最初から落ちをつけられているものなら、
それに向かっていけばいいのだが、
そうそう毎回そんなに上手く行く訳ではない。
だから、落ちは、
書いている途中に見つけなければならないときのほうが多いかもだ。
ヒントは、前振りの中にある。
冒頭部から事件発生まで、
あるいは事件発生から最初のエマージェンシーまでの、
比較的ゆっくりした展開の中に、
落ちのヒントは潜んでいる。
大体無意識に、無邪気に設定している部分で、
あなたの無意識が反映されている部分のことが多い。
もちろん計画的に、そこに落ちに絡む伏線が仕込めていればなんの問題もないが、
そうはいかないときが今考えている場合だ。
自分が無意識にえがいた、
キャラクターの日常部分であるとか、
ふとしたときに漏れているセリフであるとか、
ふとしたときに考えていることとか、
そういうものを見つめてみよう。
それはあなたが今回のストーリーを書くにあたって、
大体は無意識に考えていたことである。
そこと関係したものを落ちにするのがベストだ。
そこから入ったのだから、そこから出るのがわかりやすい。
そうすると頭とお尻で挟み込み、
「開いたもので閉じる」という印象になる。
落ちに対して、前振りが効果的になる、
ということになる。
さらに、前振りの中から直接落ちにかかわるものが見つけられないときでも、
「前振りから連想される何か」を落ちに使っていくという次善策がある。
つまり。
最初に烏が鳴いたなら、最後に烏を鳴かせればよいのだ。
もちろん、それが何の意味を成すかは、
本編にきちんと暗示がある必要がある。
「最初に烏が鳴いたのはこういう意味だが、
ストーリーを経た今では、
最後に烏が鳴くのはこういう意味なのだ」
と、そのことに関する意味が変わっているのが、
ベストだ。
その差分がテーマになるだろう。
抽象的な話で分かりにくいかも知れない。
自分のストーリーでやってみると、
その効果は分るはず。
落ちと前振りの関係が分らなくなってきたら、
そうやってとりあえず整理してみよう。
2018年11月28日
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