打ち手の成長によって、いいと思う運指が変わる時期があると思う。
(基本的には打ち手の指の速度は漸増していくはずだ)
たとえば初心者の頃は、
同鍵連打が速いと思っていた時期があると思うが、
異鍵の二打の方が速いと気づくのは、
初心者脱出の頃かも知れない。
(qwertyローマ字の同鍵連打促音くそおせえ、と僕は思い、
カタナ式では隣の子音とその音、
アルペジオ子音で促音を打てるようにした)
中級者?の頃に、
「これは打ちやすくて速い」と考える打鍵に、
縦連がある。
qwertyローマ字のdeを思い出せば決して速いわけないんだけど、
配列を設計し始めた頃、
あまり指と音の関係を深く知らないときは、
「この二音が縦に並んでいるから打ちやすい」
なんて思ってしまう節がある気がする。
薙刀式でも昔そういうところがあったと思う。
昔のバージョンなのでもう忘れたけど。
でもそれはある意味「直感に近い」ことだと思う。
「関連のある流れは近接した方が打ちやすい」
と考えるのは自然だろう。
しかしながら「縦連よりは左右交互の方が速い」
ということに気づき、
密着してわかりやすかった二音は、
左右に離れ離れになり、
いずれ密接な関係があったことを忘れられてしまう。
飛鳥21c-290を触っていると、
時々そんな、離れ離れになる以前のものに出会う。
こつ その るが つも れな だぜ なじ
とかかな。
打鍵速度が上がるにつれて、
この直感を覆してでも縦連を解消したほうがいい、
と気付いて、この版は改良されていったのだと思う。
僕が最初に触った飛鳥は最終版だけど、
21c-290版のほうが素直で直感的な配置だと思ったんだよね。
その直感の根拠に、
この「よく使う二連が同じ指を縦に動かす密接位置にある」
ことがあると思った。
なるほど、飛鳥が繋がるという印象の裏にはこういうことがあって、
でも習熟すれば速度の足枷になるから、
最終版に行くにつれて、
このような縦連は減らされていったのだろう。
で、どっちがいいか、ということなんだよな。
僕は速度を犠牲にしてでも、
分かりやすさを重視したほうがいいんじゃないか、
と最近は考えている。
指を壊すような無茶な密接は避けるべきだけど、
縦連は分かりやすくて覚えやすいから、
使っていってもいいのかも、
なんて考えている。
(薙刀式でいうと、弱い左薬指はそれを意識している。
「微妙」に使われるびみ、「げき」に使われるけき、など)
タイパー的には悪かもしれないけれど、
たとえば分速300字で書くことなんて、
一日に何回あるんだよって話だ。
平均して10分で1200字
(変換後なので分速120カナよりは多いが、200は行ってないだろう)
も書ければ相当速いだろう。
そういう速度領域では、
縦連の方が使いやすい時もあるんじゃないかって、
飛鳥の21c-290版を触りながら思っている。
僕がタイプウェル至上主義でないのは、
あんな滅茶苦茶速い打鍵を何時間も出来るわけがない、
と考えているからだ。
講演会並みに淀まず一時間喋るのだって、
相当準備しないとできないからね。
(ところで講演会する人って、ずっと同じ話をし続けるんだろうか。
だとすると一回流れをつくっちゃえば楽だな)
ふつうに考えを汲み上げて書いていく行為では、
タイプウェルSS(60秒切り、分速300字)はいらないんじゃないかと考えている。
負け惜しみだと捉えられるのは嫌だから、
トライは続けているけれど。(現在65秒。成長が止まっている…)
薙刀式の最速の考え方は、
創作長文での最速であり、
考えをスムーズに引き出し、それが次の考えを連れてくるような打鍵だ。
そういうときには、
近い概念は近くにあった方が、より書きやすいんじゃないかと、
飛鳥を見ながら反省し始めている。
創作文における最速は、
ランダムワードのコピー打鍵最速とは違う。
どう違うかが当時もっと議論されていれば、
飛鳥は実は21c-290で完成だったかも知れないね。
もっとも、数多い飛鳥のその後の版を全部研究したわけではないので、
僕の感想は的外れかも知れない。
飛鳥に詳しい人の意見があるといいなあと思う。
飛鳥はどう変遷したのかを纏めていた人が、
飛鳥スレの最後の方にいたけど、
コア部分とその他の分離は出来ていても、
ざっくりどういう方針で改定して行ったのか、
その意図に関して説明できた人はいなかったので、
そこのところをもう少し知りたいと思った。
薙刀式は左薬指保護の方針で、
腱鞘炎予防に力を入れてきたので、
運指自体の洗練をしたわけではない。
それもそろそろ完成形かなあと思えるv10が出来たかもだ。
(いうても、むねを入れ替えただけ。先に使いたい人は改造してどうぞ)
編集モードの洗練の方を最近やっていて、
それをうまくやれた方がトータルの速度が速くなるだろうな、
なんて考えている。
(今自分的にホットなのはDelの位置)
2018年10月21日
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