2019年02月02日

まず面白い話が優先

脚本を勉強しようとする人が、
「まず構成を学びなさい」なんて言われることはよくある。
それは、本当は間違ってるのではないか。


脚本を勉強する人は、
何から始めるべきか。

僕は、脚本とそうじゃないものを分離して、
「面白いストーリー」だけを抽出することから、
始めるといいと思う。

それには、あらすじを自分で書くのが一番かもだ。

面白い映画を見たら、
そのあらすじをA4一枚くらいで書いてみよう。

800字から1200字くらいかな。

オーバーしてもいいから、とにかく落ちまで書くこと。

で、
その映画の何に惹かれたのか、
何が魅力的だったのか、
列挙して見ることだ。

その列挙が、
あらすじの中に入っていない要素だとしたら、
あなたの惹かれた面白さは、
脚本に入っていないということになる。

言葉遣いはギリギリ脚本要素だけど、
それはあらすじではない。
脚本はまずあらすじをきちんと作ることが、
9割の仕事だからである。


面白い映画のあらすじを、
一年くらいかけて100本くらい作ろう。
最初に目標の数を決めるといい。
面白いに限定せず、つまらない映画を含んでもいい。

そうすると、
面白いストーリーと、つまらないストーリーが、
あらすじを見ただけでわかるようになってくる。
(それが的確にかけていれば)


そこまで出来ていれば、
オリジナルのストーリーは自然と出来てくる。
そこで湧いてこない人は、才能がないか、
数稽古が足りないので、もう100本やるといい。

で、オリジナルのストーリーが浮かんだら、
そのあらすじを書きなさい。

その一本に限定しないこと。
できれば10本、100本、
あらすじを書きなさい。

短くても長くてもいい。

そのあらすじは、面白い映画のあらすじとくらべて、
遜色ないくらいに面白いだろうか?

分からないならば、
短いやつを書いてみるとよい。
5分とか15分の脚本だ。
初手から2時間の脚本を書くと挫折するので、
まずはバットを短く持って振ってみる。

これも10本から100本くらい書くといい。
1本しか書いたことない奴は大抵挫折する。
「ストーリー作り慣れ」をするべきだ。


で、
「いかようにしても面白い話が書ける」
と思った時に、
ようやく構成を学べばいい。


構成理論を学んだら脚本が書ける、
というのは、構成理論側のこしらえた幻想だ。
事実、面白い話はじゃんじゃん生まれていないではないか。

面白い話が生まれるためには、
構成をつくるのではなく、
面白い話をつくらなければならない。

それは、おおむね、あらすじで書くことができる。


僕は数稽古を重視している。
どうとでもなるように数をやることは、
後々の柔軟な対応力と関係する。
一生に一回しか思いつけないノーベル賞より、
毎日面白いアイデアが湧いてくる、
泉のようにあなたはなるべきだ。
前者だとデビューして終わりになる。
あなたはプロとして、一生面白い話を作り続けなければならないのだ。


まず面白い話をつくりなさい。
技術は、そのコアの周りのガワでしかない。
posted by おおおかとしひこ at 16:06| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。