うちの若手が、ヘンテコな編集をさせられていた。
とあるCMの再編集。
タレント事務所「登場カットでアップにしてほしい」
プランナー「困ってる顔にしたい」
そんな絵は撮影していない。
プロデューサー「わかりました。若手に検証させます」
別シーンの困ったアップ顔をインサート(繋がるわけがない)
別角度のアップ(イマジナリラインを超えるので繋がらない)
ロングの絵をブローアップ(拡大率が大きすぎてボケる)
などなど、やる前から失敗とわかる編集をさせられていた。
「ほら、手がないでしょ?」というためだけの14タイプ編集。
バカなんじゃないの?
みんなで集まって繋ぎながら議論しなよ。
なんで全ての連絡がメールで飛び交って、
若手は一人きりで、命令された編集をやって、
出来たらメールで転送してんの?
若手は学ぶチャンスがなく、一人で部屋にこもって、
心を病んでいくだけじゃんか。
このバカバカしさに。
これは、映像分野だけの問題ではない。
事件は現場で起きてて会議室で起きてないのは、
00年代までだった。
今事件はネットワークでの一方通行で起きている。
一方通行だから、それが「どれだけ自分の意見が反映されたか」
の権力闘争のパワーゲームになる。
全員が編集室に集まれば、
「そんな編集あるわけないじゃないですか」
とその場でつないで見せ、撮影された素材を全部見ることも可能だ。
その場で議論して、ベストの結論を探せばいい。
一番悪いのは、撮影した監督に編集させず、
言うことを聞く若手に投げた(しかも遠隔で)、
反抗して仕事を失うことを恐れているプロデューサーだ。
僕は焼きそばパン野郎
(三年生に焼きそばパンを買ってこいと言われ、
一年生に買いに行かせるやつ)と呼んでいる。
いま、日本のビジネスを潰しているのは、
こうした野郎どもだ。
現場と上を合わせて会議を設けさせるのも、
間に立つものの仕事であるべきと、
上に教わっていないのだな。
こうして、意思疎通のないまま現場は進んで、
おそらくは崩壊する。
2019年02月20日
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