2019年01月10日

【薙刀式】しわ寄せの音

有限個のキーの中に有限個の音を並べる、
配列作りとはすなわち、組み合わせ最適化問題だ。
数学的な定式化が難しい(コンピュータで解けない)のは、
評価するべき定式が出来ていないからに他ならない。
だから手で評価するしかなく、
暗中模索をしていくしか、方法論はない。

で、
有限個の組み合わせなので、
優先されるべき音と、
それらを優先したがために、
優先度を落とされて不遇になる、
しわ寄せを受ける音がある。


薙刀式では、「せ」がそれに当たる。

(以下出現頻度のデータは、
141F氏の10万字サンプルを使用)

「せ」は出現頻度が0.7%、
「ぜ」の0.3%と合わせて1.0%、
超マイナーではないがマイナー音で、
濁音を含めれば「け」と大体同じ(1.2%)ランクだ。


「け」は単打側だけど、
「せ」は現在シフト側に落としている。

両方単打側になるのが理想なのだが、
色々なしわ寄せで、
どっちかをシフトに落とさないといけない。
で、今のところ「せ」がシフト側にいる。

昔は「/」位置の単打だった。
しかし「全然」(F/同時→,→F/同時→,)が苦しくて、
動かす必要が出てきた。

ここから放浪の旅が始まった。

「せ」の繋がりが多いのは、
「せん」「せい」「ぜん」「せき」あたりだ。
他にも「せる」「せて」なんかの繋ぎも重視する。
「い」「ん」「る」が右手のため、左手側を検討する。

このころ、
左手薬指の頻度を下げようとして、
中段の「れ」(1.3%)を動かすことを考えていた。
/位置の「せ」と交換することになる。

しかし半濁音小書き同時押しキーを、
薬指から人差し指に移したしわ寄せから、
「せ」をシフトに降格することになる。
頻度的にはいいところかなあと思っていた。

色々あって左手薬指中段(S)のシフト側に来ていたが、
さらに左手薬指の頻度を下げようと、
動かすことを検討し始める。

Uのシフトの「さ」の位置と交換、
Pの単打の「へ」と交換を試した。


しかし、前者は頻度的にはほぼ変わらず、
「全然」が「FU同時押し→,→FU同時押し→,」
となり、段越え気味になり微妙。

後者は、単打になるのは歓迎だが、
P小指は無理なので薬指で打ったところ、
右手を回転して打たなければならなくなり、
尺側手根屈筋が痛くなり始める。

単打側ゆえ、素早い打鍵が要求されたのも良くない原因かも。
シフト側だと、「まあ遅くてもしょうがない」と諦めがつくが、
「単打なんだから最速で打てよ」
というプレッシャーがあり、
それは1.2%頻度でPは、僕には無理ということか。

これも「全然」(FP同時押し→,→FP同時押し→,)が、
微妙だし。


で、元に戻ってくることになる。
ちなみに「全然」は「SJ同時押し→,→SJ同時押し→,」と、
比較的打ちやすい。


他を検討しようにも、
しわ寄せがたくさんあり、
「せ」はこれ以上良くならないかもしれない。
音の優先順位を変えれば良化するだろうが、
たとえば「け」をシフトにして「せ」を上げることを検討しても、
今度は「け」に不満が集中するだろうなあ、
と予測される。


こんな風にして、
マイナー音はマイナー場所を転々としては、
イマイチの評価を受け続ける宿命にある。

メジャー音の配置はメジャーな運指の美味しい所を頂くから、
マイナー音は割りを食うわけだ。
まるで少数民族の流浪のようだ。
イスラエルの民は、こんな気分だろうか。

有限個整数組み合わせ問題のしょうがない部分だが。


徹底的にマイナーな音、たとえば「ヴ」を、
徹底的にマイナーな位置「Q」に置くのは、
誰もが納得できる選択だとは思うけど、
微妙な音をどう微妙な運指に持ってくるのかが、
実のところ配列製作の、
殆どの調整期間を占めるのかもしれない。

薙刀式はメジャー音から設計して、
「あとは適当」というやり方で始めてしまったので、
その部分にこれだけ時間がかかるとは思わなかった。

「マイナー音なんだから運指が微妙でも我慢しろよ」
と、
「とはいえこの言葉が打ちにくいのは嫌だ」
とのせめぎ合いが、
ずっと続いている感じ。


実は先にマイナー音を決めてから、
メジャー音を置いた方が、
設計の段取りとしては良かったのかも、
と今は考えている。
次の配列を作るときはやってみたい。(やるのかは不明)


とにかく僕は左手薬指がダメらしい。
「せ」「へ」交換の時は左手薬指は喜んだが、
右手薬指が悲鳴をあげそうになった。

ベストの位置を求めて、
まだ探索することになるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 09:10| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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