糞CMでも金をかければ話題になる例だ。
実際のところ、
あの制作費は今の日本のCMではかけられない。
豪華キャスト、豪華衣装、豪華セット、豪華照明。
今僕がやっている大手CMの、
数倍からケタ違いまで予算があると思う。
CMは見る娯楽だ。
目で見て幸せ(つまり画面が豪華)なら、
それだけで幸せだ。
つまりハズキルーペが目立つのは、
「他人が貧乏になったから」に過ぎない。
そういえば、
似たコンセプトにペプシの桃太郎があった。
制作費は数億らしい。内容はハッタリしかないスカスカだった。
ちなみに近々の2本の仕事では、200万、900万だったかな。
これらのものが同列で並ぶのが、
エンターテイメントの世界である。
ハリウッドの何百億と、
邦画の1500万が隣でやるのがプロの世界だ。
「いくらのものを」「どういう内容でやるか」
の天秤が、プロの世界というものだ。
もちろん、
最高のアイデアを最高の予算でやるのが理想だが、
現実はそうはいかない。
ハズキルーペの会長は広告代理店否定派だそうな。
(もっとも、これ自体ブックの可能性はある)
下らないアイデアばかり持ってくるのは、
最高の予算でやってない、
貧乏人ばかりになってしまったからだ。
じゃあ次もやってみな。
ヒット作の次の二作目が、実力というものさ。
「一発屋」という言葉が、観客の世界にはある。
毎回ヒットを出せるのがプロ?
3割バッターが現実的だがね。
ちなみに、
僕は全部プロが仕掛けていると見ている。
「キャッ!」の部分は少なくともプロの演出じゃないと出来ない。
会長がやったことにして、ゴーストがいるだろうね。
広告代理店否定のシナリオとともに、
PR会社の仕業だと僕は思うけど?
バブル時代は、似たような金をどこもかけていた。
テレビ画面はとても豪華だったさ。
1億5億は当たり前だったね。
それから30年、
予算は削りに削られて、
ここまでちびてしまった。
僕が入社した20年前は、1本3000万からだった。
今1本1000万あたりを前後している。
(ちなみに代理店は制作費から30%もっていくので、
現場プロダクションに落ちる制作費の話)
それだけで貧乏が伝わるというものだ。
それを、
「バブル時代の客に見せるんだから、
バブル時代並みの予算でやりましょう」
と言ったことが、
実は企画の中心だったりするのだね。
同じ予算を俺によこせ。
いくらでも爆発させてやる。
出来は、予算×クリエイティビティだ。
今回は100×1で、3×3に勝っただけだ。
100×100を見せてやるぜ。
2018年11月05日
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