2018年08月26日

二幕序盤は、非日常世界の設定部を兼ねる

一幕で日常世界の安全から決別し、
非日常世界への冒険を決意した主人公は、
非日常世界へ入ることになる。

そこがどういう世界なのかを、
ここで上手に設定することだ。


勿論絵で全て説明できれば理想だけど、
このパートではほぼ必ず、
「言葉による説明」が入る。

なぜかというと、
「非日常を理解するのは言葉が一番早い」からである。


外国についたとしよう。
ここは日本でない非日常世界だ。
で、
「荷物を置きっぱなしにして置き引きされて、酷い目にあう」
エピソードを挟むより、
「目を離したら盗まれるぞ。ここはそういう国だ」
と台詞で言った方が早いのだ。

エピソードによる説明は絵による印象を残せるが、
理解に時間がかかるのが欠点だ。
手っ取り早く説明を片付けたいなら、
手短な言葉にしてしまうのが最速だ。

もちろん、
置き引きされたカバンに○○が入っていて、
それが敵の手に渡り…などと、
説明に使われたエピソードが伏線としてのちに使われることもある。
そういうときは、
時間がかかったとしても、
印象的なものにしておいた方が良いだろう。

あとで思い出せるからね。


ここはどんなところか。
何に気をつけるべきか。
ここはどういう原理で回っているのか。
絵で説明するより、
言葉で説明したほうが理解が早いなら、
ここでガツンと説明を入れても構わない。

「マトリックス」の第一ターニングポイントは、
薬を飲んで本当の世界に目覚めるシーンだが、
そのあと、
「マトリックスとはどういう世界か」
を延々モーフィアスは説明する。
勿論絵による説明と言葉による説明を使い分け、
ワクワクする異世界体験を作り出している。


非日常世界は、
大抵が面白い世界で、
その道案内が上手だと、
さらに面白くなる。

上手に説明して、その世界の住人になりなってもらおう。
posted by おおおかとしひこ at 23:26| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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