2018年10月25日

寸止め

盛り上がって参りました、
しかし一気にいかず寸止めをして次に渡す。

こうすると物語の内圧があがる。


大体の生理は射精と同じだ。
行きそうになったら我慢してどうするか?
「別のところに集中して、今の集中から強制的に焦点を外す」
ことである。
寸止めは大体そうやるといい。

物語の生理は、基本的にはセックスの生理と同じだと僕は思う。
最高のクライマックスにいくために、
寸止めは大切な「中盤を豊かにすること」だ。


別のところへ集中させる最も簡単なテクニックは、
「場所を変える」ことだ。

飲み歩きでも、河岸を変えると酔いは収まったりする。

どうにかして、
それを中断せざるを得ない状況を作り、
場所を変えざるを得ない緊急事態を作ることだ。

最初は下手でもなんでもいい。
場数を踏めば、上手になって行く。

「お腹が痛い、トイレ行ってくる!」でもいいし、
「電話がかかってきた」でもいいし、
「決勝戦の会場が鉄砲水に流された」(風魔7話)でもいい。

色々な「強引な場所替え」はテクニックとして、
知っておくといいだろう。


これの利点は、中盤を豊かに出来ることである。
下手にやると単なる引き伸ばしだが、
印象的にできれば出来るほど、
「じらし」として上手く見えるようになるだろう。


たいていの初心者は、
冒頭や第一幕はかけるが、
二幕の冒険部分を描くことが下手だ。

ましてや、話が盛り上がってきたところに、
上手に中座するテクニックすら研究していないだろう。
そういうものを持っていないと、
すぐに中盤は終わってしまう。

なにせ、第一幕の倍の量を書かないと終わらないのだから。

(実際のところ、一幕は書きすぎてしまう傾向にある。
二幕をきちんと書いた時、
一幕をその半分くらいに凝縮するリライトが、
本来は望ましい。
しかし二幕が短すぎることもありえる。
どっちが本当の尺か、見極めるのは難しい。
なので、
総合ページ数を先に算出して、
その1/4、1/2が適正ページと見積もるのが現実的だ)


中盤をどうじらす?
場所を変えるために、どう焦点をずらす?
前の焦点をいつ復活させる?
それが上手なテクニシャンになろう。
posted by おおおかとしひこ at 13:06| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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