2019年01月17日

つくりこみ

ストーリーを作り込むということは、
どういうことだろうか。

僕は、オリジナルな構造のことだと思う。


新しい世界を作り込むだけではだめだ。
そこでの冒険譚が、
「父を探す」などの、
どこかで聞いたようなストーリーでは、
ぺらぺらの感覚しか残らないだろう。

ストーリーを作り込むというのは、
「シチュエーションがオリジナル」で、
「目的がオリジナル」で、
「その実現方法もオリジナル」
であることではないかと思う。

そうすると、
予測のできないものになる。
類推が効かないからだ。

その上で、
ミスリードとどんでん返しのペアなど仕込めば、
(一つだけでもいいし、複数あってもよい)
比較的作り込んだストーリーになると思う。


問題は、
面白げな最初のオリジナルなシチュエーションと、
面白げな最初のオリジナルな目的を作ることだろう。
この最初の発火点がないと、
面白いオリジナルな発端にならない。
もちろん、
その後の展開においても、
生半なものにならないのが理想だ。

しかしただ突飛なだけでなく、
よくねられたものであるべきで、
安易に逆張りしているとそうはならない。

作り込むとは、
全てを把握しきった時に、
「なるほどよくできている」
と感心するものであるべきだ。

ここまでのものを作るには、
スクラップアンドビルドを細かく繰り返すか、
天啓のような閃きで一気に作るしかなく、
中途半端な工数のものでは、
どっちつかずになるだろうね。


で、一度天啓で作ったとしても、
結局はガウディのように、
延々工事することになるかもしれない。

作り込むとは、
「作者の意思が隅々まで届いていること」
かもしれない。
作者が阿呆だと、何もケアしてないのだろう。
根気と賢さの両方が必要なものだ。
posted by おおおかとしひこ at 13:38| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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