2019年01月20日

ロシアのバレエ

ロシアでは、バレエの後継者が減っていることが問題になっているそうだ。


ロシアのバレエといえば、バレエでも一流の一角をなす伝統がある。
伝統的によいとされてきたものが、
現在ロシアの若者に、
そんなに魅力的に映っていないらしい。

それは時代による価値観の変化と考えるか、
文化が侵略されたからだと考えるか、
人によって異なるだろう。

価値観の変化を肯定的に捉える人、
過去の因習を嫌い、新時代に希望を持つ人は、
それで滅んでも時代だと考えるかもしれない。

一方、
身体運動は記録しても再現出来ないから、
ここまで人が到達した文化は継承すべき、
と考える人は後者だろう。

むずかしい問題だ。
バレエは好きかも知れないが、
そんなに好きじゃない場合、
どっちにつくべきか、わからなくなる。

しかし、伝統文化は、だいたいがそうだが、
ものすごい努力と、ものすごい維持費がかかる。
当時は最先端だから客がすごい金を落として維持できた。
人気がなくなって、
最先端でなくなったとき、「そうまでして維持するべきか」
という議論が出てくるわけだ。

これは、バレエの話をしながら、
映画の話をしようとしている。


日本の映画はかつて最先端だった。
テレビがそれを追い越した。
テレビ業界が映画をつくりはじめた2000年代、
一瞬邦画が復活したようになった。
しかし、ドラマの延長でしかなく、
オリジナルはことごとく駄目だった。
ネットができて、
テレビは凋落した。
そのネットですら、最先端だともはやいえるだろうか。


さて。
映画づくりには膨大な金がかかる。
それだけではなく、職人を育て上げるのに、
膨大な時間と生活保障賃金が必要だ。
彼らはそれ以外で生計を立てるべきではない。
他の仕事をやればやるほど、成長が遅れる。
その渦が、そろそろ維持できなくなりかかっている。
コストダウンの波が、もう底を割っている。

ロシアのバレエと同じだ。
どうする?


たとえば、タカラヅカは、
あれだけのスペックを誇り、あれだけのファンがいながら、
赤字部門だそうだ。

しかし東宝は、決してそれを恥と思っていない。
タカラヅカを維持するために、
映画をつくり資金源とした。
映画もタカラヅカのようになってきたから、
不動産に手を出した。
東宝は、不動産王が、
赤字である映画とタカラヅカに資金提供する会社である。

松竹も歌舞伎を維持するために、
同様の事をやっている。
歌舞伎自体は赤字じゃないかもしれない。
そこの決算はしらない。

あるいは出版社も、
小説部門を維持するために、
漫画部門で儲けを出している。


さあ。
バレエ団はどうするべきか?
そこまでして守った、
芯の部分がしっかりしていれば、
それは志がある経営戦略だとほめられるだろう。
だが芯が腐ってきたら、
どうしようか。

東宝の映画は、年々レベルが下がってきている気がする。
日本の一人勝ちの映画会社として、
ここが倒れると邦画全体がやばい。
いや、やばいといっても、
もう邦画をみている人はほとんどいないから、
危機感がリアルじゃないかもね。


こういうときフランスならば、
文化保護政策があるから、国が資金を提供して守る場合がある。
日本は、歌舞伎までは守るだろうが、
タカラヅカや邦画までは守らないだろう。


時代は変化する。それは当たり前だ。
変化しても価値のあるものを守り続けるべきか、
いや、捨ててしまえなのか。

日本映画は、ロシアのバレエを笑えない。
だって最近のもの、
そもそもがレベル低いやんけ。
シナリオも稚拙だし、予算も低いし。


僕は映画監督になりたくて上京したが、
僕の好きな映画はハリウッド映画ばかりで、
日本映画はそんなに好きじゃなかったと、
最近つくづく思う。
岩井俊二や一部の監督が好きだっただけだ。
キューブリックやラッセ・ハルストレムのような映画を東京で撮りたかったが、
なかなかそうもいかないものだ。

ロシアのバレエはどうなるだろう。
とても気になっている。
posted by おおおかとしひこ at 18:26| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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