2019年01月16日

キャラクターを生かしたストーリーの作り方

キャラがストーリーに先行してあることは、
とても良くあることだ。

キャラを思いついたが、ストーリーが思いつかないとか、
既存のキャラを使いまわしたいとか、
原作もののアナザーシナリオを書かないといけない場合とかだ。

そういうときに使える方法論。


1 事件が起こる。
2 そのキャラがそれを解決しないといけないようにする
  (どうしてもそれをしないといけない事情をうまくつくれ)。
3 そのキャラの長所で解決の半ばまで進め。
4 途中で挫折させろ。
5 そのキャラの弱点を克服しない限り、前に進めないようにせよ。
6 弱点克服が、事件の解決に繋がるようにせよ。
7 そのキャラは、そのことで成長したことになる。

これがテンプレだ。
これに合わせてつくるだけで、
うまくできるだろう。

これに当てはめる為には、
その魅力的なキャラに、長所と弱点が必ず設定されていなければならない。

しかも、今回のストーリーを通じて、
弱点が克服されてしまうため、
次回以降この弱点は使えなくなってしまうことに注意。
つまり、
このストーリーの前後で、
キャラクターは変化してしまうことになる。

あまりにも成長して変わりすぎると、
そのキャラでなくなってしまうから、
「そのストーリー内で決着をつける程度の弱点」
をそれ用に設定することが、
現実的によく使われる手だ。

シリーズものなどでは、
「そのストーリーだけで使われる弱点」
が設定されることが多い。

「ルパン三世カリオストロの城」では、
ルパンは若い頃ゴート札で失敗したことに設定されている。
「クリード2」では、
ロッキーは、息子とずっと会っていないことを設定されている。

それがそのキャラにとって不自然でなければ、
この弱点を長所でカバーしながら生きている、
という序盤を描いて設定していく。


このテンプレを使う為には、
少なくともそのキャラクターに、
長所と弱点がなければならない。

長所のないキャラには魅力がないので、そもそも駄目だし、
短所のない人間には魅力がないため、それもそもそも魅力がない。

しかも、根本的欠点を今回のストーリーで克服するのか、
それともこのストーリーだけで通用する弱点を設定して、
根本的な弱点克服は他に置いておくのかは、
あなたが決めなければならない。

ちなみに、浅い欠点をちょろっと治せば済むような話は、
底が浅くて詰まらない。
人間の深みに触れるには、
根の深い話を創作する必要がある。


さて。

そこまで決めたら、
あとはそのキャラの長所が生きる事件で、
かつそのキャラの弱点克服が解決のカギになるような、
事件解決ものを考え出せばよい。

もちろんそれが一番難しいが、
それが必要条件である、
ということである。


キャラありきで、
ストーリーが出ない人、
ためしてはいかがであろうか。


そもそもストーリーが出ない人は、
キャラクターなしでストーリーだけ作ってみよう。

面白そうな事件と、あっという解決をかんがえよう。

その途中で、
〇〇が得意な人がここを突破して活躍する場面と、
××を克服しないと次へいけない、最重要ポイントを、
事件解決のストーラインの中につくろう。

あとはその、
〇〇という長所と××という弱点を持ったキャラを創造できれば、
ストーリー合わせで同じものを作ったことになるよ。
(それが魅力的かどうかは、あなたの才能次第)



逆にいうと、
こんな基本すら守ってない脚本は、
キャラが魅力的だとしても、
ストーリーとして詰まらない
(そのストーリーとそのキャラが、乖離している。
そのキャラでそのストーリーである必然性がない)
ということだ。

ストーリー先行なら、
それに合うキャラクターを作れるから、
あまり困ることはないだろうが、
キャラ先行の場合、
このような、針の穴を縫う条件を満たす、
面白いストーリーを作らなければならない、
ということである。

勿論、後者の方が難しくて、
だから、
原作モノありきの脚本とかシリーズ続編は、
大抵詰まらないのだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:31| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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