2018年09月28日

主人公がこの戦いの意味をどう考えているか

ストーリーというのは、
何かしら闘いをすることである。
誰か敵を倒すことかも知れないし、
弱い自分に勝つ事かも知れないが、
とにかく闘わずして勝利することはない。

で、その主人公は、自分が戦う意味について、
どう考えている?


危険があるはずだ。
闘いなんだから危険が伴う。
にもかかわらず主人公が戦うからには、
それをどう考えているか、考えていない筈がない。


追い詰められたからこれしかない、と切羽詰まっているのか、
出来れば逃げたいが、仕方なくやっているのか、
誰にもバレたくないからやっているのか、
正義の為、誰かの為になるからやっているのか、
色々と、
自分をどう納得させているかがある筈だ。

ただなんとなく危険に挑んでいるはずはない。
人間、やらない理由を探して、
出来るだけ危険は避けたいからである。

にもかかわらずその戦いに参加するのは、
よほどの理由があり、
しかも、「そういう自分を自分でどう思うか」
があるはずだ。

恥ずかしいことだから、なるべく知られたくない、とか、
どや顔でみんなに言いたいからリスクを冒す、とか、
隠蔽しないと死ぬとか、
いやいやながらこれしかない、とか、
仕事だから仕方ない、とか、
名誉あることだから喜んでやっている、とか、
自己実現に関係している、とか、
誰かがやらなきゃいけないから、とか、
色々な場合があるだろう。

ふと分らなくなったら、
主人公に訊くといい。
「闘いに赴く自分を、どう思っている?」とね。
何も考えていないのはマズイ。
それは惰性であり、ストーリーが求心力を失いつつある警告だ。

こう思っていて、こうしていくのだ、
という意志がないと、行動なんて大それたことはできない。
つまり「そういう自分をどう思っているか」は、
意志や覚悟と関係している。


もちろん、主人公以外の全ての行動する人にも、
それがあるはずだ。
それがコンフリクトというものだ。

それがリアルで、かつ強いとき、
ストーリーは面白くなると思う。
posted by おおおかとしひこ at 11:49| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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