2018年11月12日

【薙刀式】親指は凹型にしてYを目指す

親指キーの理想を追求して、色々とヒノキを削り出しいて、
ようやく結論めいたものにたどり着いたような気がするので、
まとめておく。


【大原則1】
スペースキーなど、
親指の触れるものは凹型に凹むべきである。

凸になっているのは嫌がらせだ。
凸型の指が触れるんだから、凹型のほうが痛くないよね。
他のキーすべてがそうなっているのに、
スペースキー、変換キー、無変換キーだけ凸になっていることに、
僕は合理的な理由を見いだせないでいる。
ていうか、親指が痛くなった。

ということで凹型にすることを考えた。


【大原則2】
スペースキーは逆付けしたほうがよい。

ステップスカルプチャ構造は、
最下段を前から見て水平か俯角にしている。
これを仰角に変えるべきである。

キーボードに手を構えたとき、4指を丸く水平にしても、
親指は掌の角度に近い。仰角である。
その仰角に親指のキーは合わせるべきだ。
さいわいスペースキーを上下逆付けすると、ちょうど角度が合っている。
ほとんどの自作キーボードでは、そのような角度に合わせている。

現状は、俯角で凸型。
これを、
仰角で凹型にすることが大原則だと思う。



凹型にするのは、ヒノキを削り出すことで実現する。
ヒノキは加工がしやすく、
手触りがよく、水油に強い、日本固有の木だ。
サクラやカツラも試したが、
とりあえず考えたものを試したり、その後の手触りを考えると、
ヒノキがベスト。

あとはどういう凹型にするといいのかという試行錯誤を、
最近は延々とやっていた。

失敗したもの

・横に凹型にする
 均質で見た目が美しい。
 しかし指の置き方が一意に決まらず、よけい負担になった。
 親指をまっすぐ打ったり、曲げて打ったりしてしまい、
 一定の打鍵が苦しかった。
set3.jpg


・縦に凹型にする
 つまり凹型の溝を入れることになる。
 まずやってみたのは、キーの左傾きに合わせて、
 左斜めに溝を作ったもの。
 左手が左に傾くのを矯正されて、
 手首が痛くなってしまった。

ということで、
溝は縦に、ハノ字に彫ることにした。

左右対称の位置、VN直下に来るようにする。
(実際には、完全に左右対称からやや右よせ)
向きは両方とも、Yキーの中央よりやや左に向かう。
つまり「FJから見て、左右対称にする」
という方法論である。

さらに。
単に凹型の溝にして底面を打鍵するのではなく、
親指が溝のななめ側面にあたるようにする。
親指は4指の突き出す平面にくらべ、
斜め横についているからである。

ということで、それをすべて勘案してつくったのがこれ。

O4-2.jpg

O4-3.jpg


溝は直径3センチの棒にやすりを巻いて削る、
わりとRの大きいものになる。

人差し指と親指で手の位置を決め、小指はなりでA;に置く。
それあわせで手首の位置を決め、それから腕の位置を決めるといいようだ。

キーボードは現在机の上にべた置きで、
パームレスト無しでやっている。
(これはキーボードによるかもしれない)
NiZの場合、拳一個ぶん机のヘリから離して置くと、
色々バランスが取れた位置になるようである。

これが薙刀式の現在の最終形、といってよいかもだ。
打鍵方法は前滑り。
指を真っすぐにして、前に滑らせる。
4指はやりやすいが、
親指もそうするだけのキーがなくて、
ようやく削り出して、それをしやすいキーにしあげた。
という事で、親指も前滑り(溝の向き=Yに向かって滑らせる)で打っている。

(自作キーボードのcorneやErgoDoxでは常識なことかもしれないが、
それをメーカー製の横一本のキーでようやく実現したに過ぎない)


この知見は、
親指を多用する親指シフト系でも通用するかもしれないが、
親指シフトは「指を立てて上から打つ」という、
この方式とは相反する打法を推奨していることに注意されたい。
(だからといって、余計凸型のキーに凸型の指が当たることになって、
痛くならないか、というのは僕の疑問だ)



薙刀式はセンターシフト式の配列で、
左右親指の使用率が12%ずつ(すべて逆手シフトで計算)と、
まあまあ高い。(親指シフトや飛鳥に比べると低い)

変換や次候補選択にもスペースキーは使うので、そこそこの使用があり、
僕はずっと左親指から来る、
親指と薬指の腱鞘炎に悩まされていた。

ということで、
この頻度でも腱鞘炎にならない打鍵方法および物理キーを考え、
ようやく実用的にまともになってきたので、
ここに発表する次第。
(腱鞘炎の完治はまだだが、
頑固な痛みが二日程度で引いたので、改善と判断)



これで薙刀式v10が完成、とようやく言える。
全体をマニュアルにまとめます。
posted by おおおかとしひこ at 18:26| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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