物語をはじめるコツ。
物語のはじまりは、事件からである。
何かが起きて、それを解決していこうという事になるわけだ。
で、それが起こる日を、
ふつうの平凡な日ではなく、
特別な日にする、というテクニックだ。
導入部がやりやすい。
あとあと特別な日を持ってくると、ご都合に見えやすいからだ。
たとえば、
誕生日であるとか、
21世紀になる瞬間のこととか、
転校生の初日とか、
引退の日とか、
戦争が始まった日であるとか、
童貞を卒業した日とか、
母が死んだ日とか、
離婚が決まった日とか、
クリスマスとか、
大雪の日とか、
大停電の夜とか、
阪神が優勝した日とか、
合格通知が来た日とか、
夏休み最後の日とか、
あの子の転校まであと一か月と分った日とか。
(最後の例は「この窓は君のもの」の導入)
そういう特別な日に起こったことは、
たいしたことのないしょうもない事件でも、
印象に残ったことになるものだ。
その記憶効果を、インパクトに使うのである。
これが途中に使えない理由は、
ご都合主義に見えてしまうからだ。
しかし最初からそれを振られると、
「そのような設定の物語」に見える。
ただの事件が急にドラマチックに見えて来る。
そういうテクニックでもある。
「蕎麦屋のおやじが天ぷらをおまけしてくれた」
という小さな事件ですら、
それが退職する日のことであれば、
印象的な大事件になるものだ。
あなたの物語の導入が、
そういう特別な日に始まると、
皮肉の効いた、面白い出だしになるかもしれない。
まったく関係ないことなのに、対比で印象的に見えてもいいし、
意味的に逆の対比に見えてもいいし、
伏線になっても良いし、
それが最終的にテーマに繋がると、もっとよいだろう。
2018年12月24日
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