ストーリーを書いているとき、
船の舳先にいるか?
それを意識しよう。
船の舳先は、
海を割って前に進む。
抵抗が強いので、それに逆らって海を割らなければいけない。
当たり前だがここにいることはしんどい。
だから楽な方向に逃げてしまうときがある。
ご都合の展開、
つまり向こうから幸運や都合が降ってくるとか、
迎えに来てくれるとかだ。
メアリースーはその典型だ。
主人公じゃなくて、別のキャラクターが舳先にいることもある。
主人公に舳先にいさせ続けることが辛いからで、
その人に代わって欲しくなったからだろう。
多少はいいと思う。
集団劇とはそういうもので、
代わりばんこに矢面に立ってもいい。
しかし舳先に立つのが辛いという理由で、
主人公を船の後方に位置させて、
顎で指示したりリアクションをするだけになったり、
眠らせてはいけない。
それはあなたが舳先から逃げている。
波風が怖いだけだ。
ストーリーを書くこととは、
舳先を書き続けることだと僕は思う。
ときに人生そのものより辛い。
舳先にい続けることはエネルギーが必要で、
上下左右に振られ続け、
ずっと警告ランプが出たまま前に進むことだ。
時には船が難破するかもしれないが、
その時は船を作り直したり小さな船に乗り換えてでも、
目的地に向かって波を切り続けなければならない。
これはとてもしんどい。
だが、だから物語は価値がある。
いかなる冒険をしたのか、
いかなるモチベーションがあったのか、
いかなる意味があったのか、
その価値が輝きを持つ。
さあ、今日も航海の続きをしよう。
燃料が足りないなら補給すれば良い。
どんな波風だ。
よく見ろ。
切り裂いて前に進め。
簡単な波はない。
いつもギリギリだ。
舳先に立ち続けろ。
座っていいのは、目的地について船を降りた時だけだ。
2018年08月24日
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