2019年01月11日

夕焼けをうまく使おう

僕の得意技のひとつなのだが、
夕焼けをうまく使うというものがある。
ドラマティックでもあり、
人のふとした本音が漏れるときでもあり、
優しい気分になるときもあり、
寂しい気分になるときもある。
妖怪に出会える時間帯でもある。

歴史は夜作られるという。
昼間ではないときの、
公ではない私の部分が出やすい、
というようなことを含むと思う。

これにひっかけるのなら、
ドラマは夕焼けに作られる。


自分で作ったものの中での特にお気に入りは、
言うまでもなくドラマ風魔の告白シーンだ。
映画いけちゃんの、夕日の海辺もなかなかに気に入っている。

去年年頭に作ったNHKのレズビアンの話は、
駅前の待ち合わせからのキス(擬似)は、
夕焼けの予定だった。
(当日曇って雨が降りそうだったので、
夕焼けの計算を全て諦めて、
夜間シーンに当日判断した)

陽が沈むギリギリの時間帯は、
マジックタイムと業界では言う。
昼間に撮影するときも、
夜間に撮影するときも、
照明部が必要なものだが、
マジックタイムだけはライトが必要ない。
(専門的なことをいうと、
ハイの部分とローの部分のバランスが取れているので、
照明による補正が必要ない)

撮影的にもマジカルだし、
そこで起こることは全てがマジックだ。

ちなみに今旭川で撮影しているものも、
夕焼けを効果的に使ったシーンがある。
公開時には解説するかもしれない。


僕は勝負シーンに夕焼けを持ってくることがとても好きなようだ。
夕焼け監督と呼ばれても本望。


夕焼けは、
ドラマをよりドラマチックにする。
平凡なシーンを、ドラマに変える。
コンフリクトの強い優秀なシーンを、
最高級のドラマに仕立てるだろう。

もちろん、
夕焼け以外でも、得意なものがあるかもしれない。
雨のシーンとか、
海辺のシーンとか、
雪がしんしんと降る中とか、
クリスマスイヴとか、
桜のシーンとか。

いつもいつも同じことをすれば作風だし、
様々なシーンに挑戦してもよい。
たとえば、
「始まりはいつも雨」というだけで、
それはロマンチックになる。


ただの昼間のただのドラマばかり書いてないで、
そういう効果を使うと、
彩りが増えるというものだ。
どちらかというとガワのことだけど、
それはロマンチックと関係があると思う。
posted by おおおかとしひこ at 11:23| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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