組み立て難易度(特に半田付け)が高いことで知られるminiAxe。
しかし、
左右分割かつ左右対称(ぼくにとって生涯初)、
36キーというミニマルさ(30%キーボードだと親指がなくて不便)、
の圧倒的に美しいミニマムデザインの上で、
「20gバネを仕込んだ極軽キーボードで、薙刀式を使いたい」
というモチベーションのもと、
やってみることにした。
結論から言うと、親指シフト派閥、こっちに来た方がいいぞ!
「大人の財力で正しい道具を揃えて、
大人のたっぷりの時間を使え」が合言葉だ!
0から用意するもの:
3万円ぐらい(交通費別)
クレジットカード(海外決済に必要)
東急ハンズ渋谷店と秋葉原遊舎工房(関東以外は、ネットに頼る?)
連休
知らないことを調べる質問力(ネット、対人含めて)
モチベと根気と丁寧さ
0からの工程の俯瞰:
1 meishiを買う
2 キースイッチを買う
3 キーキャップを買う
4 工具を買いそろえる
5 meishiを組み立てる
6 ファームウェアのビルド環境を整える
7 ファームウェアを焼く(ここまで一通り)
8 miniAxeをBOOTHで買う
9 キースイッチとキーキャップを買う
10 miniAxeを半田付け、ファームウェアを焼く
まず初心者キットの4キーだけのmeishiでデビューしよう。
これで、半田付けとファームビルドの二大工程に慣れるのだ。
miniAxeは、それを踏み台にするとよいだろう。
事前に考えておくべきことは、
キースイッチとキーキャップをどんなものにするかだ。
キースイッチはMXチェリー、
その中国版のGateronから選ぶ。
(他にMX互換軸であれば何でも良い。
遊舎工房には駄菓子屋のように売っている)
meishiはMXの他に、
Kailhロープロファイルスイッチにも両対応しているが、
miniAxeはMX軸のみだ。(ロープロ用のLPが先日出た)
最も気にすべきは押下圧だろう。
僕はhhkbの45gから始まり、
一旦NiZの35gで落ち着いたが、
「スイッチを開けて中のバネを交換すると、20gまでは下げられる」
という情報を聞き、自作に踏み切った。
これならメカニカル方式といえど、
静電容量方式を上回るかもしれないからだ。
キースイッチを開けるMXキースイッチオープナーも、
遊舎工房で購入。
キースイッチには、
リニア、タクタイル、クリッキーの、
おおまかに3種類があるが、
たくさん文字を書く人はリニア一択だろう。
ということで、
僕はGateronの静音赤軸(45g)をベースに、
全て20gに交換することを目標にする。
遊舎工房にはスイッチの見本が触り放題なので、
納得いくまで触ることだ。
(「軸の本」なるオシャレ本には全データ調べがある)
次にキーキャップ。
僕は無刻印(blank)を強く勧める。
どうせキーマップをちょいちょい変えることになるからだ。
完成したら刻印ありのものにしても良いが、
その頃には試行錯誤してもう覚えてしまっているだろう。
DSAを除き、各キーは高さや傾きが、
上段中段下段で異なっている。
下手にキーマップを変更して段が変わってしまうと、
ボコボコのキーボードになってしまう。
だったら最初から無刻印DSAの方がスマートだ。
無刻印やデフォルトのキーキャップセットは、
遊舎工房でも買えるが、
海外(とくに中華)が充実している。
Ali Express、KBDfans、PimpMy Keyboard、
eBay、Amazon(USA)あたりが、
僕がよく使うサイトだ。
PBT keycap blank
などで検索すればたくさん出てくるだろう。
PBTはプラスチックの材料のこと。
ABSに比べて、テカらずしっとりしているので、
最近の流行はPBT。
次にプロファイル。
キーは横から見てカーブを描いているが、
そのカーブの度合いのこと。
このjpegがわかりやすいだろう。
OEM、Cherry(Aliでは桜表記も)が基本だけど、
左右分割系ではDSA(オールフラット)、
SA(ごつくて可愛い)、
MDA(みんな大好きBigBangのキーキャップセットがこれ)
などが多い印象。
海外通販という名の個人輸入は、
大体一週間から二週間待たされる。
自作キーボーダーは待つのに慣れているのだ。
ちなみにKailh Choco(ロープロファイル版)の、
キースイッチの無刻印は、白と黒の二種類しかない。
もっと充実するといいのに。
これがゆえに、ロープロに対応していないminiAxeでもいいか、
って思ってしまった。(完成当日、miniAxeロープロ対応版が出て、
こけた、という話は前に書いた)
ちなみにキーキャップを自作している人もいるので、
納得いかなかったらググってみよう。
僕が個人的に気になっているのは、
ウォールナットの木のキーキャップ。
それで原稿書いたら楽しそう。高いんだけどね。
お気に入りのスイッチとキーキャップを決めたら、
それでminiAxeを触るイメージをしてみよう。
紙の上に並べて触ってみるだけでもワクワクするぞ。
さあ、準備は整った。
まずはmeishiで、自作キーボードのイロハを吸収だ。
過去記事
http://oookaworks.seesaa.net/article/463971781.html
http://oookaworks.seesaa.net/article/463998438.html
http://oookaworks.seesaa.net/article/464045454.html
を参照されたい。
出来上がったのがこちら。
左2キーは45g、右2キーは20gに、
わざと変荷重にしてある。
どれくらい差があるものか、手で確かめるためだ。
キーキャップはPBTのDSA無刻印白。
一時期NiZにも装着していたやつ。
はじめての半田付けなので、とにかくボコボコだ。
いもはんだも多い。今見たらひどいので直したい。
でもこれでも動くのが、アナログ工作のすごさだと思い、
このかっこ悪い状態でアップする。
半田付けと、
msys2の環境整備、
これらの経験を積めたら、
いよいよminiAxeをポチろう。
遊舎工房のレンタルボックスには実物が展示してあるので、
店員さんに言えば触らせてくれる。
実際の大きさ、高さ、軽さ、軸の感触(GateronかMXの茶軸だったかと)、
などは触ってみないと分からない。
ネットの世界だけでは、触覚の世界は限界がある。
ということで、
次回、miniAxeの本格ビルド編に続く。
ちなみに、
僕が理解した「半田付けというものはこういうことだ」
を図にして示す。参考にされたい。
言葉で捉えるならば、
半田付けとは、
「冷たい液体の中に熱い液体を泳がせて、
両者の温度差があるうちに、
同じ温度の熱い隙間の空いた金属の間に、
熱い液体がするっと入る」
ようにするとうまくいく。
だから、
フラックスでたっぷり海を作るべき(多すぎると突沸が起こる)、
コテの上に適量の水滴のようにハンダを載せるべき、
二つの金属は同時に温めるべき(点でなく、線や面で加熱)、
温まったら、コテを回転させて液体金属を接触させると、
液体の毛細管現象で、
同じ温度の金属に這うように、勝手に液体金属が動いていく。
「温度のある液体を操る」のが、
半田付けだと僕は思った。
2/25追記:僕が知りたかった系統立てた半田付けの入門ページ。
https://noseseiki.com/kouza/
マイナスドライバー型のコテのほうが、絶対やりやすいよなあ…
2019年02月23日
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