親指キーの理想を追求して、色々とヒノキを削り出しいて、
ようやく結論めいたものにたどり着いたような気がするので、
まとめておく。
【大原則1】
スペースキーなど、
親指の触れるものは凹型に凹むべきである。
凸になっているのは嫌がらせだ。
凸型の指が触れるんだから、凹型のほうが痛くないよね。
他のキーすべてがそうなっているのに、
スペースキー、変換キー、無変換キーだけ凸になっていることに、
僕は合理的な理由を見いだせないでいる。
ていうか、親指が痛くなった。
ということで凹型にすることを考えた。
【大原則2】
スペースキーは逆付けしたほうがよい。
ステップスカルプチャ構造は、
最下段を前から見て水平か俯角にしている。
これを仰角に変えるべきである。
キーボードに手を構えたとき、4指を丸く水平にしても、
親指は掌の角度に近い。仰角である。
その仰角に親指のキーは合わせるべきだ。
さいわいスペースキーを上下逆付けすると、ちょうど角度が合っている。
ほとんどの自作キーボードでは、そのような角度に合わせている。
現状は、俯角で凸型。
これを、
仰角で凹型にすることが大原則だと思う。
凹型にするのは、ヒノキを削り出すことで実現する。
ヒノキは加工がしやすく、
手触りがよく、水油に強い、日本固有の木だ。
サクラやカツラも試したが、
とりあえず考えたものを試したり、その後の手触りを考えると、
ヒノキがベスト。
あとはどういう凹型にするといいのかという試行錯誤を、
最近は延々とやっていた。
失敗したもの
・横に凹型にする
均質で見た目が美しい。
しかし指の置き方が一意に決まらず、よけい負担になった。
親指をまっすぐ打ったり、曲げて打ったりしてしまい、
一定の打鍵が苦しかった。
・縦に凹型にする
つまり凹型の溝を入れることになる。
まずやってみたのは、キーの左傾きに合わせて、
左斜めに溝を作ったもの。
左手が左に傾くのを矯正されて、
手首が痛くなってしまった。
ということで、
溝は縦に、ハノ字に彫ることにした。
左右対称の位置、VN直下に来るようにする。
(実際には、完全に左右対称からやや右よせ)
向きは両方とも、Yキーの中央よりやや左に向かう。
つまり「FJから見て、左右対称にする」
という方法論である。
さらに。
単に凹型の溝にして底面を打鍵するのではなく、
親指が溝のななめ側面にあたるようにする。
親指は4指の突き出す平面にくらべ、
斜め横についているからである。
ということで、それをすべて勘案してつくったのがこれ。
溝は直径3センチの棒にやすりを巻いて削る、
わりとRの大きいものになる。
人差し指と親指で手の位置を決め、小指はなりでA;に置く。
それあわせで手首の位置を決め、それから腕の位置を決めるといいようだ。
キーボードは現在机の上にべた置きで、
パームレスト無しでやっている。
(これはキーボードによるかもしれない)
NiZの場合、拳一個ぶん机のヘリから離して置くと、
色々バランスが取れた位置になるようである。
これが薙刀式の現在の最終形、といってよいかもだ。
打鍵方法は前滑り。
指を真っすぐにして、前に滑らせる。
4指はやりやすいが、
親指もそうするだけのキーがなくて、
ようやく削り出して、それをしやすいキーにしあげた。
という事で、親指も前滑り(溝の向き=Yに向かって滑らせる)で打っている。
(自作キーボードのcorneやErgoDoxでは常識なことかもしれないが、
それをメーカー製の横一本のキーでようやく実現したに過ぎない)
この知見は、
親指を多用する親指シフト系でも通用するかもしれないが、
親指シフトは「指を立てて上から打つ」という、
この方式とは相反する打法を推奨していることに注意されたい。
(だからといって、余計凸型のキーに凸型の指が当たることになって、
痛くならないか、というのは僕の疑問だ)
薙刀式はセンターシフト式の配列で、
左右親指の使用率が12%ずつ(すべて逆手シフトで計算)と、
まあまあ高い。(親指シフトや飛鳥に比べると低い)
変換や次候補選択にもスペースキーは使うので、そこそこの使用があり、
僕はずっと左親指から来る、
親指と薬指の腱鞘炎に悩まされていた。
ということで、
この頻度でも腱鞘炎にならない打鍵方法および物理キーを考え、
ようやく実用的にまともになってきたので、
ここに発表する次第。
(腱鞘炎の完治はまだだが、
頑固な痛みが二日程度で引いたので、改善と判断)
これで薙刀式v10が完成、とようやく言える。
全体をマニュアルにまとめます。
2018年11月12日
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