2019年03月15日

セリフのレッスン3

色々なセリフを色んな言い方で書けるようになろう。
何度も試行錯誤して、
かつ文脈をつくれば、
徐々にうまくなってくる。
少なくとも、不自然でなく使えるようになってくる。

そして、もっとも雄弁なセリフを使えるようになろう。
無言である。


ハリウッドの格言で、
「最も雄弁なセリフとは、無言である」
というものがある。

ただジト目で相手を睨むのは、
この無言のセリフに当たらない。

そうではなく、
ドラマチックな瞬間、
人は言葉を失う、ということだ。

30年経ったあとに、
初恋の人に再会したら、
雄弁なセリフが出てくるものだろうか?

墜落する飛行機の中で、
手帳に遺言を書くとしたら、
どんな短い一言が出てくるか?

南極基地へ電報を送るとき、
一文字がものすごく高いから、
新婚の妻が送ったたった3文字のカタカナとは何か?
(知らない人は考えてみてください。
有名な話なので、調べればすぐ出てくる)
それを受け取った南極の夫はどうリアクションするのか?


そのほんの一瞬、
時間にすればわずか数秒のことを、
私たちは永遠のものとする。

それを、物語という。


そして、
まだみたことのない、
これらに匹敵するオリジナルのそんな一瞬を書くことが、
脚本家に課せられた使命であることを、
考えることだ。

無言のセリフが上手な人は、
つまりは文脈を作るのが上手で、
もはや余計な言葉がいらない境地に達した人のことを言う。

あとの説明はいらないね?
posted by おおおかとしひこ at 09:11| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。