2018年08月29日

【薙刀式】時速3000字

再びタイピングと原稿書きの関連を考える。

3000字の原稿を書くのに、
どれくらいかかるか?
僕はおおむね一時間だ。

じゃあ1500字は?
僕は15分くらいかな。

計算が合わない?

そうなんだよ。
文章を書くのって、比例関係を見積もれないんだ。


プログラミングの世界では、
工数で賃金計算をするのが常識だろう。

バイトだって時給だ。

もちろん作業にばらつきはあるだろうが、
ならしたら大体平均この賃金労働だな、
というのが工数という考え方だね。


文章もそうだろうか?

金を払う側はその理屈で払うだろう。
その人のランク×文字数で見積もるだろう。

ほんとうにそうかな。
僕はクリエーティブなことのギャラは、
仕事単価でいいと考えている。
その人の言い値と相場での交渉でいいと思う。

思ったよりかかったので請求は高めに、
思ったより楽だったので請求は低めにしても、
僕は良いと思う。
後者を普段していれば、前者は要求しやすい。


で。


1500字の原稿にかかる時間と、
3000字の原稿にかかる時間は、
倍ではないって?

経験上、倍じゃない。4倍程度。
つまり二乗に比例するんじゃないかな。

長い文章は、同じことを引き延ばすのではなく、
文章の要素が増える。
文章の要素が増えると、
それらの組み合わせが増えるから、
組み合わせ爆発的に内容は増える。

とはいえ全組み合わせを記述せずに、
適度に省略していくから、
階乗のオーダーでは爆発せず指数関数レベルにとどまる、
と、
僕は理系文系の両方の立場からこれを観察している。

さらに文章量が増えると、
たとえば10万字だとどうなるかは、
何度も経験していないので分からない。
しかしそこまでいくと、
log関数的に傾きが緩やかになるような予感もある。
その文章の世界に慣れてきて快適に書けることが、
関係しているようにも思う。


さて本題。

これとタイピングの関係だ。

僕は10分1000字(変換後)〜1200が、
実用上のタイピング速度だと考えている。

それは最初にあげた、
1500字を15分、という経験的数字に合致する。
しかし3000字は30分じゃ無理だ。
1500を打つより、考えることに時間を割くからだ。

パソコン検定が10分750字(変換後)を、
ひとつの基準に置いてあるのは、
おおむね僕の感覚と合っている。
しかしこれはコピー打鍵であって創作打鍵ではない。

僕はコピー打鍵は苦手で、
(他人の考えを一回頭に入れる時間がかかるので)
時に創作打鍵の方が速かったりする。
まあそれは文章の質にもよっていて、
二つの文章の質を合わせるのは原理上困難だ。


ようやく本題。

タイピングゲームなどで競われる、
分速○文字って、意味ある?

分速100字なんてどうでもよくないかなあ。
分単位で仕事しないからね。

30分速とか、時速でいいんじゃないの?

日本最速の小説家、
西尾維新は2万字を一日8時間かけて書く。
膨大だけど時速に直せば2500字だ。
分速でいえば42字程度で、
タイパーの言うところの、100とか150とか200の世界では全くない。

別の一点突破の最速作家、森博嗣は、
一日5000字を、一時間だけ使って書く。
時速5000字だがそれ以上は書かない。疲れるから。
これも分速83字で、
初段程度の速度でしかない。


つまり、分速100で書き続けられるはずがない。
その7割から4割が実測値で、
しかも最高値だ。

とはいえ、乗ってる時はバンバン書きたいだろうから、
タイピングが速いに越したことはない。

で、分速100あたりまでいけば、
もどかしくない打鍵になる、
という仮説を出しておく。



タイパーは勿論実用と関係ない所で生きていて、
競技アスリートであることに異論はない。
それはそれで尊敬に値するし、
タイプウェルでXは本当にすごい。

で、
もし実用にタイピングが効いてくるとしたら、
10分1000字までかな、
ということを僕は言いたいだけのことである。


タイプウェルが全然伸びない、負け惜しみかも。笑
(いや今ミスしない打鍵をやっていてですね…以下略)

薙刀式で1000は余裕。
qwertyローマ字では560が限界だった。
彼我の差は、配列とキーボードであると、
僕は考えている。



タイピングで生産性爆上げ!とか言ってるブロガーは、怪しい。
彼らは3000字も書かない。
一記事1000字とか1500字だろう。
その範囲ならタイピングは効いてくるが、
10分が5分になる程度にしか効かないじゃんね。
一時間作業が30分になったからって、
仕事で30分はボーナスにならない。



配列変更の大きな目的は、
効率の向上だろう。

10分1000字に速度がなり、それを毎日続けられる(腱鞘炎にならない)
が目標値として的確かな。

そこに達することができれば、
親指シフトだろうがqwertyローマ字だろうがその他名配列だろうが、
関係ないとは思う。

その中でも、習得難易度と速習性においては、
親指シフト、薙刀式、月配列、行段系ローマ字が優っていて、
習得難易度が高いが最速候補としては、
新下駄、飛鳥、漢直があるように思う。

(トロン、新JIS、蜂蜜小梅も優秀だと思うのだが、
きちんと理解していないのでここではコメントするにとどめておく。
また漢直の流派については詳しくないので漢直とひとまとめにしてすいません)


薙刀式の現在の課題、
腱鞘炎にならずに続けられること(一日一万字)は、
セッティングや打鍵法で到達できそうです。
中期的に検証しないとわからないので、
v9の配列調整は終わってるけど発表しない感じになっております。



配列には色々なメイン使用イメージがあってもいいと思う。
蜂蜜小梅は普段使いの街乗り車のイメージらしい。
薙刀式はなんだろう。長距離トラック?
まだツーリングレベルか、ボロボロになって日本一周レベルかな。

時速3000字で1万字は、三時間ちょいかかる。
実際にはその倍はかかるかも。
文章を書くという行為は、実はまだ科学のメスが入っていない分野だねえ。
posted by おおおかとしひこ at 11:33| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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