2019年03月01日

それはいったい何人の話か

最初は主人公ともう一人程度だった話は、
進行に従ってどんどん登場人物が増えていく。

それが一体「何人の話である」とあなたは把握してるか?
という話。


劇団を持っている劇作家は、
先にキャストが決まっていて、
それらにキャラクターを当てはめていくことがある。
(当て書き)

その劇団を運営していくこともしないといけないので、
それぞれに見せ場をつくってやらないとなあ、
なんて熟考したりする。


しかし劇団がフィックスしていない、
オリジナルのストーリーでは、
登場人物を何人に限る、
増やしても減らしてもだめ、
などという規則はない。

面白くなるように、登場人物を調整するといい。

しかしながら、
新登場人物を出したが、
あんまり面白くならなかったので、
また新登場人物を出したがる、
という癖についてはよく考えておくことだ。

これがゆえに、
本来必要ない人物が増えて、
出落ちに頼るようなホンになってしまう。

出落ちは10やらなきゃいけないことの1でしかない、
と常に考えておくこと。

逆にいうと、出落ちなしでいいから、
その登場人物を使い倒すようにしたほうが、
面白いということになる。


その登場人物を使い倒すとはどういうことだろうか。
主人公を豊かに描くことと同じである。

つまり、
目的を持って行動すること。
その展開や結末があること。
その結末になんらかの意味があること。
これはサブプロットとサブテーマを持っている、
と一言でいうことができる。

また、性格に多面性があったり、
今はこうだが本当はこうだ、みたいな多重性があったり、
それぞれに抱える人間関係があったり、
そこで小さなコンフリクトを抱えていればよい。

つまり、サブ登場人物も、人間である、
ということである。


これらの人間関係や動機や目的の表を、
うまく一つの図にまとめる方法は、
今のところない。

僕は何枚かにわけて整理する。
俯瞰したり、その人物の内面に分け入ったりするために。


で。

あなたのそのすとーりーは、
最低で何人のストーリーで語れるのか?
それを常に考えることだ。

「この人はメンバーとしては入っているが、
とくにサブプロットを持っていない」ならば、
それは背景と同じ扱いで良い。
それを端役という。
出番はあってもメインストーリーに絡んでないなら、
その登場人物は削れる。

削りに削って、
大体何人?

初心者は2か3で精一杯のはず。
4とか5ならたいしたもんだ。

僕は5から7ぐらいが、
面白い話になる人数だと思っている。
それぐらいが、
それぞれをたっぷり描いて、面白く見れる数だと思う。

それを超えると、メインとサブが分かれてくる。

ドラマ風魔はたくさんの登場人物がいたが、
メインは、
小次郎、武蔵、壬生、姫子、蘭子、竜魔、陽炎
の7人で記述できると思う。
絵里奈を加えてもいいか。
あとはサブだ。

メインの登場人物には、それぞれのサブプロットがあり、
多面性や多重性があることがわかるかと思う。

ドラマ風魔の魅力は、これ以外のサブにも、
メイン並みの魅力的なエピソードを入れ込んだことで、
かつサブに逃げず、
メインもきっちり面白いことだと思う。



さて、あなたのストーリーは、
何人によって編まれるタペストリーなのか?

今書いている話の登場人物を数えたら、
8人で、それぞれの関係性が希薄かもなあ、
なんて思い始めているところ。

主人公周り以外がスカスカになるのは、
よくあることなので、
そこを重点的に掘る時間も必要だと思う。
posted by おおおかとしひこ at 14:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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