脚本を勉強しようとする人が、
「まず構成を学びなさい」なんて言われることはよくある。
それは、本当は間違ってるのではないか。
脚本を勉強する人は、
何から始めるべきか。
僕は、脚本とそうじゃないものを分離して、
「面白いストーリー」だけを抽出することから、
始めるといいと思う。
それには、あらすじを自分で書くのが一番かもだ。
面白い映画を見たら、
そのあらすじをA4一枚くらいで書いてみよう。
800字から1200字くらいかな。
オーバーしてもいいから、とにかく落ちまで書くこと。
で、
その映画の何に惹かれたのか、
何が魅力的だったのか、
列挙して見ることだ。
その列挙が、
あらすじの中に入っていない要素だとしたら、
あなたの惹かれた面白さは、
脚本に入っていないということになる。
言葉遣いはギリギリ脚本要素だけど、
それはあらすじではない。
脚本はまずあらすじをきちんと作ることが、
9割の仕事だからである。
面白い映画のあらすじを、
一年くらいかけて100本くらい作ろう。
最初に目標の数を決めるといい。
面白いに限定せず、つまらない映画を含んでもいい。
そうすると、
面白いストーリーと、つまらないストーリーが、
あらすじを見ただけでわかるようになってくる。
(それが的確にかけていれば)
そこまで出来ていれば、
オリジナルのストーリーは自然と出来てくる。
そこで湧いてこない人は、才能がないか、
数稽古が足りないので、もう100本やるといい。
で、オリジナルのストーリーが浮かんだら、
そのあらすじを書きなさい。
その一本に限定しないこと。
できれば10本、100本、
あらすじを書きなさい。
短くても長くてもいい。
そのあらすじは、面白い映画のあらすじとくらべて、
遜色ないくらいに面白いだろうか?
分からないならば、
短いやつを書いてみるとよい。
5分とか15分の脚本だ。
初手から2時間の脚本を書くと挫折するので、
まずはバットを短く持って振ってみる。
これも10本から100本くらい書くといい。
1本しか書いたことない奴は大抵挫折する。
「ストーリー作り慣れ」をするべきだ。
で、
「いかようにしても面白い話が書ける」
と思った時に、
ようやく構成を学べばいい。
構成理論を学んだら脚本が書ける、
というのは、構成理論側のこしらえた幻想だ。
事実、面白い話はじゃんじゃん生まれていないではないか。
面白い話が生まれるためには、
構成をつくるのではなく、
面白い話をつくらなければならない。
それは、おおむね、あらすじで書くことができる。
僕は数稽古を重視している。
どうとでもなるように数をやることは、
後々の柔軟な対応力と関係する。
一生に一回しか思いつけないノーベル賞より、
毎日面白いアイデアが湧いてくる、
泉のようにあなたはなるべきだ。
前者だとデビューして終わりになる。
あなたはプロとして、一生面白い話を作り続けなければならないのだ。
まず面白い話をつくりなさい。
技術は、そのコアの周りのガワでしかない。
2019年02月02日
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