あれだけ軽いキーがいい、言うてたやん。
しかしちょっと待ってくれ。
「黒軸(60グラム)はリニア(線形バネ)、
かつ認識点はストロークの半分の2ミリ。
ということは認識点までは30なんじゃない?」
という実験をしてみたかったのだ。
結果から言うとそうではなかった。
だが、黒軸は「押すのではなく、押されるキー」であることが、
ちょっとやってみようという決め手になったのだ。
メインキーボードのNiZは35グラムであり、
この軽さを僕は絶賛している。
しかし打鍵が速くなると、
問題が出てきたような気がする。
「戻りが遅い」ことだ。
シフトを離したつもりでも、物理バネが戻ってこない感覚がある。
離してから入力したつもりでも、
同時押し認識されることがある。
あと軽すぎて、底打ちして指が痛くなることがたまにある。
(特に強い右中指)
つまり、「行きはよいよい帰りはいまいち」
というのが、35グラムの限界なんじゃないか?
とふと思ったのだ。
きっかけは、
スペースキーに付属の10グラムバネを入れてみたとき。
戻りが速くなるので、シフト残りが起きにくくなった。
最高の状態を考えると、
「0押下圧で、逆に戻りが異常に速い」
というのが理想なのではないか?
それは、「押した力と返す力が同じ」という、
バネという物理機構では実現できないかもしれない。
そもそも、30のリアルフォースを久しぶりに触ってみるとどう感じるかなあ、
なんて有楽町ビッグカメラに行ったのが、浮気のきっかけだ。
あれ? 黒軸、戻り力が強いぞ、と気づいてしまった。
これは同時押しと単独打ちの分離にもいいんじゃないか、
と予想して、
PCにつないでない状態で半打ちをシミュレートしてみる。
そうすると、意外にも黒軸はたいして重くない。
「黒軸が重い」なんて言っているのは、
黒軸を使いこなしていない輩の戯言だ。
底打ちするのは黒軸使いの恥だぞ。
黒軸は、
表面を削る用に打って、
反発力を使って次のキーへ流れるように打つときに、
最もいいパフォーマンスをする。
これは実際に購入して、
しばらく評価打鍵して、
初めて分ったことだ。
1万円、フィルコミニラAir。
Bluetooth、60%、JPモデル。
変換無変換キーがFnより遠くて候補から外していたが、
もはやUS配列に薙刀式が対応したので、
そのキーは使わない。
なのでUS配列ライクに使っている。
あれ? NiZ Atom 66を買おうかどうか、
悩もうとしていたはずなのだが……?
何より気に入ったのは、
打鍵がとてもアナログになること。
これが筆圧を調整しながら書いていく、
ペンや筆のようで面白い。
その日の最初は思い切り底打ちして、
次に撫で打ちして指の調子を見て、
それから打って行くのがいいみたい。
楽器やエンジンの暖気みたいな儀式を踏めば、
打鍵が安定するようだ。
しかもアナログチックなキーのほうが、
文章の内容により集中できる、
ということになんだか気づいてきた。
「指が文章にめり込んでいる感覚」になる。
これはコピー打鍵なんかより、断然創作向きなんじゃない?
デジタルは頭の中を抵抗なく転送していくことを、
これまで頑張って推奨してきたが、
黒軸はそれに逆行して、
「抵抗をかき分けることこそが表現である」
ということを思い出させてくれる軸である。
ということで、なんだか黒軸が面白いと思ってしまった。
黒軸使いの人は少なくて、
なかなか情報が出てこない。
メインに黒軸を使いながら、
一日一万字くらい書いている人はいないのか。
とりあえず、
しばらく耐久試験をしてみることにする。
打鍵が安定すれば、
軽いキーより安定するんじゃないか?
世に広まる情報と逆で、
高速タイピングで長い時間やるなら、
はずみ車が重い、黒軸の方が安定するような気がするぞ。
とりあえず手持ちのPBT無刻印キーキャップをつけ、
ABSより手触りをよくする。
最下段は逆付けのほうが良い。
スペースキーが3U幅で特殊。
キーキャップがないからデフォでがまん。
パームレストは1センチの高さか、無しで迷っている。
慣れてくると、2mmの半打ちの高さが、
指で感じられるようになってくる。
そこまでは弱く指を置く感覚でよい。
黒軸は重いキーではない。
繊細な指使いだけが、
実は黒軸のフルスペックを使える。
黒軸は重厚なのではない。華麗なのだ。
しばらく使って、疲労を調査します。
(NiZはいいんだけど、
底打ちのダメージがたまにあったのかも知れない。
腱鞘炎は、黒軸のほうがむしろ調子がよくなってきた。
単純に違う筋肉を使っているからかも知れないので、
継続的調査をします)
2018年11月15日
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