キャラは、どうやって立てるといいんだろう。
いつも考えるよね。
とくに集団が出てくるときにそれぞれのキャラが立っていないと、
なかなか区別がつかなくなってくる。
僕は、「軸」ということを中心に考えるといいのでは、と考えている。
たとえば、
「世の中は、火と水と風と地の、よっつの軸にわけられる」
というのは四元素説といって、
中世の科学以前の錬金術の考え方だ。
これは星占いでも同じだ。
つまり、世界はよっつの軸で動いていると考える。
魔法の体系、たとえばドラクエとかでもこの四系統になっていたりするよね。
星占いでは、性格をこの四系統に分類したりする。
火は、攻撃的で自分勝手な人。
水は、相手に合わせるタイプの人。
風は、勝手気ままに色々なところへ行く人。
地は、ひとつところにとどまる、地味だけど確実にこなす人。
こういう風に、性格の軸を考える。
これは四つあると考えるわけだ。
こうして性格わけをしておけば、
よっつの軸でキャラの性格を描くことが出来るわけだ。
その代表的な四人をつくればいいからだ。
ついでにそれを代表する魔法をそれぞれ使えるように描くと、
もう大体キャラが立ってくるだろうね。
攻撃的ですぐカッとなるやつは、
炎系の魔法とか、技とかをつかえばいい、
というのはよくある描き方だよね。
もちろん、性格じゃなくてもいい。
バンドものとかを描くときには、
担当楽器でなんとなく性格分けを描いたりする。
ボーカル、ギター、ドラム、ベースで、
だいたいよっつの軸になるわけだ。
これにキーボードを入れたり、
バンド素人だけど、ダンサーを入れてビジュアル上面白くしたり、
バンド素人だけど、鈴を鳴らす人を入れてみたりすると、
また色をつけることが出来るだろう。
このように、どういう軸で、これらの集団を描くかを考えると、
自然に色分けが出来て、
キャラクターを立てていくことが出来ると思う。
また、各キャラクターを考えるときに、
「自己紹介」を考えるのは、
よくある手である。
仮に主人公がその集団に紹介される場面をつくり、
全員がどういうネタで自己紹介するかを考えるのは、
その人のキャラを立てていくのに役に立つ。
持ちネタを短く紹介することになって、
キャラが立って行くかもしれない。
(その場面は、主人公に対する自己紹介ではなく、
他の場面でつかえるかも知れない)
たとえば今日書いた原稿では、
デブで食いしん坊のキャラクターがいたので、
「おなかすいた」を口癖にしようと思った。
でもそれだけではたいしてキャラが立っていないので、
「おなかすいたー。あ、こんなところに豚足が。
あ、俺の手だったわ」
という自己紹介をつくってみた。
つまりその人なりの自己紹介で、
無意識で行っているわけではない、
持ちネタのようなものとして、
つくってみた。
こういうことをとっさに出来るかどうかは、
普段色んな人と関わっていて、どういう面白い人が世の中にいるか、
という観察や経験がいると思う。
ちなみにこの豚足ネタは、
デブの先輩がたまに使うネタで、
「ときどき自分の手が豚足に見えるときがある」
というつぶやきを、
ネタレベルに昇華したものだ。
デブキャラはたいていどの作品にもいるから、
キャラが立てやすいものではあるが、
その独自の何かを、
こうやって実在のなにかから持ってくると、
リアリティとか、そこにいる感じが出ると思う。
じゃあ、デブの軸に対して、
痩せている軸とか、拒食症とかの軸もいるかもなあ、
とか思って、連想で増やしていくこともある。
でも食べるだけじゃつまらないなあと考えて、
アル中方向に考えて、
心を病んでいるアル中のキャラとかを作って行ったりする。
こうやって軸を増やしていくことで、
集団のキャラを立てていくことになる。
キャラクターを立てることは難しい。
しかし、被らないこと、
軸をいろいろつくっていくこと、の二点を守れば、
わりと発展していける。
僕のように持ちネタを考えて、
初登場時にうまく使うと、
キャラを立てる時間も少なくてすむかもしれない。
もちろん、出オチになってはいけないが。
(出オチになるのを避けるには、
持ちネタを使って終了するのではなく、
それに類することで活躍する場面を作ることだ。
出オチとは、出ただけで何もしないことだから、
そのネタと関係する活躍をすれば、
その初登場は、出オチでなかったことになる)
あと、キャラは、一発でつくるものではない。
もちろん最初に強烈なネタをかますことは必要だけど、
それぞれの場面で少しずつキャラが立って行くものだ。
その場面を用意することも、
脚本家の考えるべきことである。
2018年09月02日
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