2018年09月02日

キャラクターの立て方

キャラは、どうやって立てるといいんだろう。
いつも考えるよね。

とくに集団が出てくるときにそれぞれのキャラが立っていないと、
なかなか区別がつかなくなってくる。
僕は、「軸」ということを中心に考えるといいのでは、と考えている。


たとえば、
「世の中は、火と水と風と地の、よっつの軸にわけられる」
というのは四元素説といって、
中世の科学以前の錬金術の考え方だ。

これは星占いでも同じだ。
つまり、世界はよっつの軸で動いていると考える。

魔法の体系、たとえばドラクエとかでもこの四系統になっていたりするよね。
星占いでは、性格をこの四系統に分類したりする。

火は、攻撃的で自分勝手な人。
水は、相手に合わせるタイプの人。
風は、勝手気ままに色々なところへ行く人。
地は、ひとつところにとどまる、地味だけど確実にこなす人。

こういう風に、性格の軸を考える。
これは四つあると考えるわけだ。
こうして性格わけをしておけば、
よっつの軸でキャラの性格を描くことが出来るわけだ。
その代表的な四人をつくればいいからだ。
ついでにそれを代表する魔法をそれぞれ使えるように描くと、
もう大体キャラが立ってくるだろうね。

攻撃的ですぐカッとなるやつは、
炎系の魔法とか、技とかをつかえばいい、
というのはよくある描き方だよね。

もちろん、性格じゃなくてもいい。
バンドものとかを描くときには、
担当楽器でなんとなく性格分けを描いたりする。
ボーカル、ギター、ドラム、ベースで、
だいたいよっつの軸になるわけだ。

これにキーボードを入れたり、
バンド素人だけど、ダンサーを入れてビジュアル上面白くしたり、
バンド素人だけど、鈴を鳴らす人を入れてみたりすると、
また色をつけることが出来るだろう。

このように、どういう軸で、これらの集団を描くかを考えると、
自然に色分けが出来て、
キャラクターを立てていくことが出来ると思う。


また、各キャラクターを考えるときに、
「自己紹介」を考えるのは、
よくある手である。

仮に主人公がその集団に紹介される場面をつくり、
全員がどういうネタで自己紹介するかを考えるのは、
その人のキャラを立てていくのに役に立つ。

持ちネタを短く紹介することになって、
キャラが立って行くかもしれない。
(その場面は、主人公に対する自己紹介ではなく、
他の場面でつかえるかも知れない)

たとえば今日書いた原稿では、
デブで食いしん坊のキャラクターがいたので、
「おなかすいた」を口癖にしようと思った。
でもそれだけではたいしてキャラが立っていないので、
「おなかすいたー。あ、こんなところに豚足が。
あ、俺の手だったわ」
という自己紹介をつくってみた。

つまりその人なりの自己紹介で、
無意識で行っているわけではない、
持ちネタのようなものとして、
つくってみた。

こういうことをとっさに出来るかどうかは、
普段色んな人と関わっていて、どういう面白い人が世の中にいるか、
という観察や経験がいると思う。

ちなみにこの豚足ネタは、
デブの先輩がたまに使うネタで、
「ときどき自分の手が豚足に見えるときがある」
というつぶやきを、
ネタレベルに昇華したものだ。

デブキャラはたいていどの作品にもいるから、
キャラが立てやすいものではあるが、
その独自の何かを、
こうやって実在のなにかから持ってくると、
リアリティとか、そこにいる感じが出ると思う。

じゃあ、デブの軸に対して、
痩せている軸とか、拒食症とかの軸もいるかもなあ、
とか思って、連想で増やしていくこともある。

でも食べるだけじゃつまらないなあと考えて、
アル中方向に考えて、
心を病んでいるアル中のキャラとかを作って行ったりする。
こうやって軸を増やしていくことで、
集団のキャラを立てていくことになる。


キャラクターを立てることは難しい。
しかし、被らないこと、
軸をいろいろつくっていくこと、の二点を守れば、
わりと発展していける。

僕のように持ちネタを考えて、
初登場時にうまく使うと、
キャラを立てる時間も少なくてすむかもしれない。
もちろん、出オチになってはいけないが。

(出オチになるのを避けるには、
持ちネタを使って終了するのではなく、
それに類することで活躍する場面を作ることだ。
出オチとは、出ただけで何もしないことだから、
そのネタと関係する活躍をすれば、
その初登場は、出オチでなかったことになる)


あと、キャラは、一発でつくるものではない。
もちろん最初に強烈なネタをかますことは必要だけど、
それぞれの場面で少しずつキャラが立って行くものだ。
その場面を用意することも、
脚本家の考えるべきことである。
posted by おおおかとしひこ at 21:41| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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