2018年11月11日

【薙刀式】清濁別置のマイナー濁音をちょっと考える

薙刀式は清濁同置だ。
それどころか、半濁も小書きも拗音も外来音も同置、
という、従来の配列からしたら画期的な配置をしている。

清濁別置の配列を練習したとき、
「結局覚えられなかった」
という濁音がいくつもあった。


たとえば、
ぞ、ば、ざ、べ、ぺ
などを例に考えよう。

もちろん、覚えるときは、単独で覚えるのではなく、
何かの言葉の一部として運指ごと覚えるのがコツだ。
そうすると、その記憶をもとに、指で思い出せるようになるからね。
単独で文字は出ない。連接で出てくる。

しかし、ぞ、ざは、そもそも連接するメジャーな言葉があんまりない。

たとえば、
ぞくぞく、雑巾、ゾルタクスゼイアン、連続、
想像、増減、ぞりぞり、などを打ち、
「ぞ」をなんとか覚えようとしてきた。
でも自分の知る「ぞ」のある言葉なんて、たいしてないんだよね。
う、く、ん、りなどの、よくある連接ばかりで、
それらの連接記憶の中に埋もれてしまう。

勢い、途中でタイプウェルなどの、
自分にない言葉が出てくるようなものに頼ることになる。
すると、やっぱり出てこないから定着しない。


ちなみに、
「実戦の中で100回打つと、その音が定着する」
という俗説のようなものがある。
以下、これを信じることにする。

マイナー濁音の、各出現率で考える
(統計根拠はいつものkouyさんの100万字統計)。

 ぞ0・15% ば0・58% ざ0・2% 
 べ0・19% ぺ0・04%

これらを100回打つ為に打たなければならない文字数は、
それぞれ、

 ぞ6万7000字 ば1万7000字 ざ5万字
 べ5万3000 ぺ25万字

ということになる。

僕は配列を覚えるのに、
大体1万字が練習量の目安だと思っている。
それくらいのうちになにかしら効果がなければ、
人はあきらめてしまうような気がする。

清濁別置配列、たとえば飛鳥や新下駄は、
これらのマイナー濁音をマスターするのに、
おおむね5万字というべらぼうな文字数を要求するわけだ。

ちょっとこれはしんどいような気がする。
もっとも、濁点キー、半濁点キー、小書きキー、
などを随時用意して、
清音から追加入力で変化させられるようにしておけば、
清濁別置でも安心かもしれないが、
それはもはや清濁同置で意味がない。

もちろん、
ある種のモチベーションをもって、
新しい配列5万字を練習できれば、
問題はないかもしれない。
でもそこまでたどり着くまでに、
多くの人が挫折していることは想像に難くない。

(じっさい、親指シフト、飛鳥、新下駄は、
僕はそこまで練習しなかった。
もっと楽な配列はないのか、と浮気相手を探してしまう心理だ)

1万字くらいまでに、
ほとんどの文字をマスターできるのが理想だ。
100回打って覚えるのだとしたら、
1%以下の文字が沢山あるのは問題だと、
僕は思うわけだ。

ちなみに1%以下の清音は以下。
ー、よ、そ、め、わ、み、め、ひ、や、ろ、ほの11音。
2万字以上打つ必要がある、0・5%以下の静音は以下。
ふ、ね、む、へ、ぬ、ヴの6音。

薙刀式は、2万字も打てば6音の清音を除いて打てる計算だ。
濁音化、半濁音化、小書き化、拗音化、外来音化は、
覚えていなくても、清音と同時押しキーで済むからだ。
打てなくても、考えながらで、とにかく打てるようになる。
5万字打たなければ使えないよりかは、
よっぽど実戦に出るのが早い事は言えるだろう。

薙刀式は、調味料を持っていき、
その場で料理を急造することが出来る。

清濁別置の配列は最終的には優秀かもしれないが、
フルセット持っていかないと何もできない、
西洋のフルコースのような感じかも知れない。

アジア的な、現場的な、
「大体覚えたら、現場でつくれる」
というのが、僕の好みだなあ。

もちろん、
月配列やJISカナの濁点半濁点後置でも、
同じことが言える。
僕は同時打鍵系が気に入ってしまったから今更やるつもりもないけど、
気になったら、触ってみるかもしれない。



理論的には、
清濁別置のほうが絶対いいと思うんだけど、
その理想の境地にたどり着ける人は、
少ないような気がする。
じゃあ薙刀式が普及するのかでいうと、
そこのところは良く分らないけどね。
結局モチベが高い人は、難易度の高いものでもマスターするだろうし。

すくなくとも僕には、
清濁別置はマスターしきれなかった。
記憶力もモチベも持たなかったなあ。
(また思いついて練習再開するかもしれないが)

だから逆に、「作者以外の飛鳥や新下駄の動画」を見たいんだよね。
どうやって普段の文章を書いているのか、
想像がつかない。
自分の思考のキャパと、指のキャパが喧嘩しないのかなあ。
僕は思考全振りにするために、
なるべくシンプルな指使いにすることにした感じだけど、
あれだけの複雑な指使いでも、
無意識に押しこめたら勝手に動くのだろうか。

(くりかえしますが、動画、撮りに行きますよ。
「その配列での日常」をまじで見たいので)
posted by おおおかとしひこ at 22:07| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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