前記事の続き。
ほとんどの人がストーリーを何か捉えどころのない複雑なものだと考えていて、
設定ならば手が届く範囲であるから、
面白げな設定を「面白い」と言っていて、
ストーリーが面白くて設定が普通のものも
「面白かったが、うまく説明できない」と言っていて、
面白い設定だがストーリーがつまらないものは、
「面白いけど微妙だった」
と言っている可能性がある。
つまり、面白さ=設定の面白さしか、言語化できていないかもしれない。
精々、ストーリーの面白さで言語化できるものは、
「どんでん返し」と「見事な伏線」
くらいではなかろうか。
第一ターニングポイントが良かった、
とかは聞いたことないもんね。
だから、
言語化されることだけに応えようとすると、
ストーリーのことはどうでも良くなって、
面白い設定だけを供給すればOKみたいになってしまう。
それはただの設定屋だ。
ストーリーテリングではない。
本当は、その設定から始まった、
ストーリー本体が重要なのだがね。
ストーリー本体を捉えるのは、
ストーリーのプロにしか出来ないのかも知れない。
捉えても捉えてもうなぎのようにぬるぬる逃げるのが厄介なんだけどね。
プロットがすでに面白いとか、
陥ったシチュエーションがいいとか、
セリフがリアルとか、
設定以外のストーリーに関わるパーツを褒める人は、
設定とストーリーを分離できている可能性はある。
でもそういう人に「ストーリーとはどんなものか?」
を問うても、やっぱりストーリーは逃げていく。
だから素人は、
設定だけを欲しがっている。
ように見える。
それは錯覚であることを肝に銘じるべきだ。
面白い設定を活かしまくった、
すげえ面白いストーリーが、
本当に欲しいものなのだよ。
面白い設定は、生かされなければただの出落ちである。
エルガイムのファティマの設定の死にっぷりで、
僕は最初にそれを学んだかもしれない。
設定だけあってアップの時に影だけ見えるって、
それって家の壁のシミが人型に見えるレベルの描写でしかないよなあ。
(その後のFSSで、活かしまくっているかどうかは微妙だ。
マスターと自動人形の恋なんてモチーフは最高なのになあ)
モチーフも設定も、時間軸がないことに再三注意されたい。
時間がどう進むか、時間をどう自分の意思で進めるのかが、
ストーリーであることに注意せよ。
2018年09月17日
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