2018年10月21日

キャラクターを彫り込む

主人公以外にもキャラクターを深く彫り込むべきだ。
脇役のほんとちょっとした人にもだ。
神はディテールに宿るのは、
そのディテールを使って人は想像をするからである。
(二次創作なんか、ほんとちょっとの燃料から木を生やすものだ)

で、複数のキャラクターを彫り込むときに気をつけるのは、
被りをどうやって避けるかだ。



外見の被りはすぐわかる。
体型とか服とか髪型を変えればいい。

しかし内面の被りを考えることは意外と難しい。
よく考えたら、
BもCもトラウマがあってそれを越えることが動機だったな、
なんてことをあとで気づくことになったりする。

性格は多少被っても、
微妙にここは違うんだ、
とかき分けたり出来るけれど、
動機の被りはなかなか微差を描くことは難しいので、
だとすると全然変えてしまった方が、
キャラが立つというものだ。

なので、
キャラを描いて行く上で、
プロットを立てながら、
キャラを立てながら、
を繰り返しして行くことになると思う。

主人公とどう絡むのか、
主人公がいないところでどう絡むのかは、
やってみないとわからない部分でもあるが、
ストーリー上の進行と、
キャラクターを描くことを、
同時にするべきで、
それにはキャラが立ってないとできない、
というループにはなっている。


ということで、
結局は初期設定だけでは足りなくなって、
現場である程度足して行って、
あとあとまた整理し直して、
一から書き直す、
なんてことをせざるを得ない場面が、
とくに沢山の個性的なキャラクターが沢山出るときは、
あるものだ。

(しかも一々活躍場面を用意してやりたくなるしね)

彼らの目的は、同じようでいて全然違うし、
そもそもの動機も全然違うはず。
それがある場面で出会うことで、
コンフリクトの火花に化けて行く。

その為にはなるべく異なることが重要で、
しかも「なんとなくしたい」から、
「どうしてもしたい」になればなるほど、
話は面白くなるのだ。


キャラクターを彫り込むのは、
そのキャラクターだけを見ていてはだめで、
全体として見たときにこのキャラはこっち方面、
ということを見ながら、設定して、
描いて、さらに深くして行くといい。

ストーリーは一人だけ出演するのではない。
複数の人間に彩られた何かだ。
それらが強烈に立つように、
被りを避けながら深く彫っていくのだ。
posted by おおおかとしひこ at 16:06| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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