
左右対称のスロープでいいと思う。

キーの縦列が左に傾いているが故に、
この調整をしなくてはならなかったわけだ。


で、ひたすら色々やれたので、
奥チルトもパームレストもアームレストも膝上システムも不要な、
机にベタ置きのままで、
楽に打てるような形になってきた。

しばらくは膝上システムと比べてみる評価打鍵期間を設けようと思ってるけど、
なんかベタ置きのままでいけんじゃね?
とか思っている。



この左傾きまで計算して配列づくりをしてる作者って、
どれくらいいるのかなあ。

僕はカタナ式のときから気になっていて、
(たとえば人差し指中段→中指上段のアルペジオが、
右は打ちやすいが左は打ちにくい距離感になるなど)
その打鍵感をなるべく配慮してるつもりだ。

それは法則性はなくて、
感覚でしかないから説明がとても難しいけど。

こういう手の感覚の部分があるので、
機械的なアルゴリズム探索で作った配列は信用していない。
手の感覚が評価関数に入っていればいいが、
大抵はそこを開示していない。
(てことは多分考慮に入れてない)


人の手が触るものだから、
人の手で触ってつくるべきだと思っている。

飛鳥のRayさんがこの左右のキーの関係の違いについて、
多少言ってたような気がするが、
ちょっと記憶にない。

新下駄のkouyさんは左手の方が特異だと明言している。

逆に僕は左手を回転させて打つのが苦手で、
右手のように左手を打ちたいと考えている。

いっとき左手のホームを、
FEWQにしようかと企んだぐらい。
こうするとハノ字に近くなるかなと思ったんだけど、
キーボードに対して腕のハノ字がきつい角度になり、
だったらそういうキーボードを探すか自作だな、
と諦めた経緯はある。

左右分割キーボードには興味があるのだが、
左キーボードをせっかく分離してもまだ左に傾いていて、
なんのために分離したんだよ!
ってツッコミたくなること多数。

あるいは逆に、
右手を左手のように使おうとしたのか、
どちらも逆ハノ字になっている自作系もあるよね。


こういうことはどんどん試すべきで、
そうすると自分が何が得意かわかるものだ。
そしてみんなが同じじゃないんだと気づける、
いい機会のような気がする。

いつかこのキーは傾かなくなるのだろうか。
格子配列の自作キーボードを触ったら、
思ったより打ちにくくてがっかりした記憶がある。

今の自作の流行りは格子配列だけど、
エルゴノミクスを考えて、
中指薬指担当キーを上にあげて、
小指担当キーを下に下げたような、
(言い方がよくわからないが)
キーの配置も出てきている。

同一平面じゃなくてもいいかもしれないよね。


もっとも、
キー配列設計が流行った時代は、
JISキーボードを使うしかなかった時代だから、
ポピュラーなJIS配列で使うことが暗黙の前提だったろう。
(TRONキーボードで使う想定の配列もあったような)

論理配列と物理配列は分けるべき、
という議論は大事だとは思うけど、
僕にとってはどっちも一体になりつつある。
変態配列の公式キーボードも増えてきたし、
変態配列の自作キーボードも増えてきたし、
物理と論理は密接に関係していると思うなあ。

薙刀式は一応ふつうのJIS配列とUS配列で使うことを想定してはいる。
山形になっていると、打ち方が楽になるというだけで。
posted by おおおかとしひこ at 03:11| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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