2019年03月16日

世界はこう変わる

ストーリーというのはフィクションだ。
あなたの構築した、
架空の世界での話だ。

そこでなにかが起こった結果、
世界は変化する。
全てが終わった後、世界は変化する。
(よく変化したものをハッピーエンド、
逆をバッドエンドという)

その変化の仕方の妥当性が、
あなたのテーマの説得力だ。




世界はそんな簡単には変わらない。
人一人の努力で変わらない。
集団でやっても変わらないこともある。

一方一人の天才が一気に変えることもあるし、
みんなの小さな積み重ねで変わることもある。
流れが来れば歴史が変わることもあるし、
その流れに流されて滅びる国もある。

あるいは、ひとつのニュースで、
がらりと変わる世界もある。

ピエールが捕まって、関係者の人生はがらりと変わっただろう。


あなたのストーリーで、
世界はどう変わったかをまず箇条書きで書きなさい。

それはなぜどのように変わったのか、
その経緯をダイジェストで書いてみなさい。

それにリアリティはあるだろうか?


「そんなわけないやん」から、
「あるかも」から、
「あり得る」から、
「ありそう」から、
「事実っぽい」から、
「実話かと思ってた」まで、
様々なリアリティがある。

あなたのリアリティはどこだろうか。

リアリティというと、
世界の静止的なリアリティが問題になることが多い。
「ここにこれがあるわけがない」とか、
「○分でできるわけがない」とかの、
静止的、法則的なリアリティだ。

しかしほんとうに大事なのは、
変化に対するリアリティだ。

気持ちが変わるときのリアリティ、
組織が変化するときのリアリティ、
元に戻らない人間関係のリアリティ、
破壊、創造、変更のリアリティ。
そして、世界が良き方向へ変わったリアリティ。

それらが、
あなた一人の思い込みなのか、
それともみんなが納得するものなのか、
それとも誰もが深く唸るほど心に刺さるものかで、
ストーリーのランクが変わるだろう。

繰り返すが、
その変化はフィクションで、
架空のものだ。

事実に基づくストーリーは、
僕は一段ランクが下がると考える。

架空の世界なのに本当に見えるものこそが、
フィクションの目指すべきところだ。


人間とは○○なものである。
人間とは○○○な変化をする。
集団とは○○で、○○○に変化をする。
そういうリアリティを、
うまくストーリーの中に入れ込めたとき、
フィクションなのに真実性が増すだろう。


そのとき、
世界の変化の意味、すなわちテーマが、
観客の心に深く響き、
それが価値あるものと記憶される。


あなたの世界の変化は、
妥当でリアルで、かつフィクションで、
価値があり意味があるだろうか?
posted by おおおかとしひこ at 12:53| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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