インド映画。
ハリウッド映画の「アイアムサム」を翻案したもの。
単純に口コミで見始めたのだが、
途中で「アイアムサム」に似てるなーと思い始め、
裁判所の廊下の数段の階段で転ぶところで、
思わず再生を止めて調べてしまった。
公式に翻案してるそうな。
ということは、
これは「同じ設定の異なる物語」
として楽しむことになる。
結論から言うと、
インドならではの、人のあったかい感じがよく出ている映画になっている、
と感じた。
両方を比較することも脚本の勉強になるので、
この名作二本を是非比較してほしい。
自分だったらどうするだろう?と考えるのも良い。
以下ネタバレ。
大きな構成が、こちらのほうが巧みだと感じた。
インド映画特有の長さにもあっている。
最初は変人コメディからはじめ、
ひと騒動あってから、
長い長い回想をはさみ、
たっぷり感情移入させたうえで、
現在に戻ってくる。
トップシーンの意味がわかったところで、
「私たちは、娘を取り戻さなければならない」と、
センタークエスチョンを示してインターミッション。
この前半戦の構成が巧みであった。
父娘の交流が、
元のものよりたっぷり描かれていて、
インド特有の感情もろだしの感じがよかった。
お話をつくるところもとても良くて、
ここはインドオリジナルだろうなあと。
IQテストの医者の買収のところが最高で、
これも多分オリジナルだよね。
裁判劇自体は大して面白くないからか、
色々な工夫をしてはいたが、
やや中弛み感があったかな。
しかしラストが凄かった。
ハリウッド版もそうだったっけ。
近くに暮らすみたいなオチだったような気がするが、
あんな田舎に引っ込んでしまっては、
二度と会えないではないか、
と心配してしまう。
しかし、「月経由で話をする」と言う伏線を巧みに使った、
月バックの後ろ姿に、
なんだか希望を暗示させて、
それがすごくよかったなあ。
設定は同じ。
キャラクターも事件(祖父による親権裁判)も同じ。
サブや構成が大きく異なる。
この二本を比較して論じるのもなかなか一興だ。
表にして比べると発見があるだろう。
僕は、インド人特有のアホさや明るさや暖かさが、
この映画の救いになっていたと思う。
いつかタミル地方に観光にいきたい。
2019年01月27日
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