経験者はたくさんいると思うけど、
何かの配列をはじめて、
元の配列(たとえばQwertyローマ字)に戻ってくると、
それがうまく打てるようになっている現象がある。
推測するに、
新しい指の回路が出来ていて、
それが、今までの配列の苦手だった運指を補完するからではないか。
たとえば、
QwertyではZXCVあたりはほとんど使わないが、
多くのカナ配列では、頻度は低いものの、
そこらへんを利用していることが多い。
(ていうか、使わないとカナがたりない)
苦手だなあなんて思いながらも打っていて、
まあまあ慣れた頃、
久しぶりにQwertyをやると、
そのあたりが打てるようになっていることが多い。
それだけではない。
なぜかわからないが、以前に比べて、
すべてのキーが粒だっているように感じられるときがある。
前にくらべて、文字の一つ一つがはっきりわかる感覚というか。
なぜだろう。
バイクに乗ったあとに車に乗ると、
そういう感覚になるのだろうか。
野球をやる人が、
トレーニングとしてサッカーやバスケをやる、というような方法論だろうか。
僕はいまだにQwertyローマ字はブラインドタッチできないが、
朝一で触るより、
薙刀式である程度書いたあとにQwertyを触ると、
ある程度ブラインドタッチできる、
という経験をなんどもしている。
これを繰り返していると、おそらくQwertyをマスターしてしまうのかも、
などと期待するが、
途中で面倒になってくるのでマスターには至っていない。
薙刀式をやっている途中で、
新下駄や飛鳥を試用してみたが、
そこそこやって薙刀式に戻ってきたときも、
薙刀式の運指がよくなることがあった。
クロストレーニングというそうだ。
「その運動だけで鍛えられない回路を、
別の運動でつくる」と、
そういう現象があるらしい。
配列のクロストレーニングというと、
スパルタに過ぎるような気がするが(笑)、
複数の配列使いの人はその感覚がわかるかと思われる。
人間の体は、ロボットと違って、
いろいろな運動をマスターして、
ほかのものにも応用することが出来る。
同じ運動をやるにも、複数のやり方を無意識に選択して、
同じ部分を使い続ける疲労を軽減していることもある。
その意味で、複数の運動を色々出来るようになっておくと、
ひとつの運動をするにも、
微妙にバラエティーが出来るのだろう。
それが、目的の運動を楽に速くすることに貢献していると考えられる。
(とくに前腕の筋肉の多さは、解剖図を見ても明らかだ。
ある動きをするのに沢山の筋肉を使い、
同じ筋肉をほかのうごきでも使ったりする)
タイピングは、それに慣れれば慣れるほど、
ただの「キーを押して離す」ではなく、
「一連の運動制御」の感覚が強くなってくると思う。
デジタル的なオンオフではなく、
一連の運動として考えると、
スポーツのトレーニング理論は役に立つこともある。
休む日をつくって超回復とか、
タイピングにも当てはまることがある。
2019年02月02日
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