2019年03月08日

【追悼】最高の悪役が死んだ

ザ・デストロイヤーが死んだ。
僕にとって、はじめて知った悪役だ。
「山」といえば富士山だ。「悪役」に名はない。デストロイヤーのことだからだ。

子供の頃はほんとうに悪い外人だと思っていたけど、
大人になると、悪役というものは正義を際立たせるためにつくられたものだ、
とわかるようになる。
悪役はだから、正義と悪を知って、正義を見せるために存在する。

デストロイヤーはだから、正義の味方だ。


彼が死んで、悪はほろびたのか?
正義こそがほろびかかっているのではないか?
私たちはデストロイヤーを失った。
正義をも失ってはならない。


UWF新日の対抗戦の大一番。
UWFの象徴であった高田のミドルキックをドラゴンスクリューで落とし、
武藤が極めた技はなんと足四の字。そんな馬鹿なと声をあげた。
キャプチュードでも膝十字でもV1アームロックでもない、古典中の古典中の古典技。
作りに時間がかかりすぎ、相手が待っていないとかからない技。

しかしドラゴンスクリューの痛みからならば、その時間の空白を作れる。
そして一度極まった四の字がどれだけ痛いかは、
デストロイヤーの真似をした小学生なら全員知っている。


あの台本は誰が書いたのだろうか?
デストロイヤーを、プロレスを、心から愛する者だと僕は思う。

あの日UWFは終わり、あの日昭和プロレスも終わった。
デストロイヤーのオリジナルホールドでだ。
posted by おおおかとしひこ at 15:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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