2019年01月22日

【薙刀式】サイトメソッドとブラインドタッチ

これらは似ているようで全く違うものだ。
目で見るサイトメソッドは、
何と何が隣り合っているか、一目瞭然である。
しかし指で記憶するブラインドタッチ
(フィンガータイピングとでも改称した方が良いと思う)は、
何と何が隣り合っているかを判別しない。


たとえば、
昨日気付いたのだが、
XとC、左薬指下段と左中指下段は、
隣同士である。

そんなの目で見てれば一発だ。
カットとコピーが隣同士にあるのも、
コピーとペーストが隣同士にあるのも、
目で見て決めたからだろう。

ところが指基準では、
隣同士であることに、
この二年気付いていなかった。

XCは打ちにくいキーであるため、
頻度少なめの音を置いていて、
さらにそれらが連接することはレアだった。
そのレア連接が二年経ってはじめて打たれたのだ。

ちなみにその連接は、
現在のバージョンで「けほ」であり、
「けほけほ」(可愛い咳のさま)で気付いた。
あれ、ここアルペジオやんと。

自作配列はちょいちょい変わるから、
常に一定の音が置かれていたわけではないが、
XCをアルペジオとして打ったのは、
昨日が初めてだった。


目で見て明らかなことと、
指で打って明らかなことは違う。

指で連接していく感覚は目にも留まらぬ流れになるが、
これを目で追っていくのは困難だ。
打鍵動画の指を一つ一つ目で追って確認することは、
全く難しいだろう。
スローにして初めて目で追える。

つまり、
目の感覚は静的(写真的)で、
指の感覚は動的(順序的)だ。

脳の記憶の仕方には二種類あり、
前者を宣言記憶、後者を手続き記憶という。
宣言記憶は並べ替え可能だが、
手続き記憶は一個飛ばしや逆順に対応できない。

そのかわり、手続き記憶は自動化され、
脳を介さずにできるようになる。
たとえば、自宅から駅までの道は、
最初は地図を見て宣言記憶で記憶されるが、
慣れてくると手続き記憶になる。
無意識で駅まで行くようになるわけだ。

逆に、この店とこのマンションが、
何かを挟んで対称の位置にあるとかは、
手続き記憶では判断できない。
宣言記憶の一覧性で確認する、
つまり地図を広げる必要性がある。


さて、ようやく本題。

とっつきやすいから、
カナを行ごとにまとめることに、
意味があるだろうか?
ということ。

サイトメソッドで使うならば、
意味があると思う。

JISカナやQwertyは、サイトメソッド前提で作られた。
それゆえ手続き記憶であるブラインドタッチに、
弱いと思う。
(設計当初はブラインドタッチを全ての人が使えるとは思われず、
ごく一部の専門オペレーターの技能だと思われていた。
タイピストという職業があったしね)

で、
キーボードってブラインドタッチで使わないと、
利得が少ない気がする。
サイトメソッド前提だと、フリックの方が合理的だと思う。
予測変換を見続けることも含めて、
視線移動が最小になっているのも素晴らしい。
(ちなみにこの記事は電車の中でフリックで書いている)

あるいは、行段系ローマ字のほうが、
サイトメソッドに向いてると思う。
目で見て探すには、カナの数は多すぎると思う。
せいぜい3〜5までが、
一度に認識できる範囲だろう。

たとえば、
New Stickny配列というカナ配列がある。
同じ行をなるべく固めて、
視認しやすく探しやすく、
しかも打鍵効率を考えてあるという。
サイトメソッドならアリだと思う。
しかし、同じサイトメソッドなら、
フリック入力とタブレットでいいんじゃないか。

キーボードをフリック以上にするのは、
ブラインドタッチでの速度だ。
駅まで地図を見て行くのではなく、
無意識で行くようにして、
考え事に集中することができるのだ。

フリックですら、
慣れたらブラインドタッチは出来る。
実際僕はちゃんとキーを見ずに、
大体の位置で打っている。
視野の端で、ピントを合わせずに3×4のキーボードを見ている程度。

しかし速度はキーボード(薙刀式)ほどには出ない。
予測変換の下駄を履いていてもだ。



最近、
新さざんか配列なる、
行ごとにまとめた配列を発見した。
New Sticknyの影響を受けているのだそう。
なるほど、サイトメソッドでは便利そうだ。
でもフリックから乗り換える理由もないなあ、
なんて思って眺めていた。

そもそも配列図を見て配列を判断するのは、
間違った見方だ。
触ってみてなんぼだ。
あいうえお順でないことで、
ある程度頻度に配慮してあることは分かるが、
それ以上は触ってみないとわからない。



ブラインドタッチベースのことを、
サイトメソッドである配列図で議論するのは、
隔靴掻痒の感がある。
とはいえ、配列図でしかネットに乗りづらい。
動画をみんな気軽に撮ってアップすれば、
なんて思うのだが、
打鍵動画は難易度が高いしなあ。

(常時告知してますが、交通費のみで打鍵動画作りますよ!
特に僕がよく言及する、
飛鳥、新下駄、月、新JIS、蜂蜜小梅、親指シフトなんかを、
生で見たいのだ!)


ブラインドタッチそのものに、
現行の斜めに傾いたキーボードは良くないと思っていて、
とりあえず格子配列キーボードの自作に乗り出そうと考えている。

手続き記憶は、無意識化するには習慣化することが必要だ。
そして、引っ越せばまた別のルートを自動化できるように、
習慣を変えれば書き換えることも可能だ。

その感覚を、サイトメソッドと比較しながら、
両者の共通言語で語れるといいなあと思う。
posted by おおおかとしひこ at 10:21| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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