2018年10月14日

そのシチュエーションが好きなのか、それとも

好きな、そそるシチュエーションというものがある。
そればかり書いていると満足する、
ということはある。


人外と少女の組合せとか、
反目し合う二人の呉越同舟とか、
空手対合気道のような剛対柔の対決とか、
ヒーロー誕生の瞬間とか、
大切な人が死ぬ瞬間とか、
剣と魔法とか、
まあ人によって色々あると思う。

それは性癖レベルのことかもしれない。
つまりそれがあれば満足してしまうから、
それ以上のことに注意がいかないのかもしれない。

逆にそういう奴を封印してみよう。
どうしても書きたいシチュエーションを封印すれば、
物語そのものに向き合わなくてはならなくなる。

ということは、
シチュエーションに頼らない、
はじめてのストーリー構造を考えなくてはならない羽目になるわけだ。


もちろん、最初のころはそういう好きなシチュエーションを書いているだけで楽しい。
しかしそれは中級者になれば封印してしかるべきである。
あなたはシチュエーションの力を借りているだけで、
実力があるわけではないのだ。

だから中級者になるときとは、
自分の好きなシチュエーションを封印するときかもしれない。
そのときに、
はじめて自分の実力が全然ないことに気づいて茫然とするだろう。
そこからが勉強のスタートといえそうだ。

上級者になれば、
その封印は解いてもいいだろう。
自在に得意を使えばいい。
どんなものでも書けるようになっているから、
その性癖は、シーンのひとつでしかなくなっている。


あるシチュエーションが好きなら、飽きるまで書くことだ。
パターンを尽くしたときが、
ようやくスタートライン。

(逆にいうと、
好きなものをいくつか書いたら満足してしまって、
作家生命が終わってしまう人もいるよね。
書くものとは別に技術を磨く場が必要ということだ)
posted by おおおかとしひこ at 12:37| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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