黒軸にようやく慣れてきた。
底打ちなんてしない。軽く打っていける。
この軽い打鍵は、NiZなどの押下圧が軽いキーとはまた違う軽さだ。
軽いというのではなく、軽快といってもいいのかもしれない。
しかしこの軽さを学ぶのに、薙刀式は相性が悪い。
なぜなら薙刀式は「離し入力」だからである。
同時押しの沢山のパターンによって、
拗音や外来音を定義している薙刀式は、
シフト方式もふくめて、
殆ど離し入力の配列だ。
これは同時打鍵のシフト判定の限界だ。
「あるキーが押されたとき、
他に何も押されなかったら単打、
他に何か押されたら同時押し」
という判定において、
「そのキーを離すまで同時押しがないこと」が単打の条件である以上、
「離す瞬間まで文字が確定しない」ということになる。
ということは、結論からいうと、
キーを離すまで文字が出ない。
同時打鍵のアルゴリズムを、
「押す、離すにかかわらず、
一定の時間以内に押しが入ったら同時とみなす」
という離し入力を問わない判定方法もある。
しかしその「一定時間」を、
80ミリ秒に取るのか、40ミリ秒に取るのかで、
ずいぶん打鍵感覚と文字を書く速さが変わってしまう。
(かつてはこれに振り回され、
結局この方式を捨てた。
各指が等価に動く人は気にならないかも知れないが、
僕は指の器用度が指によってばらつきがありすぎる)
ということで、
現在薙刀式は離し入力を採用せざるを得ない。
で、黒軸。
黒軸のアクチュエーションポイントの2mm
(底打ちフルストロークは4mm)を知るには、
押しで印字されるほうが望ましい。
そのほうが直感で分るはず。
離し入力では「押して離した時に印字」だから、
「どこまで押しこんだのか」という指の感覚とは、
ちょっと遠い感覚になってしまう。
だから、どこまで浅く触ればよいのか、
どこまで深くしなければならないのか、
それを知ることは、なかなかにむずかしいのだ。
それでも何万字か書くとだいぶ慣れてきた。
人間の適応力に感心する。
次のような段階的な慣れが必要かと思う。
1 人差し指、中指でまず2mmの感覚を養成。
2 薬指、小指で同様。
3 親指で同様。
人差指、中指は強く器用な指なので、
まずこれが出来るようになることだ。
薬指はわりと中指に従うところがあるので、
小指に比べると楽にマスターできる。
小指はなかなか難しかったのだが、
「中段キーを2mm押し下げると、下段キーに丁度小指が触れる」
というコツをネットで発見して、
押しこむ距離感を覚えることができた。
他の段のキーが基準になるとは、
これを知らなかったらなかなかできなかったかもしれない。
(中段が出来るようになったら、
下の段がない下段キーでも同様にできるようになった)
最後は親指だ。
力が強いため、すぐに底打ちしてしまっていたものを、
空白を何度も入力することで学ぶ。
(スペースもSandSの関係で離し入力になっているのが、
薙刀式のつらいところ)
これが出来るようになると、
軽く抑えたままシフトがかけられるようになる。
(連続シフトではまだ、底までじんわり押してしまう)
あとは同時押しなどで力を入れすぎないように、
2mmで止める感覚を養成していく。
最初は押しこむ距離で判断していたけど、
そのうち、
「これくらいのばねの反力が折り返し点」
という感覚が指でわかってくるようになる。
反発力が強い黒軸ならではだ。
押しこめば押しこむほど、バネは強く反発する。
その反発を指で感じながら、
「ここくらいまで沈ませればよい」
ということがわかってくるようになる。
これは同様のリニアである赤軸では、
反発力が弱すぎて判別が難しいかと思われる。
赤軸は底打ちして爽快、という感覚があるからね。
黒軸は逆に、一度も底打ちしないことで、
爽快に軽快に打って行く軸である。
NiZの35gの軸は大変よかったが、
底打ちを一回もしない、というのは相当に難しい。
指へのダメージは、
底打ちするほうがあるような気がするので、
NiZの軽い軸より、
黒軸でクッションになっているほうがいいような気がする。
ということで、ようやく黒軸使いになれたような感じ。
タイプウェルももうちょっとしたらNiZの記録を抜けそう。
疲れ方も違うような気がするので、
もうちょっと分かってきたら、
比較したいと考えている。
(メインキーボードをどっちにするべきか迷っている。
それくらいには、使えるようになった黒軸は良い)
2018年11月24日
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