僕の得意技のひとつなのだが、
夕焼けをうまく使うというものがある。
ドラマティックでもあり、
人のふとした本音が漏れるときでもあり、
優しい気分になるときもあり、
寂しい気分になるときもある。
妖怪に出会える時間帯でもある。
歴史は夜作られるという。
昼間ではないときの、
公ではない私の部分が出やすい、
というようなことを含むと思う。
これにひっかけるのなら、
ドラマは夕焼けに作られる。
自分で作ったものの中での特にお気に入りは、
言うまでもなくドラマ風魔の告白シーンだ。
映画いけちゃんの、夕日の海辺もなかなかに気に入っている。
去年年頭に作ったNHKのレズビアンの話は、
駅前の待ち合わせからのキス(擬似)は、
夕焼けの予定だった。
(当日曇って雨が降りそうだったので、
夕焼けの計算を全て諦めて、
夜間シーンに当日判断した)
陽が沈むギリギリの時間帯は、
マジックタイムと業界では言う。
昼間に撮影するときも、
夜間に撮影するときも、
照明部が必要なものだが、
マジックタイムだけはライトが必要ない。
(専門的なことをいうと、
ハイの部分とローの部分のバランスが取れているので、
照明による補正が必要ない)
撮影的にもマジカルだし、
そこで起こることは全てがマジックだ。
ちなみに今旭川で撮影しているものも、
夕焼けを効果的に使ったシーンがある。
公開時には解説するかもしれない。
僕は勝負シーンに夕焼けを持ってくることがとても好きなようだ。
夕焼け監督と呼ばれても本望。
夕焼けは、
ドラマをよりドラマチックにする。
平凡なシーンを、ドラマに変える。
コンフリクトの強い優秀なシーンを、
最高級のドラマに仕立てるだろう。
もちろん、
夕焼け以外でも、得意なものがあるかもしれない。
雨のシーンとか、
海辺のシーンとか、
雪がしんしんと降る中とか、
クリスマスイヴとか、
桜のシーンとか。
いつもいつも同じことをすれば作風だし、
様々なシーンに挑戦してもよい。
たとえば、
「始まりはいつも雨」というだけで、
それはロマンチックになる。
ただの昼間のただのドラマばかり書いてないで、
そういう効果を使うと、
彩りが増えるというものだ。
どちらかというとガワのことだけど、
それはロマンチックと関係があると思う。
2019年01月11日
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