自作キーボードをはじめてやりました。
初電子工作、初半田付け、初の大掛かりなインストール作業。
ズブの初心者というものは、
何がわからないかわかりません。
以下、ぼくのわからなかったことを列挙します。
・半田付けって何をすることなの?
・半田付けのOKライン
・電気回路:ダイオード、ショート、ブリッジの意味がわからない
・プログラミング:msys2、git、GitHub、リポジトリ、
ビルド、クローン、CUI、Discordってなに?
自作キーボードの諸兄方におかれましては、
これがわからない人がいる、
ということをご理解いただくと幸いです。
今全部わかったわけでもなく、
動いてるからいいや、の状態です。(危険かも)
自作キーボードに手を出した背景:
僕はエンジニアではない。
大学の専門は人工知能で、
研究内容は知能のことがメインで、
多少の実装をUNIX上でcで組んだくらい。
しかし20年以上前なので、なにも覚えていない。
だが工学部出身だから、理系なので、
高校物理程度はわかる。
しかし進学校だったので、
半田付けなどのハードのことはひとつも分からないし、
やったことも、見たこともない。
肉眼で半田づけをみたのは、遊舎工房がはじめて。
いまは映像系と脚本の仕事をしている。
Macメインで、Adobeの映像ソフトをメインに使う。
脚本、小説、ブログなどの文字書き用にWinを導入。
タブレットのSurfaceを買い、hhkbで執筆。
文字の配列には前々から疑問があり、
DvorakJで、自作ローマ字配列カタナ式、自作カナ配列薙刀式を使用。
そのうちhhkbの45g押下圧を重く感じ、
35gのNiZ Plum 75をアマゾンで買い、
35gガテロンクリアの40%のマジックフォースを、
アメリカからアマゾンで取り寄せた。
このために、人生初のクレジットカードまで作った。
キーキャップなどをAliExpressで買い始める。
しかし35gも重く感じはじめ、
遊舎工房で20gのバネがあることを知る。
20gの自作キーボードを使って文字入力したい。
で、
自作キーボードを理解するために、
ひととおりのパーツのあるmeishiを購入。
ガテロン静音赤軸のバネを20gに換装し、
meishiを作るのがまず最初に越えるべきハードルと設定した。
僕の分からなかったことを、
以下自分なりの理解で書く。
・半田付けって何をすることなの?
電気回路は、電気の通るパーツを組み合わせる。
それらを銅線で繋げば基本的には回路になる。
その銅線の溶接が半田付け。
AとBを別の金属Cで溶接するわけだ。
基盤にはすでに銅線が張り巡らされてあって、
溶接箇所(ランド)とレイアウトがすでに配置されている。
接点だけ溶接すればいい、というのが半田付け。
原理上、銅線で全部繋いでもいい。
空中配線とよばれるのがそれ。
もちろん、回路図を理解しないと空中配線は困難だろう。
僕は回路図を読めないので、
プラモのパーツを接着材でくっつけるように、
組み立てガイドを見ながら半田付けするのみだ。
・半田付けのOKライン
何がOKで何がNGか分からない。
あとで再びここに戻ってくることにする。
そこに至る経緯。
昨年の忘年キーに出席し、
「いい道具を揃えれば大丈夫(金でショートカットする)」
という大人の意見を参考に道具を揃える。
ちなみに秋葉原のどこに行けば揃うのかわからないので、
アマゾンで買うと一発で揃わないのが嫌だし、
それでほんとにあってるのか分からないので、
目の前で比較検討できる、
東急ハンズ渋谷店のDYIコーナーへいく。
1万6000円程度で揃えた。
買ったもの:
はんだごて(白光FX600)温度調節機能つき。
こて台 耐熱スポンジつきのやつ
はんだ(フラックスとセットになってるやつ)
小ニッパー
ピンセット
サードハンド(金属の洗濯バサミで空中に固定してくれるやつ。
はんだづけは両手がふさがるので超便利!)
テスター(導通確認用)
マスキングテープ(仮止め用。遊びがフラフラするとはんだづけが出来ない)
半田吸い取り線
エポキシ樹脂接着剤(もげマイクロ対策)
カッターマット(作業台)
工具箱(これらのものを整理する用の、仕切りのついたやつ)
家にあったもの:
ハサミとドライバーくらいかな。
家に画材はたくさんあるけど、
工作用具はノコギリとキリとヤスリくらいしかない。
なので、とりあえず全部買う。
ほかに買えば良かったかも:
ルーペ。
手元、細かすぎ!
はんだづけの基本は、
https://www.murata.com/ja-jp/campaign/ads/japan/elekids/ele/craft/knack/soldering
が役に立った。
あとyoutubeで「ダイオード 半田付け」などで検索すれば、
わかりやすい動画が出てくる。
当たり前だけど、
320度の鉄の塊を持っている自覚をしないとつらい。
絵を描いてるときの癖で、
左手で筆先を整えようとして、ヤベェってなったよ。
はんだの鉛を溶かしているときも、
短すぎると左手に熱が伝わってきて、ヤベェってなる。
あと、ニッパーで切ったり微妙なゴミが出るので、
小さいゴミ箱は是非あったほうがよいね。
こんなことすら分からずに、
暗中模索ですすめたわけだ。
肝心の半田付けのOK/NGラインだが、
結果から言うとファームウェアを書き込んだ後にようやくわかった。
あとにかく。
・電気回路:ダイオード、ショート、ブリッジの意味がわからない
プロマイクロの細かい足を半田付けするとき、
隣同士をくっつけたらあかんのは、
なんとなくわかる。
しかしそれ以上の電気的知識はない。
画像と現物を見比べることしかできないのはつらい。
だれかこういう基本的なことがやさしくわかる解説があったら、
おしえてください。
・プログラミング:msys2、git、GitHub、リポジトリ、
ビルド、クローン、CUI、Discordってなに?
全部知らない単語で、
これを全部まともに理解するには、
一週間じゃ足りないのだろう。
僕はエンジニアではなく脚本家だ。
ということで、
アドベントカレンダーの、
https://qiita.com/cactusman/items/ac41993d1682c6d8a12e
が大変役に立った。
なにをやってるのか分からないまま、
とにかくこの通りにすすめた。
しかし問題があって、
僕の家にはネットを引いてない。スタンドアローンの環境をつくるためだ。
なので会社の(遅い)Wi-Fiで、msys2をインストールする。
ここで事故。
インストール中、Surfaceのバッテリーが切れる事件が。
翌日再インストール。
qmkのfirmwareを展開して、
最終的にビルドできるまで4日かかりました。
実は最悪のタイミングでのインストールだったようで、
qmkのkeyboardのところに、
meishiがアップされていない状態でインストールを始めたらしく、
僕が手間取っている間にmeishiが含まれているようになったらしい。
どこ探してもmeishiのファームウェアないやん、
と作者氏のGitHub(GitHubってなに?リポジトリとかクローンってなに?)
を見つけるも、落とし方が分からない。
右クリックでダウンロード、というわけにはいかないらしい。
ええい最初のインストールからやり直してみよう、
と再インストールから始めたら、
qmkの中にmeishiが入っていたという。
こんなん、ど素人が対処できるかーい。
さらに、リセットボタンの使い方がわからない。
素早くダブルクリックらしいが、
意外にスイッチが硬くダブルクリックが遅い。
最初に書き込みがはじまるまで、
200から500連打したとおもう。
その間「................」と延々出るし、
抜け出し方もわからないし、不安しかない。
で、
無事ファームウェアを書き込めたのに、
キーを押しても反応がない。
ファームウェアが動いてないのか、
半田付けがうまくいっていないのか、
判別がつかない。
都合3回くらいファームウェアを書き込んだ。
リセットボタンは1000回以上ダブルクリックした。
ようやく半田付けの失敗を疑い始める。
SurfaceにUSBデバイスとして認識されたから、
うまくいったと思い込んでいたが、
認識されたのはプロマイクロの部分にすぎず、
電気回路全体ではない、
ということにようやく気づく。
で、USBケーブルをはずして、
初めてのテスターによる導通テスト。
片っ端から回路のパーツのインアウトをテストすればいいだろう、
とやってみる。
ダイオードが逆向きに電気を流さないことも確認する。
キースイッチの部分にテスターを触れさせ、
キーを押したら導通することも確認。
半田付けがうまくいってないところが二箇所見つかり、
追い半田。
ターミネーター2のT1000のような、
液体金属を錬成して結合させていく。
半田吸い取り線の使い方も理解する。
毛細管現象なんだね。
でも動かない。
で、基盤の銅線をたどって、
キースイッチはすべてプロマイクロの端っこに繋がっていることを発見。
そこにテスターを当てると、
足には来てるがランドには来てない。
ここの半田が足りなかったのか!
プロマイクロの半田付けは、
半田同士がくっつくのがこわくて、
少なめに半田を流し込んでいた。
一番大事な接点が、半田が足りていなかった。
そこに追い半田をし、
ようやく導通確認。
ずっと不安だったのは、
プロマイクロのLEDの赤ふたつが、
ついてる時と消えてる時があること。
グリーンはUSB経由で電気が来てる、
というランプだろうが、
赤が何を意味するのかわからない。
でも繋いだらコピペが出来たので、
分からないままなんとか行けた模様。
半田付けができてるかできてないかを、
初めての半田付けで判断できるわけがない。
失敗して、具合を理解するしかないよなあ。
テスター必要。
しかし、どことどこにどう電気が通るのか、
イメージしながら両極を当てないといけない。
最初は足に当てて導通チェックしていた。
それじゃダメで、足と半田とランドと全部チェックするべきと、
物理的に理解する。
ああ、自分は回路を触っているのだなあ、
ということを理解しながらやるしかない。
「富士山型が半田の正解といわれる」
ったって、何が富士山で何が富士山じゃないかは、
実際に自分でOK/NGを理解しないとわからない、
ということがわかりました。
これで晴れて、僕の自キデビューが終わった。
ずっと気になっていたミニマルの極致、
miniAxeにチャレンジします!注文した!
オール20gで、薙刀式を打つのだ!
そして同時にファームウェア書き換えにもチャレンジしなくては!
レイヤーが32個しかないとはかえうちと一緒やんけ!
たしかニコラが転がってたのを見たぞ!
半分以上理解できませんが、手に汗を握るような
緊張感は伝わってきました。
あとは20gのスイッチで薙刀式が実装できるのを楽しみにしてます。
しかし、自キの完成品の販売はないのだろうか。
組立済みのサービスを始めようとしてる人もいるみたいですが、
そこの人件費を除いての価格(総計1万台くらいか)ですからねえ。
プラモデルの組み立て販売サービスもあるけど、
組み立てるのだけが好きな人はあまりいなさそう。
10万出すので、とか個人交渉になるかもしれませんねえ。
遊舎工房で相談、ネットで探す、自キイベントに顔を出す、
などが選択肢としてありえます。
組立済みの自キを、
もういらないからとメルカリなどに出す人もいるかもです。
そうするとハード自体は手に入るので、
ファームウェアを書き込んで、
ということは出来そうですが。
結局自分の欲しいものを作るのは、オーダーメイドの世界になりますからね…
自キを見ていると、親指シフトに使えそうなキーボードがゴロゴロしているので、ついうらやましくなってしまいます。
カタナ式をコンパクトなキーボードで使う場合、やっていて肩凝りませんか? あの小ささは凄く魅力的です。スマホとこれがあればカフェで文章書きできますね。
あと、薙刀式でキーにBSのUとReturnのVMがあります。Uは打ちやすいが、頻繁に使うVMはどうしても見ないと打てません。カタナ式のようにHにあるととても便利なのになぁ。
たしかにカタナ式で5000字以上書くときは、
hhkb(当時)を使ってましたね。
コンパクト過ぎるとそういう問題も起こるかも。
そもそもローマ字では打鍵数に問題があると思って、
カナ配列に転向してからはそこを追求してないですね。
エンターは打ち方のスタイルで決まると考えます。
確定の代わりに次の文字を打つ
(次の文字入力で確定させる設定がIMEにあります)癖をつけて、
文節や単語ごとではなく一文単位で変換すると、
「。確定」があるのを含めて、ほとんど使わないようになります。
ひらがな無変換確定に使うようになる程度かな。
「。確定」をv11(調整中)で復活させたので、
あまり気にしなくなって来ました…
あとファームウェアですが、なかなか手強そうなので、
まずはデフォルト配列+ DvorakJ 、
Macではかえうち接続で対応しようと考えています。
薙刀式の特徴であるところの3キー同時押しを、
どうやって実現していいか…(誰もやってない)