2019年03月12日

間違った予告

電車で見かけたステッカー型の広告。

キャッチ「17歳。その職業は、探偵。」
ビジュアル:メインキャラのアップ
作品「北北西に雲と往け」入江亜季
1〜3巻コミックス発売中とあるから、小説ではなく漫画。

出版社はどこかと小さい文字を見たら、
ああ角川ですか。だめだこりゃ。


なぜだめか?


キャラクターのことしか書いてなくて、
ストーリーがわからないからだ。

「17歳で探偵」というキャラクターに、
そこまで引きあるかい?
未成年探偵ものは死ぬほどあるはずで、
他と違うオリジナリティはなんなん?

まったくわからない。

しかもキャッチを書いた人間が、
自分の文章に酔ってる気配すらする。

入江亜季さんよ、出版社移ったほうがいいぞ。
こんな糞宣伝されて、
作品がかわいそうだ。


どんなストーリーか知らないが、
絵のタッチだけで想像するに、
「17歳探偵が出来るのは、
猫探しだけだと思ってんだろ?」
「17歳だけど、人殺しはたくさん解決してきたぜ。
探偵だからね。」(主観独白)
「日本で一番殺人を見てきた17歳。」(客観)
「17歳。日本で一番殺人を見た。」(客観、倒置)
「殺人事件は解決できても、
恋は解決できない、17歳。」
あたりの感じがいいと思うよ。
ストーリーは知らないのであると仮定して書いて見た。


キャラクター押しとストーリー押し、
ふたつのやり方があるが、
それは対立要素ではない。
両輪要素だ。

うまくキャッチに落とし込めるかは、
ストーリーをどれだけ理解しているかできまる。
キャラの理解は誰でもできる。
ストーリーの理解は、専門家じゃないと出来ない。

そしてこの出版社は、ストーリーを理解していない。

もっとも、
ストーリーがヘボでキャラクターだけが面白い漫画の可能性もあり、
へぼい部分を隠蔽している可能性も棄却できない。
しかし適当にでっち上げることすら出来ない、
へぼい編集者であることは事実だ。


ということで、こんな出版社に、
自分の血と汗と涙の結晶を預けるのは、
作者として不安だね。
企業不信が、作者たちに蔓延するのもむべなるかなだ。
posted by おおおかとしひこ at 12:57| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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