好きな、そそるシチュエーションというものがある。
そればかり書いていると満足する、
ということはある。
人外と少女の組合せとか、
反目し合う二人の呉越同舟とか、
空手対合気道のような剛対柔の対決とか、
ヒーロー誕生の瞬間とか、
大切な人が死ぬ瞬間とか、
剣と魔法とか、
まあ人によって色々あると思う。
それは性癖レベルのことかもしれない。
つまりそれがあれば満足してしまうから、
それ以上のことに注意がいかないのかもしれない。
逆にそういう奴を封印してみよう。
どうしても書きたいシチュエーションを封印すれば、
物語そのものに向き合わなくてはならなくなる。
ということは、
シチュエーションに頼らない、
はじめてのストーリー構造を考えなくてはならない羽目になるわけだ。
もちろん、最初のころはそういう好きなシチュエーションを書いているだけで楽しい。
しかしそれは中級者になれば封印してしかるべきである。
あなたはシチュエーションの力を借りているだけで、
実力があるわけではないのだ。
だから中級者になるときとは、
自分の好きなシチュエーションを封印するときかもしれない。
そのときに、
はじめて自分の実力が全然ないことに気づいて茫然とするだろう。
そこからが勉強のスタートといえそうだ。
上級者になれば、
その封印は解いてもいいだろう。
自在に得意を使えばいい。
どんなものでも書けるようになっているから、
その性癖は、シーンのひとつでしかなくなっている。
あるシチュエーションが好きなら、飽きるまで書くことだ。
パターンを尽くしたときが、
ようやくスタートライン。
(逆にいうと、
好きなものをいくつか書いたら満足してしまって、
作家生命が終わってしまう人もいるよね。
書くものとは別に技術を磨く場が必要ということだ)
2018年10月14日
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