2018年10月02日

「それ」はどうなるのか2

話が上手い人というのは、
面白そうな「それ」(一体どうなるんだろう?)を出せる人で、
うまく「それ」を転がせる人で(どう落ちがつくんだ?)、
「それ」をうまく落ちに結び付けられる(なるほど!)人だ。


逆にいうと、
つまらない話とは以下のようなものだと言える。

「それ」が発生していない。
話題を見つけられなくて黙っている感じ。
「それ」が興味を引くほどではない。
「それ」は注意を引くがそれだけに過ぎず、
その先を見たいというほどでもない。
「それ」はあるが、その先がない。(出落ち)

「それ」がうまく転がらない。
ぶちぶち切れたり、消失したり、
同じものが続いて飽きたり、
目先が変わり過ぎて集中できなくなったり、
何が大事なことなのかよくわからくなったり、
いま何が「それ」なのか分からない。
「それ」が次の「それ」になっても、なんか興味が持てない。
その「それ」に、緊張感が持てない。だからダラダラに見える。

前の「それ」がどうなったのか言及されないままで、
イライラする。(引っ張ることとの綱引きではある)
前の「それ」が忘れられている、または放置されたまま。
(投げっぱなしジャーマン)

「それ」が落ちていない。
「それ」は終わったけど、完全に終わった気がしない。
今まで追いかけてきた「それ」の落ち着く先が、なんか落ち着かない。
「それ」の旅路全体の総括がとくになく、
今までのことがなんだったのか、しっくりこない。
(結論が投げっぱなし)
強引な落とし方過ぎて納得いかない。
切れの悪い落ちになっている。


どうしたら良くなるのか?を考えるにあたって、
今どこが欠点なのかをあぶり出すべきだ。

診断が正しくなくて、
所見が正しくもないのに、
治療が出来るわけがない。

「それ」はちゃんと常に観客を引きつけ続けているか?
緊張感が途切れないなら、それはいい「それ」の転がしだ。
どこかで心が遊離するなら、
そこが「それ」の欠陥部である。
posted by おおおかとしひこ at 09:06| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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