2018年08月31日

【日記】バーチャロンと私

しばらくゲーム業界から遠ざかっているうちに、バーチャロンの新作が出ただと?
禁書コラボってのはなんとなく聞いてたけど、ゲームとして出していたとは。

ということで、元OMGチャロナーとして語ります。
ネット黎明期、伝説の「近接戦闘マニュアル」の著者は僕だとカミングアウトしときますか。
(昔から研究するのとか解説するのが好きだったのだなあ…)



僕の愛機はアファームドだ。
格闘ゲームからの流入者だし、格闘技自体も好きだったので、
近接特化機体を選んだ。

関西は一発逆転のいけいけどんどんが大好きなので、
前に出まくるアファームドがアホほど多かった記憶がある。
ライデンも人気で、
アファームドvsライデンは全試合の7割ぐらいあったんじゃないか。
名勝負製造機だった。

主人公のテムジンは全然いなかったね。
スト2だってリュウよりケンの土地柄だ。


僕はそのとき京都にいたので、
京都のゲーセンでやっていた。
GOLDという小さなゲーセン。
盛り上がってくると店長が喫茶店のジュースをくれる、粋なゲーセンだった。

バーチャロンが入る前はスパ2やってたゲーセンで、
普通に灰皿ソニックが飛んでくる場末も場末。

そこに通っていたのが、
木屋町ライデンとボンバーマンアファームド。
もともと彼らは木屋町通りのセガから流れてきた。
セガは100円だけどGOLDは50円だから、
自然とそこに集まるようになる。

はじめて、ゲーム仲間というのをつくったゲーム。
当時はネットはまだ大学同士を結んでいる通信もでしかなくて、
2ちゃんもなかったんじゃないかなあ。95年とか96年だからね。


ボンバーマンは遠距離戦型のアファームドでボムメイン、
僕は近接戦や影楼使いだった。
得意技は回りこみ裏拳。オリジナル技は稲妻。どっちもすごい技じゃあない。

アファームドとしてはボンバーマンのほうが強かった。
森野ライデンと一番やったかなあ。


僕が京都を出る最後の日、
みんな集まってくれて、
閉店までめしも食わずにバーチャロンを50戦くらいした。
僕は100人組手のつもりで5000円もってたんだけど、
勝った試合もあるから、50クレジットくらいしか使わなかった。

ゲーセンに通う人たちはリア充なんかじゃないから、
口下手で、
今みたいにネットもケータイもないから、
この別れは永遠の別れくらいにみんな思っていて、
でも言葉なんかかわせなくて、
ずっと画面の中で対戦していた。

たくさんの爆炎やレーザーやしゃがみソードやしゃがみマインが、
僕にありがとうさようならって言ったのを、僕は忘れていない。


僕にはゲームも大事だったけど、
それよりも叶えたい夢があって、
映画監督になるために上京するって恥ずかしい夢をもってた。
はずかしいから言わなかったと思う。

しばらくは助監督ぐらしだから、
もうゲーセンには通えない。
引退試合のような一日で、めしも食わずに僕らは無言で対戦しつづけた。


バーチャロンは不思議なゲームで、
後出しが有利なくせに、
いかに先手をとっているふりをして後出しをさせて、
その後出しを取る、という将棋のようなゲームだ。

ゲージを使っているふりをしながら別ゲージをためといて、
ゲージのやりくりをうまくするゲームでもあった。

1フレショットや八つ橋も使いこなして、
GA乱舞や影楼も使いこなして、
どんどん隠れ技が発見されるのに、
絶妙なバランスで8キャラの強弱が決まらない、
すごいゲームだった。

大阪AVION勢との交流戦とかも面白かったなあ。

最強はバルバスバウの逃げ戦略だったかもしれないけど、
逃げなければ一生遊べるくらい拮抗したバランスのゲームだった。



あの最後の一日は、まだ僕は覚えている。
いつかこの日を映画にしたいと思っていたから。


いつか、バーチャロンを題材に映画をつくりたいと思っている。

プロットはできている。タイトルは「サイドワインダー」だ。
当時のチャロナーなら、いかに渋いタイトルか分かるだろう。



あの頃の友達はもう二度と会えないかもしれないけど、
もう一回会えれば会いたいな。
でも、また無言で対戦するしかできないけど。

しゃべるより対戦する方がおもしろいゲーム。
それが電脳戦機バーチャロンだ。
(初代の作戦名「オペレーションムーンゲート」の名をとって、
OMGと省略されることが多い)


続編のオラトリアルタングラム(オラタン)は、
やりこめなかった。
アファームドBTが追いかけ能力がなかったのもある。
グリスボックやエンジェランに逃げまくられてねえ。
4もやったけど、やりこむには至ってない。やっぱりアファJは弱かった。

いまでもときどき、バーチャロンの対戦動画を見ることがある。
僕の青春がまだ動いているようで、
木屋町GOLDにいたときのことを思い出す。



いつか、バーチャロンを題材に映画を撮りたいんだ。

とりあえず小説にでも書こうかと、ひそかにたくらんでいる。


回りこみトンファーの格好良さを描きたい。
(回りこみがシステム的になくなったので、OTや4は僕好みじゃなかったのです。
QSなんて回りこみじゃねえし!)





新作おめでとうございます。

タニタがステイック出すってどういうことよ。
へんてこな時代になったもんだねえ。
posted by おおおかとしひこ at 21:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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