という基本的なことを知らなかったのだろうか?
VR断頭台はマジ危険だと思う。
https://www.moguravr.com/vr-guillotine/amp/?__twitter_impression=true
たとえば、
足を見えない状態にしておいて、
「お前の足に傷をつけた。
痛くはないが、一滴一滴血が落ちる。
それが全部なくなった時、お前は死ぬ」
と放置して、
水が足にポタポタ落ちるようにすると、
本当に恐怖で死ぬらしい。
実際に使われた拷問だ。
あるいは、
「ファントムペイン」といって、
手足が切断された人が、
ないはずの手足が痛い、
という感覚を訴えることがある。
幻肢現象ともいう。
(ない手足の痛みだから、現代医学では手が出せない。
催眠術で治すらしい。
あるいは鏡像で治療効果があるという話もある。
タイピングにおけるミラー現象はここと繋がる)
記事中に、ケモミミを触られてくすぐったさを感じる、
という現象も報告されている。
あまりにも長くそれをやると、
おそらくゴーグルを外しても、
永遠にその感覚はファントムになるかもしれない。
「上下逆に見えるゴーグルをつけて、
適応現象を研究する」という古い実験がある。
VRではなく鏡でやったものだ。
最初は吐き気ばかりあったが、
数週間で日常が送れるようになったそうだ。
興味深いのは、
実験が終わりそのゴーグルを外した後で、
現実世界に吐き気が止まらず、
適応するまで数週間かかったという。
こういうことを知らない人がVRを作ったり、
体験したりするのは、
ちょっと危険かも知れないね。
僕は3D映画が出た時、
バカじゃないかと思ったんだ。
だって俺映画を見てる時は、
3Dで見えてるもん。
想像の世界に没入することでね。
勿論詰まらない映画の時は2Dだよ。
しかし面白い映画は、
たとえ家のテレビのへぼい画質でも、
へぼいスピーカーでも、
現実以上の現実感覚がある。
それは、絵や音のリアリティ(ガワ)じゃないんだよ。
雰囲気を作るのには役に立つけど、
動いた瞬間関係なくなる。
その動きの感覚こそが、
世界を感じる感覚だと僕は考えている。
僕はバーチャロンというゲームではアファームド乗りだったけど、
その操作感覚を時々思い出すことがある。
その動きは独特で、
後にも先にもあの高速戦闘立体起動の感覚を味わえていない。
(ベルグドルの漕ぎとかも独特だったね)
残念ながら、
私たちは動きに関するボキャブラリーが少なくて、
これを共有する手段がない。
今後もVRは訳の分からない発展を遂げるポテンシャルはある。
どうなるか見ものだ。
想像の中の新しい乗り物に乗る、
というのは本気でやってほしいなあ。
(なんならアファームドに永遠に乗ってたい。
また配列の話になるが、親指シフターがそれ以外では不快だというのは、
これと関係している)
で。
これは、3Dゴーグルとかいらないんだよね。
テーブルトークRPGですら、
得られる感覚なんだよ。
映画でもそうだし、小説でもそうなんだよね。
その「世界の感覚」を作るのが、
物語の、ひとつの仕事でもあるんだよね。
世界はどうなってるのか、
どういうパーツから成り立っているのか、
何を動かせて、それを動かしたら何とぶつかったり、
作用するのか、
何と何を動かせばどうなるのか、
世界を作用と反作用で理解した時、
その世界はバーチャル世界として成立するような気がする。
ドラマ風魔では、
「部活の裏で忍びが技を駆使して、
学ランと木刀と必殺技で戦っている」
という世界。
てんぐ探偵では、
「心の闇なる妖怪に取り憑かれたら、
それを追い出すにはその負の心から、
別の心になるしかない」という世界。
そういう、
「世界の基本ルール」を作ることで、
「その世界の中で、想像で遊ぶ」ができるかどうかが、
面白い物語、
架空世界の、
面白さに関係している。
その架空世界、世界の仕組みが面白ければ、
小説だろうが、漫画だろうが、
映画だろうが、3Dだろうが、
ドットゲームだろうがポリゴンゲームだろうが、
VRだろうが、
同じ面白さだと思う。
世界の感覚は、メディア側にあるのではなく、
「想像している本人の中にある」
ということに注意するといい。
そして大事なことは、
世界設定とストーリーは分離できるということ。
剣と魔法の世界は、
「指輪物語」が最初かもしれないが、
その「西洋ファンタジー」ワールドがあまりに好きすぎて、
その世界を共有した、
無限の小説やらゲームやらVRやらが、
別シナリオとして存在するよね。
想像の世界で人は死ねる。
想像の世界でキャラが死ぬだけで、
私たちは親友や恋人を失った辛さや喪失感を感じる。
力石徹の死は、
架空の世界のキャラなのに、
本当に葬式をやるくらい、
喪失感があった。
ラオウもやったんだっけ。
設定が未来なのに、現在で葬式をやるのも、
時系列としてはおかしな話だが、
そんなの関係ねえ、
というのが想像の世界だ。
さあ、
あなたの想像力は、
どんな架空世界の、どんな人々の、
どんな人生と、
どんな事件と見事な解決を用意する?
どんな「普通の世界」からどんな「異常な世界」にゆき、
どうやって「普通の世界」にもどってくる?
(いうまでもなく、最後の三行だけが、
純粋なストーリー部分だよ)
2018年11月09日
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