2019年02月25日

【薙刀式】キーの打ちやすさ、ふたたび

左右対称型のキーボード、miniAxeを使用して一週間が経ち、
だいぶキーにも慣れてきた。
で、昔つくった、「各キーの打ちやすさ」を更新する。

左右対称型がもたらした、「そもそもの左右の手の差」と、
「左に傾いている(Column-Staggered)ことの影響の差」を、
自分の中で分離できたからだ。


キーのうちやすさ.jpg


まず左右対称型のminiAxe。

人差し指の伸ばし位置は、TYが苦手、RUはやや苦手。
中指は、下段がやや苦手。
これは左右共に差はない。

薬指と小指に関して、左右差があらわれるようだ。

薬指下段、小指下段、QP(僕は薬指で打っている)
に関して、左右差がある。

また、中段とはいえ、僕はもともと薬指や小指で打つことが苦手だ。
「ホーム段だからOK」という、
モダン配列の設計思想にぼくはいまいち馴染めていない。

たとえば新下駄の右薬指中段「し」、右小指中段「な」、
左小指中段「の」などは、
僕にとっては、長時間打鍵をためらわせるのに十分な配置だ。
丈夫で指が自在に動く人にとっては、
ホーム段に重要な音があることが嬉しいだろうけれど、
僕にとってはそれがつらい。

薙刀式において、
人差し指中指使用率を合計80%にまで高めたことは、
そのような意図がある。
(ちなみに新下駄は61%、親指シフトは56%)


あと、109キーボードではやや苦手とするGHが、
miniAxeではFJと差がない打ちやすさがある。
「キーボードの物理的な端は叩きやすい」ことが関係しているように思われる。
109キーボードでのエンターやBSが、
遠いとはいえブラインドタッチできるのはそれが理由だと思う。
あ、タイプウェルでのESCも打ちやすいよね。

(逆に、エンターの外にまだキーがあるような物理配置のキーボードは、
僕はとくに苦手だ。NiZ Plum 85は、NiZブランドとはいえ最低だ)


これらのことを鑑みて、109キーボードでの、
僕のキーの打ちやすさが、下の図だ。再掲。
キーのうちやすさ.jpg


左に傾いていること(Column-Staggered)
の影響が、miniAxeから加わっていることが分かるかと思う。
とくに、QWASZX、Y、B、C,、Pあたりに差がある。

また、あえて「目視が必要」のランクを設けた。
これらをブラインドタッチできる人もいる
(数字段を打てる人もいるし、JISカナのブラインドタッチはRTC2018を見ればわかる。
また、TabやCtrlやAltをブラインドタッチで打てる人もいるだろう)
のだから不思議なものだが、
僕の指(と脳神経)では無理だ。

この「無理」という感覚が、僕を配列制作に踏み切らせた動機である。

(当時は言葉になっていなかっただけで、
当時の違和感がいまようやく言葉になってきた感じ。
当時は「A、BS、エンター、カーソルが無理」という言葉しか持っていなかった)

また数字段は、左の中指薬指だけはややましになっている。
長い指、かつ左に傾いているからだろう。

新下駄でも左最上段に定義があるが、
そんなに嫌じゃなかったのは、これが理由かも。


ぼくは、
キーボードをがしがし使う人にしては、
手の能力が低すぎる自覚がある。

たとえば僕は絵を描くが、
直線をある程度フリーハンドで引けない人は、まず絵を描く資格がない。
描く人なら同心円もフリーハンドである程度描けるべきだ。

キーボードにとってのその基本力が、僕は足りない。
しかし文章構成力、アウトプット量、言葉のチョイスなどは、
作家に近いレベルなので、
それをうまくデジタルに落とす道具が欲しかったのだ。

40を超えてピアノを習うことはできないそうだ。
手の神経は20代までで固定してしまうかららしい。
なので、僕はこの指で戦うしかないのである。
(音声入力は、考えに脳内発声がないから、逆に苦手なのだ)

幸いスポーツと違って、
パラリンピックとかドーピングとかないので、
便利なギアを開発すればそれでいいと思っている。

タイピング競技も、
ノーマル競技(キーボード指定、QwertyかJISカナのみ)と、
パラリンピック(自作配列から自作キーボードまで、ただしマクロなし)
に分けてやればいいのにね。
(脱線)



ということで、僕の手のプロフィールをつまびらかにしてみた。

みなさんはどうだろう。
僕のように不器用な人は、薙刀式があってるかもしれない。

もう少し器用な人には、もっと効率的な配列があるかもしれないし、
長文を書くことが多く、楽したいなら、薙刀式がいいかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 18:45| Comment(2) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自分も大岡さんの指のプロフィールと同じかもしれません。大岡さんのように突き詰めて分析はしていませんが。
私は自キの世界に入れませんが、大岡さんのやっていることにいちいち頷けます。既存のColumn-Staggeredのキーボードでがんばります。
今、薙刀式のために極端に入力スピードは落ちていますが、やめようとは思いません。
長文を書くことが多く、楽したいなら、薙刀式がいいかもしれない。そう思います。
Posted by ひぐちまさひろ at 2019年02月26日 00:44
ひぐちまさひろさんコメントありがとうございます。

僕が格子配列(というか左右対称の物理)に手を出したのは、
左手だけが腱鞘炎になっていて、
それがColumn-Staggeredのせいではないかという仮説からです。
予想通り、回復には向かってます。

他の配列作者の方の発言を見ていると、
僕よりも指の器用な人が多く羨ましく思いますねえ。
多くの人は不器用でしょうから、
そんな人でも使える配列を目指しています。
Posted by おおおかとしひこ at 2019年02月26日 15:03
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