しばらくゲーム業界から遠ざかっているうちに、バーチャロンの新作が出ただと?
禁書コラボってのはなんとなく聞いてたけど、ゲームとして出していたとは。
ということで、元OMGチャロナーとして語ります。
ネット黎明期、伝説の「近接戦闘マニュアル」の著者は僕だとカミングアウトしときますか。
(昔から研究するのとか解説するのが好きだったのだなあ…)
僕の愛機はアファームドだ。
格闘ゲームからの流入者だし、格闘技自体も好きだったので、
近接特化機体を選んだ。
関西は一発逆転のいけいけどんどんが大好きなので、
前に出まくるアファームドがアホほど多かった記憶がある。
ライデンも人気で、
アファームドvsライデンは全試合の7割ぐらいあったんじゃないか。
名勝負製造機だった。
主人公のテムジンは全然いなかったね。
スト2だってリュウよりケンの土地柄だ。
僕はそのとき京都にいたので、
京都のゲーセンでやっていた。
GOLDという小さなゲーセン。
盛り上がってくると店長が喫茶店のジュースをくれる、粋なゲーセンだった。
バーチャロンが入る前はスパ2やってたゲーセンで、
普通に灰皿ソニックが飛んでくる場末も場末。
そこに通っていたのが、
木屋町ライデンとボンバーマンアファームド。
もともと彼らは木屋町通りのセガから流れてきた。
セガは100円だけどGOLDは50円だから、
自然とそこに集まるようになる。
はじめて、ゲーム仲間というのをつくったゲーム。
当時はネットはまだ大学同士を結んでいる通信もでしかなくて、
2ちゃんもなかったんじゃないかなあ。95年とか96年だからね。
ボンバーマンは遠距離戦型のアファームドでボムメイン、
僕は近接戦や影楼使いだった。
得意技は回りこみ裏拳。オリジナル技は稲妻。どっちもすごい技じゃあない。
アファームドとしてはボンバーマンのほうが強かった。
森野ライデンと一番やったかなあ。
僕が京都を出る最後の日、
みんな集まってくれて、
閉店までめしも食わずにバーチャロンを50戦くらいした。
僕は100人組手のつもりで5000円もってたんだけど、
勝った試合もあるから、50クレジットくらいしか使わなかった。
ゲーセンに通う人たちはリア充なんかじゃないから、
口下手で、
今みたいにネットもケータイもないから、
この別れは永遠の別れくらいにみんな思っていて、
でも言葉なんかかわせなくて、
ずっと画面の中で対戦していた。
たくさんの爆炎やレーザーやしゃがみソードやしゃがみマインが、
僕にありがとうさようならって言ったのを、僕は忘れていない。
僕にはゲームも大事だったけど、
それよりも叶えたい夢があって、
映画監督になるために上京するって恥ずかしい夢をもってた。
はずかしいから言わなかったと思う。
しばらくは助監督ぐらしだから、
もうゲーセンには通えない。
引退試合のような一日で、めしも食わずに僕らは無言で対戦しつづけた。
バーチャロンは不思議なゲームで、
後出しが有利なくせに、
いかに先手をとっているふりをして後出しをさせて、
その後出しを取る、という将棋のようなゲームだ。
ゲージを使っているふりをしながら別ゲージをためといて、
ゲージのやりくりをうまくするゲームでもあった。
1フレショットや八つ橋も使いこなして、
GA乱舞や影楼も使いこなして、
どんどん隠れ技が発見されるのに、
絶妙なバランスで8キャラの強弱が決まらない、
すごいゲームだった。
大阪AVION勢との交流戦とかも面白かったなあ。
最強はバルバスバウの逃げ戦略だったかもしれないけど、
逃げなければ一生遊べるくらい拮抗したバランスのゲームだった。
あの最後の一日は、まだ僕は覚えている。
いつかこの日を映画にしたいと思っていたから。
いつか、バーチャロンを題材に映画をつくりたいと思っている。
プロットはできている。タイトルは「サイドワインダー」だ。
当時のチャロナーなら、いかに渋いタイトルか分かるだろう。
あの頃の友達はもう二度と会えないかもしれないけど、
もう一回会えれば会いたいな。
でも、また無言で対戦するしかできないけど。
しゃべるより対戦する方がおもしろいゲーム。
それが電脳戦機バーチャロンだ。
(初代の作戦名「オペレーションムーンゲート」の名をとって、
OMGと省略されることが多い)
続編のオラトリアルタングラム(オラタン)は、
やりこめなかった。
アファームドBTが追いかけ能力がなかったのもある。
グリスボックやエンジェランに逃げまくられてねえ。
4もやったけど、やりこむには至ってない。やっぱりアファJは弱かった。
いまでもときどき、バーチャロンの対戦動画を見ることがある。
僕の青春がまだ動いているようで、
木屋町GOLDにいたときのことを思い出す。
いつか、バーチャロンを題材に映画を撮りたいんだ。
とりあえず小説にでも書こうかと、ひそかにたくらんでいる。
回りこみトンファーの格好良さを描きたい。
(回りこみがシステム的になくなったので、OTや4は僕好みじゃなかったのです。
QSなんて回りこみじゃねえし!)
新作おめでとうございます。
タニタがステイック出すってどういうことよ。
へんてこな時代になったもんだねえ。
2018年08月31日
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