2018年12月24日

今日は特別な日

物語をはじめるコツ。


物語のはじまりは、事件からである。
何かが起きて、それを解決していこうという事になるわけだ。

で、それが起こる日を、
ふつうの平凡な日ではなく、
特別な日にする、というテクニックだ。

導入部がやりやすい。
あとあと特別な日を持ってくると、ご都合に見えやすいからだ。


たとえば、
誕生日であるとか、
21世紀になる瞬間のこととか、
転校生の初日とか、
引退の日とか、
戦争が始まった日であるとか、
童貞を卒業した日とか、
母が死んだ日とか、
離婚が決まった日とか、
クリスマスとか、
大雪の日とか、
大停電の夜とか、
阪神が優勝した日とか、
合格通知が来た日とか、
夏休み最後の日とか、
あの子の転校まであと一か月と分った日とか。
(最後の例は「この窓は君のもの」の導入)


そういう特別な日に起こったことは、
たいしたことのないしょうもない事件でも、
印象に残ったことになるものだ。
その記憶効果を、インパクトに使うのである。

これが途中に使えない理由は、
ご都合主義に見えてしまうからだ。
しかし最初からそれを振られると、
「そのような設定の物語」に見える。
ただの事件が急にドラマチックに見えて来る。
そういうテクニックでもある。


「蕎麦屋のおやじが天ぷらをおまけしてくれた」
という小さな事件ですら、
それが退職する日のことであれば、
印象的な大事件になるものだ。

あなたの物語の導入が、
そういう特別な日に始まると、
皮肉の効いた、面白い出だしになるかもしれない。

まったく関係ないことなのに、対比で印象的に見えてもいいし、
意味的に逆の対比に見えてもいいし、
伏線になっても良いし、
それが最終的にテーマに繋がると、もっとよいだろう。
posted by おおおかとしひこ at 11:39| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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