2018年12月26日

増量したところを減量する

増量には二種類ある。
空間方向の増量と、
時間方向の増量だ。


空間方向の増量とは、
登場人物を増やしたり、
描写部分を増やしたり、
世界を広げたりすることをいう。

時間方向の増量とは、
段取りを増やすことをいう。
過去話を付け足したり、
未来のことや後日談を足すことも含むだろう。


増量をすると、
以前の原稿の良かった、
キレの良さが失われることがある。

余計に感じたり、
まどろっこしかったり、
繰り返しに感じることがある。

そういうものは、
増量した部分を削ってみると良い。


そう感じなくて、
増量したことによって良くなる部分もある。

より深くなったり、
このシーンを付け足したことで、
以前になかった緊張感や深みが、
あとのシーンに加わることがある。

それは、増量の効果があったわけだ。


増量の全てが効果があるとは限らない。
失敗した増量は減量させて、
成功した増量は残そう。

これを何度か繰り返すと、
骨格から増量しないとダメかな、
なんて思える日が来る。
根本的な増量になると思う。

それをせずに所定の増量に達せばそれまで、
根本的な改造をするならば、
世界と問題設定から増量するべし。
posted by おおおかとしひこ at 13:43| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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